(1分11秒)
司会「大臣の記者会見を行います。よろしくお願いします」
岡田「今年初めてでしたっけ? あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。私から何点か。
まず第一点は、この記者会見のオープン化について、お話ししたいと思います。
記者会見をオープン化してから、ほぼ3ヵ月ということで、この会見も非常に定着してきたかというふうに思いますが、その間、色々ご要望もいただきましたので、さらにその参加対象を拡大することにいたしました。そのことによって国民の皆さんへの説明責任をいっそう果たせるのではないかというふうに考えております。
内容といたしましては、まず第一に、今までに加えて、日本専門新聞協会会員http://www.senmonshinbun.or.jp/apps/top.php、地方新聞協会会員に会見を開放いたします。
第二に、すでに改訂をいたしました、大臣会見等に関する基本的な方針についてで掲げられている『協会に加盟していなくとも、発行する媒体・目的・内容・実績等に照らし』、それに1から7のいずれか、今までの基準のいずれかに準ずると認めうるものについても会見を開放するということにしたいと考えております。
席上、資料も配付をさせていただきましたが、そういったことでこの会見の対象を広げたいというふうにいたしましたので、まず、御連絡申し上げたいと思います。
(中略)
(7分13秒)
岩上「フリーランスの岩上です。よろしくお願いいたします。
いま、オープン化についてお話がありました。この点について確認させていただきたいと思うのですが、もともとの条件、1から9項目ありますけれども、2のですね、9項目あります。この法人を前提にせず、個人、もしくはフリーランス、あるいはノンフィクションライター、ノンフィクション作家といった個人に関してですけれども、特定の媒体に定期的に記事を書いているという状況ではなくて、たとえば大御所になられた方だと、単行本をお書きになっていたりしましてですね、そういう書籍の執筆している方、たとえば外交問題について書いている方というのは、実はこの項目からは完全に脱落しているような状態で、雑協は書いてあるんですけれども、そのへんのくくりがですね、あいまいになっているかなというふうに思います。この点について、大臣の方向、見解をお教えいただきたいと思います」
岡田「まず記者会見に出てきていただく方は、この記者会見の結果を国民に広く知らしめるという基本的な役割を持った方というのが基本的考え方だというふうに思います。そういうことはしないけれど本を書くんだという方は、もちろん本という媒体を通じて国民に知らしめることになるかもしれませんが、これは日々の様々な情報について国民に知っていただくための会見でありますので、ちょっと私は性格が違うような気がいたします。そこまで広げたときに、たぶんここにも入り切らなくなると思いますし、本を書いたことがあるというだけなら、たくさんの方がいらっしゃいますので、そこまで広げることについては、ちょっと私はそう簡単に考える話ではないのではないかなというふうに思っております」
(中略)
(33分12秒)
岩上「フリーランスの岩上です。お願いします。
日米安保と、日米同盟を峻別して外務大臣がお話になっておられますけれども、多くの国民は、この二つの概念の違いが、よくわからないままになっているかもしれないなと思っております。私もよくわからなくて勉強をしているところなんですけれども、『日米同盟の招待』という本を書かれた孫崎享(まごさき・うける)という方がおります。元外務相の情報局長の方ですが、その方が、一民間人だったらどうってことはないんですけれども、この方が、首相の、鳩山総理の私的勉強会のリーダーを務められていて、先日、普天間の基地の移設先を長崎県の大村の方にしたらどうかというようなことも提案されたりするような、内閣に影響を与えられるような方、この方が、安保と同盟の違いという定義は、同盟は05年に日米間で締結された文書に基づく概念であって、安保と同盟の最大の違いは、対象領域が、安保は極東、日本及び極東を守るという話なんだけれども、同盟は、世界中にアメリカが国際戦略を展開していく、その時に、それに日本が追随してですね、日本が協力をするというもので、日米安保の本来の姿からずいぶん、実は変質してしまっているということをおっしゃってます。ちょっと長い質問になって大変恐縮なんですけれども、一般の国民にもわかるようにですね、この同盟と安保の違い、それについての大臣のご見解をですね、お示しいただきたいと思います」
岡田「まず、その前に孫崎さんは、鳩山総理が総理になる前の勉強会の責任者を務めておられた。その結果がまとまったので報告に来られたというふうに私は理解をしております。従って、総理になってから、議論をしたということではなくて、その前からの議論の結果だということであります。
それから、今のお話で私は三つに分けて考えた方がいいというふうに基本的には思っています。
ひとつは日米安保条約、もうひとつは日米安全保障同盟、もうひとつはより広い日米同盟。こういうふうに考えておりまして、日米安保条約はおっしゃるように、日米安保条約に基づく範囲というのは日本自身、及び極東でありますので、まさしくあの条約に書いたような、範囲のことに関する安全保障面での条約というのがコアであります。実は条約上はもうちょっと幅広くなっているんですけれども、より狭く言えばそういうことであります。
日米安全保障面での同盟というのは、安全保障面における日米関係と言うことで、それは安保条約を超えてですね、たとえば、日本の基地を使う米軍が、極東や日本自身のためだけでなくて、よりアジア太平洋とか、より幅広い範囲で活動してるわけですから、そういう意味ではですね、より幅広いということが言えるかと思います。
日米同盟という言い方になりますと、これは安全保障だけではなくて、より政治面でありますとか、あるいはもっと幅広く言えば文化面とか、様々な面での関係を指す言葉だというふうに私は理解をしておりますので、そういう意味で、地理的に言うと日米安保条約と、それから日米安保ということで広がると。それから同盟という言葉というと、安全保障だけではなくて他の分野にも広がると、そういうふうに私は理解をしているところです」
岩上「すいません、関連して、よろしいですか?
