ALPS運転再開するも、漏えいにより再び全系統停止~東電定例会見 2014.3.24

記事公開日:2014.3.24取材地: テキスト動画
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 2014年3月24日17時30分から、東京電力本店で定例記者会見が開かれた。3月19日にALPS-B系の処理不良が発覚して、調査のため全系統を停止した。その後、異常のないA、C系の運転を再開したが、約6時間後に漏えいが発覚し、再び全系統停止した。

■全編動画

  • 日時 2014年3月24日(月)17:30~
  • 場所 東京電力本店(東京都千代田区)

5号機使用済燃料ラックの点検終了

 5号機にて、炉心燃料を使用済燃料プールへ移送するための準備として、2月28日から使用済燃料プール内に設置されている使用済燃料ラックの点検を行っていた。プール内で異物などが発見されたが、特に問題なく本日点検が終了したことが発表された。

 これまでの会見資料によると、3月3日にプール内に約30mm×約10mm程度の金属片を発見し、3月19日に回収。また、3月10日に天井クレーンのケーブルが長すぎたことによって電源が遮断されたが、長さを調整し、3月19日に問題なく復旧したことなどが発表されている。

1号機使用済燃料プール代替冷却系の防護カバー設置完了

 1、2号機排気筒は、地上60m付近の構造物の斜材が破断していることが発表されている。その箇所からボルト等が落下した場合の防護対策として、下にある重要な設備である1号機使用済燃料プール代替冷却系に屋根をかける工事が3月14日から行われていた。その作業の関係で一時的にプールの冷却を停止していたが、本日工事が終了し、冷却装置の運転を再開したことが発表された。冷却を14日から24日まで10日間停止した結果、停止のプール水温12.0℃が、冷却再開時には19.3℃まで上昇していたという。

H4、H6エリアタンクで高線量検出

 タンクパトロールの結果、H4、H6エリアタンクの周辺で高い線量が観測された。H4-A-No.3タンクでは、5cm離れた距離でベータ線150mSv/h、ガンマ線0.15mSv/hだったという。他にも複数のタンク周辺で高線量が観測されたが、目視点検で漏えいがないこと、水位監視で水位に変化がないことがら、東電はタンクからの漏えいとは判断していない。

 H6エリアタンク周辺の地下水観測孔G2では、トリチウム濃度が3月21日採取で410Bq/L、3月22日採水で4600Bq/Lと10倍にも上昇していることが発表された。全ベータは21日、22日それぞれで54Bq/L、32Bq/Lであり、他の観測孔では大きな変動が観測されていないことから、即時の対策はせず、今後の監視を継続していく方針を示した。

護岸エリアサンプリング孔の変更

 原子炉建屋から海へかけての汚染水の広がりを調査するため、護岸エリア地下水観測孔を設けている。1号機の北東方向にある『1~4号機取水口内北側(東波除堤北側)』は、開渠内の海側遮水壁から護岸までの埋め立てにともない、3月25日から採水できなくなり、観測孔から除外されることが発表された。

ALPS B系の処理能力不良対策

 3月19日にALPS B系の処理能力が不良となり、全系統を停止し原因調査、対策を行っていた。推定原因として、B系クロスフローフィルタの何らかの不具合により、除去されるSr(ストロンチウム)を含む炭酸塩が下流に透過してしまった。その下流側で中性化する処理を行うことから、炭酸塩が溶解しSrが流出した、ということが発表された。つまり、フィルタの機能不良だと東電は推定している。

 三系統あるALPSのB系統でのみ、本トラブルが発生した。東電の説明によると、B系は三系統の中で一番運転時間が長い。さらに、クロスフローフィルタが炭酸塩を除去しきれずに下流に透過したことから、3月6日から13日にかけて交換したばかりだという。交換後のフィルタの下流側からは、炭酸塩が検出されていない。ALPS A、C系では今回のトラブルは発生していないが、運転時間が増加していくと発生する可能性もある。しかし、まだ原因が判明していないことから、東京電力はA、C系を用い、汚染水を送り込んでしまったサンプリングタンクの浄化を行う方針を示している。

 ALPS処理水の移送先であるJ1エリアタンクに、今回のトラブルにより汚染水を移送してしまった。各タンクの水をサンプリング調査し、汚染水の広がりを調査した。その結果、J1-Dエリアと呼ぶ9基のみが汚染されていることが判明したという。また、他の13基は汚染されていない(全ベータ数百Bq/Lのオーダ)水であることもわかっている。サンプリングタンクを浄化した後の水は、汚染水を移送してしまったJ1-Dエリアタンクに移送することとしている。

 以上の方針により、3月24日12時59分にA系、13時にC系の運転を再開したが、18時56分頃、点検作業を行っていた東電社員が1秒に1滴程度の漏えいを発見した。そのため、18時58分にA、C系の処理を中断し、循環待機運転に移行、ALPSは再び全系統で処理を停止している。

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以下、東京電力ホームページより、リンクを表示

報道配布資料

2014年3月24日

2014年3月23日

2014年3月21日

2014年3月20日

プレスリリース

2014年3月24日

2014年3月20日

東北地方太平洋沖地震による当社原子力発電所への影響

道関係各位一斉メール

2014年3月24日

2014年3月23日

2014年3月20日

写真・動画集

2014年3月24日

お知らせ

2014年3月20日

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