2014年6月13日18時40分頃から、東京電力本店で定例記者会見が開かれた。運用目標値を超える濃度のH-3が検出され続けている揚水井戸No.12は、今後さらに濃度が上昇しても放水時に問題ないと試算し、くみ上げを再開したことが報告された。
2014年6月13日18時40分頃から、東京電力本店で定例記者会見が開かれた。運用目標値を超える濃度のH-3が検出され続けている揚水井戸No.12は、今後さらに濃度が上昇しても放水時に問題ないと試算し、くみ上げを再開したことが報告された。
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地下水をくみ上げ、発電所施設を迂回させて海へ放水する地下水バイパスの揚水井(汲み上げ井戸)No.12から運用目標値(1500Bq/L)を超える濃度のH-3(トリチウム)が検出され続けている問題について、東電は放水に問題はないと試算し、くみ上げを再開したと報告した。
地下水バイパスは、12本の揚水井から地下水をくみ上げ、3基の1000トン型タンクを一グループとする”一時貯留タンク”に入れられる。一時貯留タンクは3組あり、くみ上げ、分析、放水を巡回させている。
揚水井からくみ上げる際にくみ上げ水を分析し、東電が独自に設定した運用目標値を超える放射能濃度が検出された場合は、該当する井戸のみくみ上げを一時停止する取り決めだった。今回、No.12で目標値を超えるH-3濃度1500~1700Bq/Lが続いていた。
12本の揚水井からくみ上げた地下水は、同一の一時貯留タンクに入れられるため、いわば混ぜ合わされることになる。東電は、NO.12のくみ上げ水が今後さらに上昇して2300Bq/Lになったとしても、混ぜ合わされた一時貯留タンク内の地下水のH-3濃度は230Bq/Lになると試算し、目標値1500Bq/Lに比べ低いため、運用上問題ないと判断した。
よって、6月12日19時20分より、停止していたNo.12からのくみ上げを再開した。さらに、6月14日午前に、次の海洋放水を行うことを発表した。
地下水の汚染状況を把握するため、東電は福島第一原発1~4号機建屋周りの地下水調査を行っている。凍土遮水壁の施工の影響をみるため、遮水壁の設置予定箇所にて、下部透水層(深い位置にある地下水層)の水質調査を継続して行っている。
”Fz-5”と呼ばれる1、2号機間の東側(海側)にある観測孔の分析結果が発表された。Cs-134、Cs-137、全βはNDだが、H-3(トリチウム)が高い値で検出されている。5月28日採水時は3100Bq/Lだったが、6月4日採水時では4700Bq/Lに上昇した。東電は今後も継続して注意深く監視するとしている。
2014年5月から6月にかけて、1号機トーラス室にロボットを投入し、配管貫通部の外観状況や漏洩等の調査を行った際に撮影した映像が公開された。
4半期毎にとりまとめている魚介類調査報告について、2014年1月から3月採取分の結果が公表された。
東電は、3月に採取したものはストロンチウムが検出されたが、値は低く、昨年と比べ右肩下がりで基準を下回ってきていると評価している。アイナメ、ヒラメについては2013年10~12月に比べ、2014年1~3月の検査では100Bq/kgを下回ってきているとコメントした。
東電の調査方法では、採取・分析した結果、セシウム量の高いものから5体をストロンチウム90測定の目安にピックアップしている。しかし、セシウムとストロンチウムの値は比例していない。また、2013年第一4半期までは2体だったが、現在では5体に増えている。
検体数の増減は、なぜか。東電は「特に理由はない」という。コストの問題もあることから、検体数を安易に増やすということは考えていないという。
凍土遮水壁の工事が始まったが、空間線量率の高いエリアでの作業があり、作業員の被曝低減策が至急の課題になっている。
その対策の一つとして”タングステンベスト”の着用が挙げられているが、その効果について、規制委員会からも懐疑的な意見があがっている。記者からの質問に対し、東電は「タングステンベストの遮蔽効果は15~20%を”期待”している」と答えるのみだった。
一方、すでに始まっている工事現場については、作業者個人個人の線量や、集団線量は発表しておらず、最大値を示すにとどまっている。東電は「現場対応が厳しいのでご理解を」といった理由の説明だけにとどまった。
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2014年6月13日
2014年6月12日
2014年6月13日
2014年6月12日
2014年6月12日
2014年6月13日