2014年10月30日19時から、東京電力で「中長期ロードマップの進捗状況について」の記者会見が開かれた。福島第一原発1、2号機燃料取り出し計画を見直し、約2年遅らせることを発表。使用済燃料を早く取り出し、リスクを減らすことと、安全策を考えていることを強調した。
2014年10月30日19時から、東京電力で「中長期ロードマップの進捗状況について」の記者会見が開かれた。福島第一原発1、2号機燃料取り出し計画を見直し、約2年遅らせることを発表。使用済燃料を早く取り出し、リスクを減らすことと、安全策を考えていることを強調した。
■全編動画
中長期ロードマップの進捗状況について、増田尚宏(ますだ なおひろ)CDO(福島第一廃炉推進カンパニー・プレジデント)の記者会見が開かれた。冒頭、増田尚宏CDOから今月の進捗について、以下の報告説明があった。
続いて広報部川村信一氏から以下の報告説明があった。
中長期ロードマップは、判断ポイント(HP)と呼ばれるスケジュールを見直す時期を定期的に設けている。そのHPにあたり、福島第一原発1、2号機燃料取り出し計画を見直した。当初の計画に比べ、約2年遅らせるという。
1、2号機については、使用済燃料と融けた燃料デブリを取り出さなければならない。当初、同じ設備を使って燃料とデブリを取り出すことを考えていた。しかし、デブリはどのような形状、状態なのか解かっていない。それを取り出す設備の開発は困難というより、まだ不可能だ。さらに、取り出し作業を行う1、2号機原子炉建屋の”オペフロア”は線量が高く、リスクも高いまま残っている。そこで東電は、リスクを低減する意味から、比較的取り出し易い使用済燃料を先に取り出すことを考えている。
今回、燃料取り出し工程を遅らせても、40年かかる廃炉スケジュールに変更はないという。工程ありきではなく安全面に重点を置くとして、「2年、5年といった遅れではなく、リスクを下げる仕事を見てほしい」と東電は主張。使用済燃料を早く取り出し、リスクを減らすことと、安全策を考えていることを強調した。
1号機は、燃料取り出しの前にがれきを撤去しなければならない。重機でがれきを撤去するため、ダスト飛散防止用に設けている”1号機建屋カバー”の撤去工事を行っている。単純にカバーを撤去すれば、ダストが飛散してしまい元の木阿弥だ。そこで、飛散防止剤を散布、連続ダストモニターで状況監視を行っている。
2014年中は、カバー内部に飛散防止剤を散布、カバーの屋根部分を一部取り外し、内部を確認する。実際のカバー解体は、来年2015年3月以降に開始する予定だ。
カバー内部の飛散防止剤散布は、カバー屋根部分に設けた穴に、散布装置を差し込み散布している。10月22日から散布を開始したが、28日に強風で屋根パネルの穴が拡がってしまった。放出量評価に影響はないと東電は発表している。拡がった穴は塞ぐという。
高さ約120mある1、2号機間排気筒は、高さ約60m付近で、支持構造物の斜め鋼材が破断していることがすでに発表されている。排気筒の地上部付近にある別の配管部分に、推定で25Sv/hにおよぶ高線量箇所があることも発表されている。
斜め鋼材の破断箇所が高く、地上付近の線量も高いため、対策が打てない状態だ。
強度の数値評価を行い、強度に問題はないと東電は発表している。その評価結果から、対策のための作業を行うリスクの方が高いと東電は判断。対策はまだ先のことだと述べている。
■■■■■■
以下、東京電力ホームページより、リンクを表示
2014年10月30日(廃炉・汚染水対策チーム会合 第11回事務局会議)