福島第一原発1-2号機間の地下水観測孔で過去最高濃度のセシウム、コバルト60などを検出~東電定例記者会見 2015.1.13

記事公開日:2015.1.13取材地: テキスト動画
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 2015年1月13日17時30分から、東京電力で定例記者会見が開かれた。福島第一原発1-2号機間の海側、護岸エリアの地下水観測孔で過去最高のCs-134、Cs-137、Co-60、全βを検出。地盤改良などの影響でピンポイント的に上昇したとも考えられるとして、直ぐに対策はせず、今後も観測、監視を続ける構えだという。

■全編動画

RO濃縮水処理設備、Srも除去できるように改造

 東京電力は、「多重的な対策により、汚染水のリスク低減を図る」ために、セシウム吸着装置やRO濃縮水処理設備にストロンチウムを除去できるよう、フィルタとなる吸着塔を追加した。その中で、RO濃縮水処理設備の吸着塔追加施工、使用前・溶接検査が終わり、処理を開始したことが発表された。1日当たり500から900トンの汚染水からストロンチウムを吸着・除去し、1/100から1/1000まで低減するのが目標。これで既設・増設・高性能多核種除去設備(ALPS)を加え、7つの水処理設備がほぼ全て稼働していることになる。ただし既設・増設・高性能多核種除去設備はホット試験の扱いだ。

 東電は、今年度末の2015年3月までに、RO濃縮塩水の内、約18万トンを”ストロンチウム除去水”となるよう処理し、ほかは多核種除去設備で処理する見込みだ。ストロンチウム除去水は、その後に多核種除去設備で処理することを計画している。

海水配管トレンチの充填、検討会の工程に沿って進捗中

 海水配管トレンチの充填については、昨年末2014年12月26日に開催された原子力規制委員会の「第30回特定原子力施設監視・評価検討会」にて、今後の工程が説明され、それに沿って進められている。

 2号機は、水平トンネル部分の充填施工の結果を評価しており、立坑部分は2015年1月末までに施工方法を検討、準備する予定。2月から施工に入る。「その工程を目指して(施工方法を)検討している」と広報官は説明。一方、3号機の海水配管トレンチは、水平トンネル部分について、原子力規制庁との面談などで相談しながら施工を進めるとしている。工程では1月中旬後半からトンネル部の充填工となっているが、まだはっきりした進捗はない。

2号機圧力容器の温度計、交換作業

 2号機圧力容器の温度計(熱電対)を追設したが、絶縁試験時に誤って損傷してしまったという。その後、取り替えようとしていたが、錆などが原因で取り外せなくなっていた。モックアップで検討、試験した結果、手順が確認できたことから、温度計の取り換え作業を開始することが発表された。既設のポンプを使って錆除去剤を注入、その効果により温度計を取り出すという。1日当たり15名で作業し、10日を目処に取り換えることを計画している。計画線量は3mSvと発表された。

地下水観測孔No.1-12で過去最高の放射能濃度を検出

 地下水観測穴No.1-12で過去最高の放射能濃度を検出した。過去最高であるだけでなく、前回1月8日採水分から比べて2桁と大きく上昇している。東電は、1桁程度の変動は通常の変動範囲内と考えているが、今回はそれを超える変動だ。この観測穴は1号機と2号機の間の護岸部分にある。

 1月5日の会見では、2号機と3号機の間の護岸部分の観測孔で、過去最高のCs-134、Cs-137が観測されている。

 東電は、これら観測孔の数値だけではなく、全体を見て判断するとしている。全体的に上昇しているわけではないので、大きな変化や異常とは断定できない、今後も推移を観測、監視し続けるという説明を繰り返している。

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      1/12採水分  1/8採水分  これまでの最高値と採水日
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Cs-134    140     2.8        74 (10/21)
Cs-137    470     7.8        170 (10/21)
Co-60     1.9      ND        0.51 (10/24)
全β      15000     260        1100 ( 5/ 5)
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単位 Bq/L

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以下、東京電力ホームページより、リンクを表示

報道配布資料

2015年1月13日

2015年1月12日

2015年1月11日

2015年1月10日

2015年1月9日

プレスリリース

2015年1月13日

2015年1月9日

福島第一原子力発電所の状況について(日報)(東北地方太平洋沖地震による当社原子力発電所への影響)

道関係各位一斉メール

2015年1月12日

2015年1月11日

2015年1月9日

福島第一原子力発電所 データ集

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