タンク堰の二重化工事が2ヶ月遅延~東電定例会見 2014.3.12

記事公開日:2014.3.12取材地: テキスト動画
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 2014年3月12日17時30分から、東京電力本店で定例記者会見が開かれた。汚染水のタンクを囲む堰の二重化工事、および構内排水路の出口付け替える工事の完了が、2ヶ月近くずれ込んだことが報告された。

■全編動画

  • 日時 2014年3月12日(水) 17:30〜
  • 場所 東京電力本店(東京都千代田区)

護岸観測孔No.1-13の高濃度は過去の漏洩が原因か

 福島第一原発1-2号機間護岸エリアで、南東端にある観測孔No.1-13,No.1-6のサンプリングから、高い濃度が観測されていることから、観測孔近辺のボーリングコアの線量測定を行った結果が発表された。どちらも地下3~4メートルにβ線のピークがあるという。この結果から東電は、当該サンプリング孔の高濃度は、過去の漏洩が原因であろうと評価している。

汚染水タンク水位警報の制御系改善策を発表

 H6エリアタンクから汚染水が溢水し漏洩したことから、水位警報の発生、移送ポンプの運転という制御系の改善策が発表された。

 改善後は、水の移送先以外のタンク(非選択タンク)の水位が98.9%以上に上昇し、水位高高警報が発生した場合にも、移送ポンプを停止するように変更するという。これまでは、移送先(選択タンク)以外の水位は監視していなかった。このため、今回、弁の制御を間違えたことから、溢水に気付かず100トンを漏洩させた。

タンクのリプレース計画の更新分を発表

 フランジ型タンクは漏洩のリスクがあるため、溶接型タンクへのリプレースが進められている。2014年度のタンクリプレース計画の最新版が発表された。これとともに、リプレース元のタンクの保管方針が発表された。角型タンクと円筒型ブルータンクは解体できないので、開口部を閉止し、原型のまま段積み保管する。一方、フランジ型タンクは解体し、パーツとして積み重ねて保管する方針。保管場所は今後検討する予定で、現時点ではまだ決まっていないという。

構内排水路の暗渠化工事完了

 構内B排水路の暗渠化工事が完了し、施工後の現場の様子を撮影した動画が公開された。C排水路の出口を港湾内に付け替える工事が進められているが、港湾開渠内のどこに出口を設けるかは、まだ検討中。現在は出口が決まっていなくても進められる部分の工事を進めている段階だという。

淡水化装置内の水たまりは結露と推測

 3月9日に淡水化装置のジャバラハウス内に水たまりが発見され、溜り水の分析、原因が調査されている。

 水たまり発見後、念の為に停止させた淡水化装置を個々に通水し、漏洩の有無を確認したが、漏洩はなかったという。そのため、汚染されていない綺麗な水を床にまき、回収してどの程度汚染されるかを分析。その結果、ある程度、汚染されることがわかったという。

 これらの結果から東京電力は、今回の水たまりは漏洩ではなく、水の出所は不明、結露かもしれないと推定している。

タンク堰の二重化工事が2ヶ月遅延

 記者から、福島で行われている会見で、汚染水のタンクを囲む堰の二重化工事、および構内排水路の出口付け替える工事の完了が、2ヶ月近くずれ込んだという発表について、指摘があった。

 この理由について東京電力は、通常は半年から1年かけ、十分な検討をしてから工事をスタートするが、今回は早急にやる必要があり、工事を進めていると説明。タンク堰の二重化工事では、すでに運用しているタンク周辺にある配管がかなり混みいっており、当初の想定よりも慎重に作業する必要があるため、工期が延びていると説明した。

 この問題は、質問者が質問しなければ説明されなかったことから、東電の広報、情報公開の姿勢が相変わらず消極的であることを印象づけた。

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以下、東京電力ホームページより、リンクを表示

報道配布資料

2014年3月12日

2014年3月11日

プレスリリース

2014年3月12日

東北地方太平洋沖地震による当社原子力発電所への影響

道関係各位一斉メール

2014年3月11日

写真・動画集

2014年3月12日

2014年3月11日

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