「復興の加速」とその広報が大きな目標、課題は「汚染水の浄化完了」~東電会見 2015.1.15

記事公開日:2015.1.15取材地: テキスト動画
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 2015年1月15日(木)18時30分から、石崎芳行復興本社代表と増田尚宏廃炉推進カンパニー・プレジデントによる記者会見が行われた。石崎氏は、復興の加速とその広報で住民の帰還意欲を高めてもらいたい、それが今年の大きな目標だと年頭の挨拶で述べた。

■全編動画

  • 開催日時 平成27年1月15日午後6時30分~
  • 開催場所 Jヴィレッジ内「アルパインローズ」
  • 会見者
    • 福島第一廃炉推進カンパニー・プレジデント 増田 尚宏(ますだ なおひろ)
    • 福島復興本社代表 石崎 芳行(いしざき よしゆき)

復興の加速とその広報が大きな目標

 石崎復興本社代表は年頭の挨拶として、復興加速と、その成果を確実に示すことが大きな目標だと述べた。昨年2014年には廃炉推進カンパニーを立ち上げ、復興本社とともに福島復興の両輪として復興の体制を確立してきたとし、今年はその体制をベースに復興を加速させるという決意を述べた。

 復興に向けた取り組みとして、再生エネルギー発電所の稼働、IGCC発電(最新鋭の石炭ガス化火力発電)の計画による、雇用の創造と経済波及効果があるという。

 さらに、現在Jヴィレッジにある復興本社を福島第一原発近くに移転する予定だ。Jヴィレッジは2020年東京オリンピックまでに元のスポーツ施設として活用できるよう、返却に向けて進んでいるという。

 こうした復興策を加速させ、その成果を見てもらい、住民の帰還意欲を高めてもらうことを考えていると石崎代表は説明した。

汚染水の浄化完了が今年前半の最大の課題だ

 続いて、増田廃炉推進カンパニー・プレジデントが挨拶。今年前半の最大の課題は汚染水の浄化完了だと述べた。

 2015年3月までに汚染水を一通り浄化し終えるというのが今の計画。汚染水浄化を「しっかり行う、全力を尽くして行っていく」とし、3月末に一通りの浄化が完了すると「そこからが、本格的な廃炉作業のスタートだ」という。

 これまでの定例会見でも説明があったように、当所目標の3月末に汚染水処理完了も、ALPSだけの処理では間に合わなくなった。一部の汚染水は、まずCs-Sr除去処理し、後々ALPSで処理することになった。汚染水の浄化と言うが、トリチウムは除去できず、浄化後はタンクに貯蔵し続けると増田氏は断言している。

 汚染水浄化後、4月からの廃炉作業は、「まずは、1号機の使用済燃料の取り出しのための取組みが本格化」してくるという。4号機での経験、知見を生かし、1、2、3号機からの燃料取り出しに着手する。

 汚染水の対策は、今年の2015年3月頃を目途に凍土遮水壁の凍結を開始、その先にサブドレンの稼働、海側遮水壁の閉止という大きな項目が工程に上がっている。これらの稼働により「海洋に対する放射性物質の放出リスクを一層低減できる」と東電は考えている。

 海中に鋼管矢板を打ち込んだ”海側遮水壁”は、一部がまだ開いていて、敷地を通ってきた地下水が港湾内の開渠部分に流れ出している状態だ。地下水を上流側で止めずに下流側の海側遮水壁で止めると、地下水位が上昇し溢れ出す恐れがあるため、海側遮水壁の一部はまだ開けたままになっている。サブドレンピットからの汲み上げ、海洋放水ができるようになってから海側遮水壁を閉止する予定だ。

 こういった取組みから、増田氏は2015年を「汚染水対策という後始末から廃炉へ向けギアチェンジする」という表現で示した。

■■■■■■ 以下、東京電力ホームページより、リンクを表示

報道配布資料

2015年1月15日

2015年1月14日

プレスリリース

2015年1月15日

2015年1月14日

福島第一原子力発電所の状況について(日報)(東北地方太平洋沖地震による当社原子力発電所への影響)

道関係各位一斉メール

2015年1月14日

福島第一原子力発電所 データ集

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