1954年、米国が太平洋のビキニ環礁で実施した水爆実験について、これまで「存在しない」とされてきた第五福竜丸以外の船の被曝を裏付ける資料が、19日、厚労省によって開示された。
乗組員23人が被曝し、うち1人が死亡した第五福竜丸事件は、日本中で反核運動を盛り上がらせ、その中で制作された傑作映画が、水爆実験によって蘇った怪獣「ゴジラ」だった。今年、その「ゴジラ」がハリウッドでリメイクされた。新作「ゴジラ」には、核実験のことも、原発事故のことも、背景をなす要素として書き込まれている。
そんな中、ビキニ環礁事件の未公開資料が開示されることになるというのは、何かの因縁だろうか。
厚労省によると、第五福竜丸以外の周辺海域で操業していた船556隻(実数473隻)のうち、魚の廃棄基準だった毎分100カウント以上の放射線が乗組員から検出された船は、延べ12隻(実数10隻)あり、最も高かった人は同988カウントだったという。(東京新聞 9/20 延べ556隻、検査記録あった ビキニ被ばく文書開示)
厚労省はこれまで情報開示請求に対し、「資料を持っていない」としていた。しかし今回は職員が保管倉庫を探して見つかったという。探せば見つかるものを、なぜもっと早く探さなかったのか、疑問が残る。
第五福竜丸の生存者である大石又七氏は、2012年に行った岩上安身のインタビューで、当時を振り返り、「国は、私らを裏切った」と日本政府の姿勢を痛烈に批判。同時に、「日本は当時も今も、米国の『属国』である」と、現在の政府の姿勢をも断じた。
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