2014年12月11日17時30分から、東京電力で定例記者会見が開かれた。福島第一原発2号機海水配管トレンチの閉塞工事状況について、グラウド(充填剤)を累計2095立法メートル注入し、完成が近づき慎重な作業段階に入ったことが報告された。また、トレンチからの水抜きは一度も行っておらず、凍結止水の意義が問われている。
2014年12月11日17時30分から、東京電力で定例記者会見が開かれた。福島第一原発2号機海水配管トレンチの閉塞工事状況について、グラウド(充填剤)を累計2095立法メートル注入し、完成が近づき慎重な作業段階に入ったことが報告された。また、トレンチからの水抜きは一度も行っておらず、凍結止水の意義が問われている。
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福島第一原発2号機海水配管トレンチの閉塞工事状況について、東電は、12月10日までで合計2095立法メートルの充填剤を注入したと説明。11日は充填作業は休みで、12日は縦坑Aから20立法メートル、縦坑Cより40立法メートルを注入する予定だという。
また、東電は12月4日に速報として、11月25日から12月2日まで立坑A、Cから1日あたり210立法メートルずつ充填剤を注入し、合計1130立法メートルを注入、地下の水平トンネル部分の約半分程度まで埋まったことを発表している。
注入量を急に10分の1から5分の1へと減らすのはなぜかと、記者が質問。広報官の川村氏は、「現場の状況を見て変動することがある」「明日の作業は午前だけということなので」といった回答に終始し、具体的にどうなっているのかについての言及はない。「現場を見ながら・・・」「充填剤が天井に近くなったら」再び詳細を発表するとしている。
水平トンネル部分が埋まり、充填剤が天井まで達するのはいつごろになるのか。記者がその見通しを質問するも、「見通しは説明できない」と回答するにとどまった。
12月2日までの約一週間で充填剤1130立法メートルを注入し、水平トンネル半分程度まで埋まっていると東電は公表している。とすると、その後の一週間でさらに2095-1130=965立法メートルを注入した計算になる。したがって、水平トンネル部分は大部分が埋まりつつあると思われる。こういった現場の状況の確認、充填剤の注入量の差などについて説明するよう、複数の記者が要望した。
これに対し東電川村氏は、「明日(量が)少ないのは、かなり(埋まった水位が)上がってきてるので慎重にやってること」と説明した。
2号機海水配管トレンチに充填剤を注入して閉塞するにあたり、充填剤の注入に合わせてトレンチ内に滞留している汚染水が溢れださないよう、徐々にをくみ上げ、タービン建屋に移送することは、すでに発表されている。
しかし、実際に重点作業が始まってから1度も水抜きは行っていないことが分かった。東電川村氏は、「ポンプを動かすことなく充填作業は進んでいる」と説明する。
2号機の海水配管トレンチと、タービン建屋地下との間は、”氷の壁”を作り止水しようとしていたが、できていない。その結果、トレンチ側に充填剤を投入、水位が上がっても、タービン建屋側に流れ込んでいるということを想定している。
「トレンチの水を抜くポンプが起動しないなら、氷の壁は要らなかったのはないか? この後どうするのか?」と記者が質問。東電川村氏は、「今後3号機に活かして・・・」と答える。さらに、こうした事柄が凍土遮水壁の工事にどの程度影響するのかについては、「いまのペースで行けば、海側凍土遮水壁工事に影響はないと聞いている」と歯切れの悪い回答に終始した。
11月27に2号機燃料プールの冷却が一時停止したことがあった。東電は、その原因の調査結果を発表。当該冷却系にある空気弁を動作させるためのコンプレッサーを移動させる時にスイッチに触れてしまい、運転が停止したことが原因だという。
東電の説明によると、他の工事を行う時に、コンプレッサーを移動させた。スイッチには誤操作防止用の透明カバーを付けている。しかし、磁石で付けているだけのため、移動した際にズレてしまい、直しているうちにスイッチにも触れてしまったのだろうと推定されている。
スイッチはカバーの接触で容易に切り替わるため、こうしたことが原因の可能性が高いと判断。再発防止として、スイッチカバーの磁石を強くする、Webカメラで空気圧を毎日確認、作業前後の状況確認を確実にする、といったことを東電は挙げている。
また、当該コンプレッサーは「(現場作業員は)重要な設備との認識があり、慎重に移動を実施」したと説明した。
この説明では、重要な設備と認識しつつ、コンプレッサーはスイッチオンで、パイプなどを接続したまま移動したことになる。慎重に移動させたにも関わらず、コンプレッサーのスイッチに知らずに触れて切れていた、ということだ。切れた瞬間に音や振動でわからないのものなのだろうか。通常は電源スイッチを切り、状況を確認すると思われる。
記者からの指摘に対して東電川村氏は、「そういったこともあると思いますが、今回は作業の前と後で確認することが反省点」だと答えた。
原子力規制委員会の田中俊一委員長が、12月11日から12日にかけて、1Fと2Fを視察する予定になっている。その状況はどうなってるのか、記者が質問。現地から会見しているのだから、詳しい情報が欲しいと要望した。しかし東電広報部からは、「今は分からない」「確認する」といった回答しか返ってこない状況。
田中委員長は東電増田尚宏CDOと腹割って話すと、規制委員会の会見で言及している。その現場から会見を行っているのに、なぜ東電は情報を出してこないのかと記者が問いかけた。「規制がかかっているのか」「そちらでやってる意味があるのか」と記者が追及するも、東電広報官は「どういった回答ができるか、いま確認している」と答えるにとどまった。
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2014年12月11日
2014年12月10日
2014年12月9日
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