2014年9月11日18時から、小野明・東京電力福島第一原子力発電所所長による記者会見が開かれた。福島第一原発事故から三年半目にあたり、廃炉に向けた取り組みや汚染水対策状況について説明。今年4月からの廃炉カンパニー設置、プロジェクト管理体制が効を奏し、着実に前進しているとの見解を述べた。
2014年9月11日18時から、小野明・東京電力福島第一原子力発電所所長による記者会見が開かれた。福島第一原発事故から三年半目にあたり、廃炉に向けた取り組みや汚染水対策状況について説明。今年4月からの廃炉カンパニー設置、プロジェクト管理体制が効を奏し、着実に前進しているとの見解を述べた。
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原発事故から3年半が経過したが、「今もなお発電所周辺の皆様、広く社会の皆様に大変なご迷惑とご心配をおかけしています。改めて深くお詫び申し上げたいと思います」と陳謝するところから会見は開始した。
汚染水に対して重層的な汚染水対策を進め、また廃炉自体に向けても着実に取組みが前進していると現在の状況を説明するとともに、重要と考える作業員の作業環境を改善したことを報告。
4月からスタートした廃炉カンパニーやプロジェクト管理体制により、作業が円滑に進み、特に今年の梅雨でタンク堰からの溢水が無かったのはプロジェクト体制の成果だと評価。今後も廃炉に向けて、長期間、安定して働ける職場にすることをめざしていると表明した。
1号機建屋カバー解体、港湾海底土被覆、熱中症予防の取り組みについて、広報ビデオを利用して説明を行った。
さらに増設ALPSはA系の使用前試験を終え、今月中にホット試験を開始、年内稼働を目標としていること、H4エリアタンクのストロンチウムの流下抑制工事(アパタイトバリア)が今夜終了予定といったトピックスを説明した。
続いて、川村信一・廃炉推進カンパニー広報担当が定例のプラント状況を説明。2号機海水配管トレンチの凍結止水は、未だ92止まりで、氷とドライアイスの投入は続いており、氷は累積853トン、ドライアイスは累積19トンを投入したという。
その他、サブドレンの浄化の連続テスト(step 3-1)が終了、Dエリアタンク連結弁の滴下漏洩は原因が判明し、対策を実施中といったことが説明された。
政府が、「政府事故調査委員会による聴取記録」を公開したが、東電社員のものが無い。東電は「会社としては何ら指示しない」ことから、個人の意思を尊重するもの、各個人が判断するものという考えを示している。また聴取記録は政府が保有管理しているものなので、公開するという判断についてはノーコメントと回答した。
1号機の建屋カバー撤去は地元等関係者への説明が続いており、まだ着工に至っていない。その理由は、調整がまだ終了していないからだと説明。さらに小野所長は、解体というより瓦礫の撤去が問題だという。
カバーの撤去は半年かかる。その後にがれきの撤去を始めるため、来年の夏ぐらいからがれき撤去というスケジュールの見通しになるという。「当然米の収穫時期等、ご心配されると思う」と述べ、「先ずは、(東電の)工事の仕方、放射性物質の飛散防止策をきちんとご説明するのが大事だ」という考えを示した。
また、昨年の3号機でのがれき撤去時にダストが飛散した事を踏まえ、いくつかの対策を施している。既存のモニタリングポストのそばにダストモニタを設置したのもその一つ。ただし、これ以上追加する考えは無い。一方、海側(東側)にはモニタがないため、船を浮かべてモニタすることも考えている。
8月29日に、3号機SFP(使用済み燃料プール)に落下している天井クレーンの撤去作業中、誤って、操作卓部分が水中に落下する事故が起こった。燃料の損傷等の兆候の有無として、プール水を採取、分析結果を公表している。
分析する核種はCs-134、Cs-136、Co-60(コバルト60)が発表されている。Co-60を発表していることについて小野所長は、代表的な核種として普段から分析しているものであり、燃料の損傷にはあまり関係ないと説明した。
3号機オペフロのがれき撤去は、線量が高いため無人重機を遠隔操作して行っているため、遠隔操作する技術者の確保が重要になる。小野所長は、各ゼネコンがそれぞれ技術を持ち、技術者を確保できると聞いていると説明した。
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