2014年10月20日17時30分から、東京電力で定例記者会見が開かれた。高性能ALPSがホット試験を開始し、既存ALPSのA、C系統、増設ALPSのA、B、C系統、高性能ALPSの全てが、実際の汚染水を使用したホット試験の段階に入った。
2014年10月20日17時30分から、東京電力で定例記者会見が開かれた。高性能ALPSがホット試験を開始し、既存ALPSのA、C系統、増設ALPSのA、B、C系統、高性能ALPSの全てが、実際の汚染水を使用したホット試験の段階に入った。
記事目次
■全編動画
高性能ALPS(多核種除去設備)は10月18日にホット試験を開始した。これにより、多核種除去設備ALPSは、既存ALPSのA、C系統、増設ALPSのA、B、C系統、高性能ALPSの全てが、実際の汚染水としてRO濃縮塩水を使用したホット試験の段階に入った。
既存ALPSのB系は、クロスフローフィルタのガスケットが欠損するトラブルを起こし、原因調査、対策を行っている。10月下旬に補修部品が到着するため、原因が明確に判明せずとも取り替えて運転を再開したいと東電は考えている。
クロスフローフィルタは当初、テフロン製のガスケットを使用していたが、放射線への耐性が低いことが判明し、合成ゴム製に交換した。B系は6月に交換し、約半年して運転後に欠損トラブルが発生した。したがって、仮に寿命が半年であっても、今年度末ぐらいまでは今のまま運転を続けられ、汚染水を処理できるという考えだ。
福島第一原発2号機海側の海水配管トレンチの凍結止水工事は、間詰剤の充填工事を開始した。
当初、凍結管による凍結のみで氷の壁を作り止水する想定だったが、水の流れがあり、うまく凍結していない。そのため、セメントのような間詰剤を少しずづ流し込み、壁を作って止水することになった。そのための工事が10月16日から始まっている。間詰剤の充填作業中も、凍結管による冷却・凍結は継続しており、冷却を補助する氷やドライアイスの投入も継続している。
海水配管トレンチは、2号機だけではなく3号機にもある。3号機海水配管トレンチも凍結止水する予定で、凍結管を差し込む孔を削孔している。しかし、2号機側で凍結のみではうまく止水できなかったことから、今後、2号機海水配管トレンチの止水工事の状況を見て、3号機の工事方法も修正、変更する考えだ。
作業員が右手小指先を切断する人身事故が発生し、医師より「右小指切断」と診断され、1ヶ月程度の通院を要する見込みとなっている。
10月17日13時30分頃、港湾内海底土被覆工事に従事していた、協力企業作業員(男性、40代)が作業中に右手小指の指先を切断した。入退域管理棟救急医療室の医師は緊急搬送の必要があると判断し、いわき市立総合磐城共立病院に搬送、医師の診察を受けた。身体汚染はないという。
サブドレンピットと呼ばれる、建屋周辺にある井戸から地下水を汲み上げ、建屋地下への地下水流入を抑制する対策を実施している。建屋周辺に42か所のサブドレンを設け、地下水を汲み上げ、浄化、海洋放出する計画だ。
42か所のサブドレンピットの準備が整ったことから、地下水のくみ上げ、浄化設備の性能確認試験を10月18日から開始した。そのうちNo1とNo14のサブドレンピットはトリチウム濃度が高いため、当面汲み上げを行わない方針だ。
40か所のサブドレンピットから汲み上げた地下水量は、具体的に何トンかは、まだ数字として入っていない。「汲み上げたものは浄化する形になる。ある程度溜っているだろうということはできる」と東電は回答している。
4号機SFP(使用済燃料プール)から共用プールへの燃料移送について、共用プール内新燃料を乾式キャスクに移し、場所を空ける予定だった。しかし、キャスクの調達が間に合わないため、4号機SFPにある新燃料の一部を6号機のSFPへ移送するよう手順を変更したことが、すでに公表されている。
これら作業に関する実施計画変更認可申請の認可が、10月17日(金)に認可された。10月21日から6号機SFPへの燃料の移送作業の準備を開始する予定だ。実際の移動日は、核物質防護上の観点から非公開となっており、移送完了後に都度公表されている。
また、4号機SFPに置かれている「変形燃料」は、専用のキャスクを使用して移送する。そのキャスクの使用前検査は、今週中に行う予定である。
なお、10月20日現在、4号機SFP燃料移送実績は、使用済燃料1331体中1320本、新燃料202体中22体を移送し終わっている。
■■■■■■
以下、東京電力ホームページより、リンクを表示
2014年10月20日
2014年10月19日
2014年10月18日
2014年10月17日
2014年10月20日
2014年10月17日
2014年10月18日
2014年10月17日