すいません、関連して質問を続けさせてください、岩上です。
そうしますと、その三つの概念のうちですね、日米安保条約が50年前に締結された条約であることは明白だと思います。
二番目の安全保障同盟と、それから三番目の日米同盟、これについては、それの基礎となる合意文書とか条約というのは該当するのはどこを指すことになるんでしょうか」
岡田「それは明示的な文書がある場合もあるし、ない場合もあるというふうに思います。
日米安保条約も、範囲は日本自身及び極東の平和と安全、安定ということでありますけれども、そのための基地を他の目的に使ってはいけないとは書いてないわけですから、そういう意味で、それはより広い範囲で使われているということであります。
そういったことを、明示的に認めたものとしては、たとえば1997年ですか、6年ですか、橋本-クリントン日米安保の再定義(『日米安全保障共同宣言-21世紀に向けての同盟-』1996年4月17日http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/kiroku/s_hashi/arc_96/clinton/in_japan/security.html)などがそういう文章にあたるというふうに考えております」
岩上「二番目ですか?」
岡田「二番目であり、そういう意味では安全保障だけではなくてもう少し幅広く言ってますから、三番目であるというふうにも言えるかもしれません。
今回議論すべきは、そういった幅広い意味での日米同盟というものについてですね、もし機会があればですね、日米安保改訂50周年というひとつの節目の年にですね、議論してはどうかというふうに思っております」
岩上「ありがとうございました」
(中略)
(47分56秒)
岩上「フリーの岩上です。よろしくお願いします。
外国人の地方参政権の問題についてお聞きしたいと思っております。通常国会始まりますと、この問題が、法案として出されるかどうかということが本当に重要な課題になってくると思うんですけれども、永住外国人の方々の母国の動向というものも気になるところです。多くの方が韓国の方が多くてですね、その韓国政府はどのように考え、日本と韓国の外交関係にこれはどのような影響をもたらすのか、この参政権を与える与えないということ、どちらにしてもですね、先ほどの同盟深化みたいな話もありましたけれども、いったいどんな影響が出てくるのかということを、二つですけれども、閣僚として、それから議員としてですね、この地方参政権、付与するべきか否かということについてのですね、お考えと、それから外務大臣として、この法案がどのように外交関係に影響、プラス、あるいはマイナスをもたらすのか、そのご見解をお聞かせ下さい」
岡田「この問題は、まだ政府として正式に議論をしておりませんので、正式に決める段階では私も外務大臣としてお話をさせていただきたいと思いますが、現時点であまり、先走った話はしない方がいいというふうに思っております」
(中略)
(50分32秒)
「マガジン のシマダ(?)と申します。
会見の基本的な方針なんですけれども、2の(8)の『発行する媒体の目的、内容、業績等に照らし、(1)から(7)のいずれかに準ずると認めうる者』という、これはちょっと曖昧でよくわからないんですけれども、たとえば、どういうものが入るのでしょうか? 雑誌とか出版物に一回も出していない、毎日書いているブロガーとかもこれに入るのかどうかということをおうかがいできればと思います」
岡田「ブロガーをここに含めるというふうには必ずしも思っておりません。ただ、上記の協会には入っていないけれども、出版物として、確立した、準ずるような実績のあるということで、『週刊金曜日』さんなどは、その、ひとつの具体例だと思っております」
(後略)