敷地境界実効線量が年間約10.06ミリシーベルトに上昇~東電定例会見 2014.6.20

記事公開日:2014.6.20取材地: テキスト動画
このエントリーをはてなブックマークに追加

 2014年6月20日17時30分から、東京電力本店で定例記者会見が開かれた。地下水バイパスの海洋放出の影響などにより、福島第一原発敷地境界実効線量が、これまでの年間約9.73mSvから、年間約10.06mSvになることが東電の試算により判明した。

■全編動画


全β数え落とし補正データの追加分173件を発表

 全βの分析時に、数え落としという手順ミスにより、誤って低い値が発表されていた173検体の補正結果が確定、発表された。173検体の内訳は、再分析69、再分析から補正して正式32、理論式67、参考値5件(数え落としのまま)だという。

 福島第一原発2号機の海水配管トレンチで従来5億2千万Bq/Lと発表されていたものが、今回の補正では9億7千万Bq/Lに訂正されるなどした。

 補正前の値は、4月11日に開催された「特定原子力施設監視・評価検討会汚染水対策検討ワーキンググループ(第13回)資料4」にて公表されている。

敷地境界実効線量が年10mSvに上昇

 敷地境界実効線量が、年間約10.06mSvになることが東電の試算から判明した。

 3月26日に補正申請された「実施計画の変更認可申請の一部補正」で、年間約9.73mSvに上方修正されていたが、これが再び引き上げられた。引き上げの理由として、東電は地下水バイパスの放出分や、濃度の低い堰内雨水、5、6号機滞留水の構内散水分が追加されていると報告した。

地下水バイパス排水実施

 地下水バイパスの一時貯留タンク・グループ2から海洋への放水が行われた。6月20日10時11分に開始し、17時16分に終了、1760トンを放水した。

凍結トレンチ、凍土壁の進捗状況

 海水配管トレンチの凍結止水は、当初の予定通りにうまく凍らず、工程が遅延している。凍結管を追加するなど対策を施しているが、まだはっきりとした結果は出ていない。

 一方、凍土遮水壁の設置工事は、工事ブロック1、4、8にてそれぞれ1、14、10本の掘削が完了したという。

福島第一、1号機上部空気中のセシウム濃度が高めに推移

 月に一度測定している「原子炉建屋上部空気中の放射性物質の核種分析結果」について、6月2日に採取した福島第一原発1号機上部における分析の結果、前月までの結果に比べ、Cs-134、Cs-137の値が高めに出ているという。そのため東電は、臨時に6月16日にも採取、分析した。結果、やはり高めであったことが判明した。

 1号機は建屋カバーの撤去を行うが、その工程への影響は今のところなく、作業を進めるにあたっては、サンプリング頻度増やすという。上昇した原因はまだ不明だが、東電は今後も分析を続け、「しっかり管理していく」としている。

■■■■■■

以下、東京電力ホームページより、リンクを表示

報道配布資料

2014年6月20日

2014年6月19日

プレスリリース

2014年6月20日

2014年6月19日

東北地方太平洋沖地震による当社原子力発電所への影響

道関係各位一斉メール

2014年6月20日

写真・動画集

2014年6月20日

IWJの取材活動は、皆さまのご支援により直接支えられています。ぜひ会員にご登録ください。

新規会員登録 カンパでご支援

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です