ALPSで処理した後のトリチウム水の扱い、タンクに滞留するか海洋放出か、国の検討結果を待つ考え~東電定例会見 2015.1.8

記事公開日:2015.1.8取材地: テキスト動画
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 2015年1月8日17時30分から、東京電力で定例記者会見が開かれた。3月に予定されている凍土遮水壁の凍結開始に変更はないとの考えを示した。また、ALPSで処理した後のトリチウム水は、国の検討結果が出るまでタンクに溜め続ける考えだという。

■全編動画

閉塞材充填中の2号機海水配管トレンチ、凍結壁は未だ完成せず

 福島第一原発2号機海水配管トレンチは、凍結管の冷却を続けているが氷の壁に通水が認められるという。つまり、当初もくろんでいた凍結壁の構築は、未だできていない。すでに特殊セメントを注入して埋立てを行っているため、凍結は不要だが、当初の想定、計画が甘かったということになる。今月後半に予定されている次回の原子力規制委員会・特定原子力施設監視評価検討会で、東電は最終状況を報告、議論される予定となっている。

凍土遮水壁の凍結開始は3月の予定、変更なし

 2号機海水配管トレンチに続き、3号機海水配管トレンチの埋立ても行われる。その後、凍土遮水壁海側のトレンチと交差する部分の工事が施工。凍結開始はその後になる。

 東電は、本年2015年3月から凍土遮水壁構築のための冷却を開始する予定。その計画に変更はないのかと記者が質問した。東電広報官の川村氏は、「3月凍結開始に変更はない」と答えた。しかし、そこに至る工程は不明確だ。凍土遮水壁は大きく山側と海側に分かれる。施工は山側と海側とで調整しながら進めているため、正確な見通しは今は答えられないという。3月凍結開始というマイルストーンだけが決まっており、そこを目標にして工事を進めているという、曖昧な説明に終始した。

ALPS処理水の処理は、国の検討結果を待っている

 凍土遮水壁が完成し、その効果が表れるまで、建屋地下への地下水流入、すなわち汚染水の増加は続く。それらはセシウム吸着装置、淡水化装置で処理されたRO濃縮塩水となり、多核種除去設備(ALPS)で処理される。RO濃縮塩水は現在約31万トンがタンクに溜まっている。これが今後ALPSで処理しなければいけない汚染水だ。これまでにALPSで処理した水は約24万トンある。したがって、合計約55万トンのALPS処理水をタンクに滞留することになる。

 原子力規制委員会の田中俊一委員長は、タンクに溜め続けるという大きなリスクを抱えるよりも、元々リスクの低いトリチウム水は海洋放出するほうが良いという考えを示している。

 この田中委員長の考えに対し、東電は、トリチウムをどうするかは国の検討会で検討しており、その結果、決定を関係者に説明、理解を得るまでは、なにもできないと東電・川村氏は説明。増田尚宏・廃炉推進カンパニープレジデントも、トリチウム水はタンクに溜め続けると、これまでの会見で明言している。

 いわば決定、方策を国に丸投げした形だ。田中委員長は、トリチウム水を溜めると廃炉のための現場作業が止まると懸念している。「現場としてどうなのか、実際に今後の作業に支障がないのか。説明しなければいけないんじゃないか」と記者が詰め寄るも、東電・川村氏は国の検討を待つという従前の回答を繰り返すのみだった。

※次回の会見は、来週月曜日2015年1月12日は祭日(成人の日)のため、翌13日(火曜日)になります。

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以下、東京電力ホームページより、リンクを表示

報道配布資料

2015年1月8日

2015年1月7日

2015年1月6日

プレスリリース

2015年1月7日

2015年1月6日

福島第一原子力発電所の状況について(日報)(東北地方太平洋沖地震による当社原子力発電所への影響)

2015年1月8日

道関係各位一斉メール

写真・動画集

福島第一原子力発電所 データ集

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