2014年4月18日17時30分から、東京電力本店で定例記者会見が開かれた。ALPSのHIC(高性能容器)からの漏えいは、「作業者間の連絡ミス」だという原因が判明するも、建屋地下間の汚染水誤移送の原因はいまだ調査中であり、環境への影響評価も不明瞭の状況だ。
2014年4月18日17時30分から、東京電力本店で定例記者会見が開かれた。ALPSのHIC(高性能容器)からの漏えいは、「作業者間の連絡ミス」だという原因が判明するも、建屋地下間の汚染水誤移送の原因はいまだ調査中であり、環境への影響評価も不明瞭の状況だ。
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4月17日に工場で制作して海上輸送された完成型タンクの第一陣6基が到着し、物揚げ場に陸揚げしたことが発表された。
これらのタンクは、汚染水貯蔵タンクの増設工程を見直し、前倒しを検討した結果、現地で溶接制作する以外に、工場完成品を輸送して設置することにしたもの。タンクはG7エリアに設置される。物揚げ場からG7エリアに陸上輸送する際、道路周辺状況の制約から、タンク容量は700トンと、従来ある1000トンタンクより小型の物である。今後、道路周辺状況が改善されれば、より大型のタンクに変更する予定だという。
C東タンクエリアの海側に設置されている、角型ノッチタンクの仮堰から、水が漏えいしたことが判明した。
ただし、ノッチタンクは一時的なものなので、水を貯めてあることはなく、現在、当該ノッチタンクに水がないことが確認されている。仮堰は、角材を置いて養生シートの縁を上げた簡易的なもの。ノッチタンクに水を入れたり汲み出す際に、はねる水を受けるためのものだ。
さらに、漏えい水の表面線量はガンマ線:0.006mSv/h、β線:0.001mSv/hとバックグランドと同等であり、漏えい水もCs-134はND(12Bq/L)、137もND(17Bq/L)、全β:130Bq/Lと低く、東電は雨水と判断している。
タンク周辺土壌は湿っている程度で、仮堰内に残っている水も回収済ということだ。
ALPS-B系の洗浄作業中に、吸着剤を吸着塔からHIC(高性能容器)に移送する際、HICから水があふれ出して漏えいした事故について、作業者に聞き取り調査をした結果、送り手と受け手側の連絡不備が原因であることが判明した。
東電の調査結果によると、送り出し側のポンプを操作していた作業者は、受け手側のHICに作業員が配置されていないにも関わらず、配置されていると思いこんで作業を開始したという。そのため、受け側であるHICから水があふれても気付かずに作業を続けてしまったということだ。
今後の防止策として、人員配置の計画や実施状況などを、TBM-KYや記録用紙を用いて、確実に確認することなどを挙げている。
ALPSのCFF(クロスフローフィルタ)について、3月18日にB系の、3月27日にはA系についてCFFの性能異常が発生し、当該CFFの洗浄、分解して原因調査が行われている。
B系のCFF 3Bに続き、A系のCFF 7Aの分解調査を行ったところ、テフロン製のVシール(止水シール)が脆化して一部欠損しており、フィルターから漏えいしたことが判明した。東電はVシールが脆化した原因を調査検討しているが、放射線劣化の可能性も含めて検討するとしている。
東電廣瀬直己社長は、2014年度中に全ての汚染水の浄化を目指していると公言しており、ALPSの早急な本格稼働が待たれるが、また実現が一歩遠のいている。
サブドレンからの汲み上げた水の扱いは、タンク増設計画の検討には入っていない。タンク増設計画のシミュレーションが示される度に、ある記者がこの質問を挙げている。
「福島県、漁連に説明しているのか?」との記者からの質問に対し、東電尾野昌之氏は、「見ればわかること、相手が理解しているのかどうか、こちらが申し上げることではないが、この資料でタンク増設計画を説明している」と答えた。
地下滞留水の誤移送に関して、建屋地下階の水位の変化を示すグラフをみると、2013年11月ごろから誤移送が行われていた可能性があると記者が質問し、実際に周辺サブドレン水の分析をみると、2011年からさかのぼっても、焼却工作建屋周辺のサブドレンから、常にCsが検出されていることも発覚している。しかし、東電としては、まだそこまで評価していないという。
高濃度汚染水の焼却工作建屋への誤移送に伴う環境影響を調べるのに、東電が下流で調べず、上流側の125番サブドレンを調べるのはなぜなのか。
「地下水の下流側となる東側で汲み上げないと、汚染の状況は分からないのではないか」と記者が質問すると、尾野氏は、「建物の直近の場所なので、ここを使っている」と述べ、「メインで見たいのは水位だ」と回答した。水位が重要な情報であるとしながらも、何故直近の下流側で調べないのかについては「確認する」とした。
4月9日から14日にかけて、地下水バイパスから汲み上げ、一時貯留タンクGr1(グループ1)に貯留している720トンの水の簡易分析結果が発表された。
東電と、第三者機関としての日本分析センターがそれぞれ分析した結果、Cs-134、Cs-137、γ核種、全βなど全てND。トリチウムはそれぞれ250Bq/L、240Bq/Lが検出されている。
Gr1については詳細分析も行っており、約一ヶ月後に結果が出る。東電はその結果をみて、海洋放出を行うことを予定している。
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2014年4月18日
2014年4月17日
2014年4月17日
2014年4月17日
2014年4月18日
2014年4月18日
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2014年4月18日