2014年10月14日17時30分から、東京電力で定例記者会見が開かれた。福島第一原発地下水観測孔の核種濃度が大幅に上昇し、東電は台風19号による大雨の影響と判断、分析頻度を上げて、今後の水位を監視すると報告した。
2014年10月14日17時30分から、東京電力で定例記者会見が開かれた。福島第一原発地下水観測孔の核種濃度が大幅に上昇し、東電は台風19号による大雨の影響と判断、分析頻度を上げて、今後の水位を監視すると報告した。
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地下水観測孔の分析値が大幅に上昇したことに関し、東電は台風19号に伴う大雨の影響と考え、今後の水位を監視していくという。
1、2号機の間、護岸箇所にある地下水観測孔No.1-17と、No.1-6で、下記のように(単位は全てBq/L)核種濃度が大幅に上昇した。
No.1-17のトリチウム濃度は
10月2日採水 10月9日採水
トリチウム 14,000 150,000
No.1-6では、
10月9日採水 10月13日採水
セシウム134 17,000 61,000
セシウム137 51,000 190,000
マンガン54 290 700
コバルト60 2,100 3,600
全β 2,100,000 7,800,000
過去にも大雨によって地下水の核種濃度が上昇したことが多々あり、今回も同様の現象だと東電は考えている。すなわち、過去に漏えいし、地下土中に溜まっていた核種が、大雨で観測孔に流れ込んだという。
海への流出が気になるところだが、東電は、地下水観測孔の海側にある「ウェルポイント」でくみ上げていること、水ガラスによる土壌改良を行ったことから、海への流出はないと考えている。
土中でトリチウムは移動し易く、セシウムは移動しにくい。このような核種の移動のし易さの違いから、トリチウムがまず上昇し、遅れてセシウム等が上昇する。もしトリチウムが上昇し続けるのであれば、新たな漏えいが発生していると考えられる。しかし、現状その可能性はないと東電は判断している。
いずれにせよ、採水間隔を週一回から毎日の採水にして分析するとともに、今後の継続監視を続けるしか手はない状況だ。
多核種除去設備ALPSのB系にて、CFF(クロスフローフィルター)のガスケットに変形があり、フィルタリング漏れを起こしていることが分かった。
9月26日にCFFの出口水が白濁し、フィルタで濾されるはずの炭酸塩が流出していることが判明、CFFを洗浄し、分解調査した結果から判明したという。CFFは当初テフロン製のガスケットを使用していた。しかし、放射能で短時間に劣化することが分かり、6月に合成ゴム製に取り換える改良を施したばかりである。
その後3か月で再び変形が発生した。変形の原因はまだ調査中でわからない。仮に根本的な原因があるのであれば、既存ALPSの他系統や増設ALPSにも影響してくる。東電は、もしガスケットの寿命が半年や1年であれば、このまま使用して「年度内処理完了」の目標を達成した後に交換することを考えているという。
いずれにせよ原因は調査中でまだ判明しておらず、今後については不透明な状況だ。
9月30日に発生した作業員の感電事故について、救急搬送されたいわき市立総合磐城共立病院から「電撃症」の診断書が発行されたことが報告された。1か月の加療が必要だという。
1号機建屋カバーの撤去工事は、いまだ調整中で始まっていない。事前にWebなどで通知すると東電は発表しているが、具体的な日程は未定の状態だ。
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