渡辺勇一氏講演会「放射線による障害、特に内部被曝について」 2012.6.24

記事公開日:2012.6.24取材地: 動画
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(IWJテキストスタッフ・角田/澤邉)

 2012年6月24日(日)、新潟大学で名誉教授を務める渡辺勇一氏の講演会が、桑園九条の会の主催により、札幌市の桑園ふれあいセンターで行われた。内容は「内部被曝と外部被曝とは何が違うのか」「放射線はどのような性質を持つか、またその種類は」「放射線照射を受けると体に何が起こるか」「内部照射は歴史的にどう扱われてきたか」「なぜ放射性物質があるのか」の5つ。放射線や被曝の基礎知識から原発事故後の展望まで、多岐にわたる事実が語られた。

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  • 日時 2012年6月24日(日)
  • 場所 新潟大学(新潟県新潟市)

 「私の遠い先祖が会津にゆかりがあり、その後、北海道に渡ってきたという経緯がある」。講演会は、原発事故のあった福島と、講演会が行われた北海道を結ぶ自身の縁の話から始まった。

 講演内容である5つの項目を提示したあと、福島県の原発事故報道の誤りを指摘するとともに、放射能・放射線・放射性物質の違いといった基本を説明。「半減期」や「シーベルト」などの用語解説、広島・長崎の被爆調査結果といった歴史的検証、「放射性物質は安全」といい切る専門家への警鐘を交えながら、わかりやすく落ち着いた語り口で解説を続けた。原発からの離脱を目指すためには、「どうにもならない放射性物質の危険性を学ぶことが必要」と話し、終盤には、原発の反対運動やエネルギー施策の転換、放射性汚染状態の把握などの重要性も説いた。

 質疑応答では、「低線量ならば身体によいという報道があったが本当か」という問いに対し、渡辺氏は「放射線は自然にも出ているもの。ラドン温泉などのようにデータがないものもあり、どのくらいの放射線量だから絶対に危険、また絶対に安全ということはいえない」と、放射能の善し悪しが一概にはいい表せない難しさを伝えた。

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