枝野幸男経済産業大臣 定例会見 2012.7.13

記事公開日:2012.7.13取材地: テキスト動画
このエントリーをはてなブックマークに追加

(IWJテキストスタッフ・浜本)

 2012年7月13日(金)、経済産業省本館で、枝野幸男経済産業大臣 定例会見が行われた。

■ハイライト

  • 日時 2012年7月13日(金)
  • 場所 経済産業省本館(東京都千代田区)

 2012年7月13日の定例会見で、枝野経済産業大臣は、まず九州地方で甚大な人的被害および家屋被害をもたらした大雨災害について触れた。「大分、福岡の2県に対しては、会見の前の週に、すでに被災中小企業者対策として、特別相談窓口の設置や災害復旧貸付けの措置を講じた」と報告。また会見の前日に、「災害救助法が適用された熊本県についても、同様の措置を講じる」と述べた。さらに「政府調査団として経済産業省の職員を被災3県に派遣し、被害状況の把握および災害対応に全力を注ぎたい」と述べた。

 次に枝野大臣は、東京電力の料金値上げ認可に関する基本方針について報告。会見の前日に松原消費者担当大臣と非公式に会談したことを明かし、「電力の安定供給や原子力損害賠償の迅速かつ適切な実施の確保に支障を来さないことを前提に、消費者の目線や他の公的資金注入企業の事例を踏まえ、徹底的な経営合理化をすることを東京電力に求める」という認識で一致したと述べた。この基本認識を共有した上で、消費者庁から、より具体的な意見が提示されるのを待ち、最終的に両大臣で、料金値上げ認可に関する対応を相談する予定とのこと。

 記者質問では、主に原子力政策に関する質問が相次いだ。まず再稼働問題で揺れている大飯原発について、枝野大臣は、関西広域連合や地元の意見を踏まえて対応する姿勢を示し、意見集約の努力を続けていると述べた。

 また東京電力が、福島第一原子力発電所の事故対応に際するテレビ会議映像の公開を決定したことについて、編集改ざんの懸念から、未編集映像をすべて公開すべきではないかとの意見が上がった。これに対して枝野大臣は、未編集映像の公開は東電職員の個人情報の観点から望ましくないと述べ、編集改ざんといった不正が行われないよう、東京電力に指導を徹底するとした。テレビ会議映像に関連して、事故の教訓を生かす具体的方策についても質問が上がった。枝野大臣は、現在、電力会社本社、原子力発電所、官邸の三者がつながる仕組みが整備されつつあり、危機時には会議映像が原子力保安院(将来的には原子力規制庁)とも共有されることになると述べた。またその映像は情報公開法に基づき、政府の責任において公開するという。

 今後の原子力政策については、意見聴取会や討論型世論調査、パブリックコメントなどのあり方に関して質問が上がった。 枝野大臣は、意見聴取会は政府が何らかの立場や意見を示す場ではなく、あくまでも政府が一般国民の意見を聞くために設けられた場であるということを改めて示した。その上で、活発かつ公平な国民的議論が行われるよう、メディア各社の協力を求めた。また政府としては、最終的に意見聴取会、討論型世論調査、パブリックコメント、また各メディアによる世論調査において示されたさまざまな意見から、国民が求める原子力政策の趨勢を見極めた上で、総合的に判断を下していきたいと述べた。各地で行われているデモについても、意見表明の一つの形として意義を認め、デモを含め有形無形に示される国民の意見に今後も真摯に耳を傾けていきたいとした。

 ほかにも東電の電力値上げや今後の原子力政策、また原発の再稼働リスクについて質問が上がったが、枝野大臣は消費者庁、および専門者会議からの意見提示を待ってから判断すべきものであるという姿勢を貫いた。

アーカイブの全編は、下記会員ページまたは単品購入より御覧になれます。

一般・サポート 新規会員登録単品購入 330円 (会員以外)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です