2014年4月14日17時30分から、東京電力本店で定例記者会見が開かれた。動作していないはずのポンプ4台が動作しており、予定外の建屋地下に高濃度汚染水約200トンが移送されたことが報告された。原因は調査中であるという。
2014年4月14日17時30分から、東京電力本店で定例記者会見が開かれた。動作していないはずのポンプ4台が動作しており、予定外の建屋地下に高濃度汚染水約200トンが移送されたことが報告された。原因は調査中であるという。
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H5タンクエリアの北側脇に設置されているプラスチックタンクが損傷し、水が漏えいしたことが発覚した。タンク容量は1トンで、ほぼ全量が漏えいしている。漏えいした付近の土壌約8リューベを回収しているという。
プラスチックタンクは、2013年の末頃にタンク堰内にたまった雨水を回収して貯留していたもの。今後、堰内の洗浄で使用する予定で、タンクに貯留していたという。タンク残留水を分析した結果、Cs134:440Bq/L、Cs137:1200Bq/L、全ベータ:1400Bq/L、Sr90:11Bq/Lの値だったことが報告された。
東電は、タンクが損傷して穴が開いた原因を調査している。漏えいを発見した直前にタンク設置場所付近で行われた、他の作業のために重機が走行しており、ひっかけた可能性もある。
通常使用していない仮設ポンプ4台が動作しており、焼却工作建屋地下に約200トンの高濃度汚染水が誤って移送されたことが発覚した。この場所への移送は予定されておらず、ポンプの動作も予定されていないものだった。汚染水はCs134:1.0×10e7Bq/L、Cs137:2.7×10e7Bq/Lと東電は発表している。
焼却工作建屋は、緊急時に汚染された地下滞留水を一時貯蔵することを想定していた。幸いにも、現在までこれを使用する事態には至っていないため、水を移送したことはなかった。今回、初めて高濃度汚染水が入ってしまったが、水を入れることを想定した対策を施してあるという。即ち、建屋から外部へ貫通している箇所はなく、内部の分電盤も高い位置に設置してあるため、影響はないと東電は説明している。
同建屋の2階には、セシウム吸着装置キュリオンを設置している。しかし現在、第二セシウム吸着装置サリーのみで処理できる状態になっており、キュリオンはほとんど動作していない。そのため、人が立ち入る必要はほとんどない建屋だという。東電は、焼却工作建屋の地下に汚染水が入ったことでの支障は、ほとんどないとみている。
一方、建屋地下に滞留水を移送するためにはポンプを動作させなければならない。ところが、今回動作していないはずのポンプ4台が動作していたという。その原因はまだ分からないが、4台のポンプを動作させるためには、別々の場所にある配電盤で操作を行う必要があり、単純な操作ミスで4台同時に誤動作する可能性は低い。
東電は故意による人為原因の可能性も含めて、原因調査を行うとしている。
2月21日に発表されたH6タンクエリアで発生したバルブの誤操作による漏えい事故も、東電は人為原因も含めて調査したが、詳細原因は不明のままである。今回も同様に不明のままになる懸念が強く、記者の多くは疑念を抱いていると思われる。
規制当局の原子力規制委員会も、これには高い関心を持っており、4月16日10時30分から予定されている規制委員会(H26年度第4回)でも議題として取り上げられる予定である。
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2014年4月14日
2014年4月13日
2014年4月12日
2014年4月14日
2014年4月13日
2014年4月14日