ALPS、A、C系は4月半ばに運転再開予定~東電定例会見 2014.4.7

記事公開日:2014.4.7取材地: テキスト動画
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 2014年4月7日17時30分から、東京電力本店で定例記者会見が開かれた。多核種除去設備ALPSについて、問題のあったCFF(クロスフローフィルタ)交換、原因調査を行い、A、C系を4月半ばを目途に運転を再開する予定であることが報告された。

■全編動画

  • 日時 2014年4月7日(月)
  • 場所 東京電力本店(東京都千代田区)

1号機PCV温度異常は、温度センサー端子の雨水浸水が原因

 4月4日(金)の会見で、1号機格納容器の温度計が一つ不調になったことが公表されている。その後の調査結果、熱電対シースケースの端子部分に雨水がかかり、濡れていたことが発覚したという。乾燥させると元の温度指示に戻ったことから、温度計の健全性評価を行う予定となっている。

MP8異常は降雨で側溝があふれ浸水したことが原因

 4月4日(金)の会見で、モニタリングポストNo.8(MP8)の装置故障で欠測が生じたことが公表されていた。その後の調査結果によると、降雨の影響でNo.8モニタリングポストの通信装置がある局舎前の側溝があふれ、局舎内に浸水したことが原因だと判明したという。浸水した機器の点検、交換を行ったことが発表された。

廃炉汚染水対策現地調整会議

 7日午前に、福島県いわき市にて廃炉・汚染水対策現地調整会議(第8回)が開催され、その時の配布資料について説明が行われた。主な説明項目は以下。

ALPSのトラブルの対応状況

 クロスフローフィルタ(CFF)のトラブルにより、B系で処理異常が発生し、広範囲に汚染を広げたトラブルが発生している。原因調査のため、当該CFFを除染、分解し、調査を続行している。それとともに、B系の内部洗浄も行っているという。

 A系でもCFFの処理異常が発生したが、当該CFFを交換し、動作を確認している。4月半ばを目途に運転を再開する予定となっている。

バルブ名盤取付作業

 H6エリアタンクにて、水移送時にバルブの操作を誤り、汚染水を天板から溢水漏えいさせた事故が発生した。その防止対策として、誤操作防止のため、バルブに銘板を取付ており、バルブ全5000個中、約2400個に取付が完了したことが発表された。

タンク設置工事の概要

 Jエリアに溶接型の円筒形タンクを増設している。その工事の概要、写真等が公表された。G7エリアには、4月17日と5月17日に、完成品タンクを海上輸送により搬入し、設置する予定だという。

タンク底の補修計画

 フランジ型タンクは、側面や底面の継目から漏えいが発生し、その対策が急がれている。タンクの底面の補修計画が発表された。タンクに水が入っている状態で、タンク天板から工事できる工法で、底板の継目をカバーで覆うということだ。

取水口北川エリアの地下水のシミュレーション

 1号機北側護岸付近で、トリチウム(H3)が高い濃度で観測された。その原因となる漏洩源を推定するシミュレーションの結果が公表された。しかし、今回の解析結果だけでは、実際のサンプリング測定結果と合致せず、うまく説明できないという。東電は、シミュレーション結果だけからは漏洩源がわからないので、今後も実際のサンプリング結果と合わせて考察していくとしている。

固体廃棄物貯蔵庫に関する中長期計画

 今後、発生するがれきや廃棄物を、最終的に発電所のどこかで貯蔵できるように貯蔵設備を設ける必要がある。そのため、長期的に見てどの程度のがれき、廃棄物が発生するのか、減容できるのかという計画が公表された。

 東電の試算では、2027年までに約56万立方メートル発生すると予想。一部をリサイクル使用したり、減容化するが、最終的に約16万立方メートル分の貯蔵設備を新設する必要があるという。ただし、まだ案の段階で、どこに作るかなどは検討されていない。

地下水対策でサブドレンくみあげはどうするのか?

 福島第一原発では、原子炉建屋やタービン建屋のそばに、サブドレンという地下水をくみ上げる井戸を多数設け、地下水をくみ上げて建屋地下への地下水流入を阻止していた。震災後は、地下水のくみあげができずにいる。建屋地下に流入した地下水は汚染水となり、タンクに貯留しなければならない。しかし、これはタンク量圧迫の原因の一つとなっている。

 4月4日(金)の会見で、タンク増設計画と、水容量の増加シミュレーションの結果が発表された。その際、サブドレンから地下水をくみあげるかどうかという質問が記者から出たが、明確な回答が得られなかった。

 7日の廃炉・汚染水対策現地調整会議の資料を基に、再び同じ質問が出た。尾野昌之原子力・立地本部長代理は、「どのように処置するかは検討中で、溜めるか溜めないかは決まっていない」と応えた。くみ上げるのであれば排水するか、タンクに貯蔵することになるが、水容量シミュレーションには、くみあげ水は含まれていないということが判明した。

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以下、東京電力ホームページより、リンクを表示

報道配布資料

2014年4月7日

2014年4月6日

2014年4月5日

東北地方太平洋沖地震による当社原子力発電所への影響

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