2014年6月30日17時30分から、東京電力本店で定例記者会見が開かれた。H4エリアタンクからの汚染水の漏えいに関する最終報告を規制委員会に提出した。漏洩したSr-90は4.5×10e13Bq、約80%を回収できたと東電は試算している。
2014年6月30日17時30分から、東京電力本店で定例記者会見が開かれた。H4エリアタンクからの汚染水の漏えいに関する最終報告を規制委員会に提出した。漏洩したSr-90は4.5×10e13Bq、約80%を回収できたと東電は試算している。
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7月1日から9月上旬にかけて、4号機使用済燃料プールおよび共用プールの天井クレーンの年次点検のため、燃料の取出し作業を休止することが発表された。計画されていた年次点検であり、燃料取出し全体の工程に変更はないという。当初の予定通り、2014年内に燃料の取出し完了を目指している。
原子力規制委員会への報告書がまとめて提出された。提出されたのは、福島第一原子力発電所における以下の四種。
東電は、月例でとりまとめて厚生労働省に提出している「作業者の被ばく線量の評価状況」に関する報告を提出した。
2014年(平成26年)5月の外部被曝線量で25~50mSvの作業員が出ており、協力企業作業員で最大20.7mSv、建屋周辺の高線量エリアでの地下水汲み上げの揚水井戸等にかかる作業を行ったためで、現在では福島第一原発の勤務から外れているという。
承前のH4エリアタンクNo.5からの汚染水の漏えいに関して、東電は規制委員会に最終報告書を提出した。
これは昨年2013年(平成25年)8月19日に確認されたH4エリアタンクからの汚染水漏えいに関する報告書で、東電は漏えいの経路、汚染の拡散経路、漏えいした放射線量、回収できた放射線量等の特定、評価を終え、ひとまずの結論を出した。その結果を最終報告として提出したもの。現段階ではこれが最終ということになる。
汚染の拡散経路としては、タンクの底部から漏えいした汚染水がタンク堰のドレン弁(当時は常時”開”だった)から流出。堰の外側で地下に浸透し、降雨の影響などでタンクエリアの基礎コンクリートの下まで到達したと推定されている。
放射性物質の漏洩量は、H4-No.5タンクに溜められた水の核種分析結果から、核種毎の濃度に漏洩量300トンを掛けて算出した。Cs-134、Cs-137は10の10乗オーダー、H-3は10の11乗オーダー、Sr-90は10の13乗オーダーで、全βは10の14乗オーダーと推定している。
東電は、H3はSr-90の1/50以下、Cs-137はSr-90の1/10以下であることから、濃度が最大で環境への影響が大きいと考えられるSr-90について考慮し、漏洩量を4.5×10e13Bqと算出した。
一方、回収した汚染土壌から、回収された放射性物質の量を評価した。東電は全βを7.4×10e13Bq回収したと評価。このうち半分がSr-90、もう半分がY-90と考え、Sr-90は3.7×10e13Bq回収できたとしている。
以上の結果、Sr-90について漏洩した4.5×10e13Bqの内、約80%にあたる3.7×10e13Bqを回収できたと試算、評価している。
回収できていない20%のSr-90は、タンクエリアの基礎の下や、周辺の設備の下まで浸透し、土壌に溜まっていると東電は考えている。回収するためには、タンクなど地上の建築物を撤去する必要があり、現状での回収は困難である。
H4エリアタンクはフランジ型のタンクであり、継手から漏洩したため、溶接型のタンクへのリプレースを予定している。リプレースの際に、基礎の下の汚染土壌を調査し、回収に努めると考えている。ただし、H4のリプレースの予定はまだ決まっておらず、溶接のタンクの状態も見て決めていくという。
漏洩した放射性物質量や回収量は、Sr-90にて算定している。その根拠は何か。
漏洩したH4エリアNo.5タンクの中は全βが主で、β核種が多く存在している。そのため、Sr-90を指標にβを管理しようと東電は考えている。
一方、γ核種については、Cs-134、Cs-137はかなり下がり、H-3は水と同じ。そういったことから、Sr-90で管理できているだろうというのが東電の判断だ。
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2014年6月30日
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2014年6月30日