2014年4月28日17時30分から、東京電力本店で定例記者会見が開かれた。2月に発生した福島第一原発H6タンクバルブ誤操作の原因調査は、電話受け付け窓口を設けて自発的な情報を待っており、東電としては、調査は「継続中」との認識であるという。
2014年4月28日17時30分から、東京電力本店で定例記者会見が開かれた。2月に発生した福島第一原発H6タンクバルブ誤操作の原因調査は、電話受け付け窓口を設けて自発的な情報を待っており、東電としては、調査は「継続中」との認識であるという。
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福島第一原発1号機と2号機の原子炉炉心への注水量が変動したため、注水量を増加させたことが発表された。原子炉へは冷却のため、給水系と炉心スプレイ系という二つの経路から、それぞれ約毎時2トンずつ注水している。今回の変動に伴い、給水系のほうを増加させた。
このことについて東電は、「通常注水量は一定の注水量を確保するように随時調整を行っており、そうした日常の調整の一つだ」と説明している。
2号機海水配管トレンチの残存する高濃度汚染水を除去するため、凍結止水する工事を行っていた。必要な凍結管の挿入とパッカ―の設置作業が終わったため、4月28日から凍結作業を開始したことが報告された。今後1カ月程度をかけ、6月頃に凍結を完了させる予定だという。
ガンマカメラ、ロボットを用いて、1~3号機原子炉建屋屋上部階の汚染状況の調査を行うことが発表された。4月29日から1、2、3号機建屋の順に、それぞれ1~2週間を目途に調査を行う予定。汚染源の分布、ホットスポットの有無を確認し、除染や遮蔽の検討に反映することを東電は考えている。
本調査はIRIDの成果から、千葉工大が開発したロボット「Rosemary」と、NEDOで開発されたロボット「Sakura」の2台を利用する。Sakuraは約300mの長さのVSDLケーブルによる有線通信制御で、線量計を持つ。一方Rosemaryは、Sakuraを経由した無線通信制御方式で、γカメラを持ち、全体の状況をスキャンする予定だ。
オペレーターは免震重要棟から遠隔操作するが、ロボットの稼働時間や、ロボットの設置/回収にかかる作業者の計画被曝線量、ロボット自体の計画被曝線量などは、会見中に回答を得られなかった。
H6タンクエリアでバルブの誤操作により意図しないタンクへの誤移送が行われ、汚染水が溢水、漏えいした事故に関して、東電は、「まだ調査は継続している」との考えを示した。
実際には、一通りの聞きとり調査を行ったあと、電話受け付け窓口を設けて自発的な情報を待っているだけの状態だ。「この状態で調査を続けていると言えるのか?」との記者の質問に対し、尾野昌之・原子力立地本部長代理は「続けている」と断言した。
これまでの調査内容については、検討し、まとめている状態だが、いまだ原因の判明も公表の目途もたっていないという。
プラントパラメータが追加公開されているが、まだ全てのデータを公開しているわけではないという。なぜならば、原データが記録されている”紙”などの保管場所が、汚染されていたり、記録紙そのものが汚染されている場合があるからだと、尾野昌之・原子力立地本部長代理は説明する。
データを取りに行くだけでも被曝してしまう。記録紙が汚染されており持ち出せないものは、スキャンするなり撮影するなどしなければいけない。そういったことがあり、まだ全体を持ち出せておらず、随時公開するとのことだ。
尾野昌之・原子力立地本部長代理は、人事異動により定例会見を担当するのは、この日が最後ということが発表された。後任は調整中で、まだ決まっていないとのことである。
最後に「一年半前の9月から、この場でご説明させていただいておりましたが、このたび、社内の異動になりまして、この担当をはずれることになりました。今後は発電所の支援を行う部署で、実務の方を進めたいと思っております。今までいろいろご指導いただきまして、ありがとうございました」と挨拶して会見を終えた。
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2014年4月28日
2014年4月27日
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2014年4月28日
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2014年4月27日