2014年3月31日16時から東京電力本店で、4月1日に取締役会長に就任する數土文夫氏の就任記者会見が開かれた。
2014年3月31日16時から東京電力本店で、4月1日に取締役会長に就任する數土文夫氏の就任記者会見が開かれた。
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數土新会長は冒頭、6月の株主総会以降の新体制案となる取締役候補を発表した。指名委員会で年明け早々から議論を重ね取締役会で合意したもので、次の点を念頭に人選したと數土新会長は説明した。
(1)賠償復興の加速化など政府との更に密接な協力が必要
(2)ホールディング制移行や原価管理会計改善、スマートメーター導入に向けた、IT対応の強 化
(3)ホールディング制移行に伴う監査体制の充実
(4)包括アライアンスや原子力安全など最重要課題への取り組み
続いて、執行役人事について、人選のねらいを説明した。
一、福島への取り組み強化
廃炉の現場責任者を経営に直結、管理職500名を福島に転任など、復興加速化のために現地で判断実行していく体制を格段に充実
二、新総特で十分にカバーしきれていない3つの重要課題課題への取り組み強化すること。
その重要課題として以下を挙げた。
(1)人材教育
(2)原子力
(3)ホールディングスへの円滑な移行のための現場改革
特に(2)原子力に関しては、東電が最大株主である日本原電に、現職常務を派遣して経営に貢献したいという考えを示した。さらに、原発立地である新潟県に、新たに新潟総支社を設立する構想を発表した。
最後に、会長として安倍総理から、次の三つの指示を受けていることを明らかにした。
(1)賠償・復興・廃炉・安定供給の責任を果たすために会社の存続を国民から許されたことを改めて肝に銘ずること。
(2)福島の事故処理に国は総力を挙げており、東電も全社全グループのリソース全体を最優先して投入すること。
(3)国際競争下にあるメーカーの経営を導入し総括原価や地域独占に安住してきた3.11前の東電と決別すること。
新総特の責任と競争との両立といった枠組みに沿って、これらを全力で実現すると數土新会長は表明した。
數土文夫新会長は、自身が製鉄所の現場育ちで、入社から4年10か月間、深夜勤務三直三交代を経験してきた自らの体験を語った。
「現在に至るまで、経営理念の根本は、いかなるビジネスにおいても、現場感覚の重要さにある」
現場感覚を大切に誠心誠意対処し、新会長としての役目を務めたいと數土文夫新会長は述べ、会社の資産である”人・物・金”すべての生産性を一から見直し、「電力事業における生産性改革を格段に進めていくことに全力を投入する」と決意を表明した。