2014年11月5日(水)15時より、姉川尚史・改革特別タスクフォース事務局長による「原子力安全改革プラン進捗報告記者会見」が開かれた。改革目標や目標達成度の定量化、評価方法、安全文化醸成のための7原則を10特性に変更したことなどを報告した。
2014年11月5日(水)15時より、姉川尚史・改革特別タスクフォース事務局長による「原子力安全改革プラン進捗報告記者会見」が開かれた。改革目標や目標達成度の定量化、評価方法、安全文化醸成のための7原則を10特性に変更したことなどを報告した。
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東京電力は四半期ごとに安全改革プランの進捗状況を取りまとめ、報告書を公表している。今回は2014年7月~9月の状況を報告するもの。
福島第一原子力発電所は、新設した廃炉推進カンパニーに招聘した3人のバイスプレジデントがプロジェクトをリードし、出身メーカーとの一体感も得られているため、問題解決に良い効果があるという。また、4号機使用済燃料プールからの燃料取り出し、多核種除去設備の増強、1号機建屋カバーの解体など、まだ道半ばだが、順調に進捗していることを報告した。
加えて、福島第二原子力発電所、柏崎刈羽原子力発電所についても報告した。
改革プランの進捗、実現度合いを客観的に表すため、定量的に測定するよう指摘されていた。そこで東電は第3四半期に、定量的に測定するための重要度評価指数(PKI)、目標値、マイルストーンを設定することを発表。
改革プランを策定してから2年近く経過するが、これまで、進捗度合いや成果はあくまで感覚的な自己評価でしかなかった。
この改革プランは大きく6つのアクションプランを設定している。最も重要な改革は、”経営層からの改革”だと姉川氏は言う。WANOやINPOという国際的な組織の仕組みを取り入れ、トップの意識改革から行い、上手く改革できているかを原子力安全監視室という第三者の眼でチェックしていく仕組みだ。
次いで現場での改革として、安全意識の向上のため、安全向上のための提案コンペや、国内外へのわかりやすい情報発信、訓練の継続を挙げている。
安全文化の向上、醸成を定量的に数値で評価すると言うが、具体的にどのように数値化するのか、記者が質問した。
姉川隆史氏は、このような定量化しにくいものをどのように扱えばいいのか、世の中のグッドプラクティスを調査したと説明。世界の原子力を扱う組織が、共通に自分達の行動の特性を見ようというものがあるという。それを10項目に整理し、「健全な安全文化の10特性」として公表した。
「世界のどこを見ても、かなり主観的な部分が残る評価をしている」ため、主観的な部分が多いが、それで良しとしたという。
安全「文化」は主観的な判断で、相対的にみて昨日より向上しているか、世界と比べて、自分達はどの程度の位置にあるだろうかというのを、一人一人が振り返り、自己採点をする結果の総和として、数値が出てくると姉川氏は説明した。
評価結果が「必然的な数値だとは思われませんが」と前起きしつつも、これを繰り返すことで、確実に意識も浸透し、自分の長所短所も把握できるとした。ひいては、全体的な安全文化向上に資するというのが東電の考えだ。