H6タンク溢水調査、未だ弁が「開」の原因は不明~東電定例会見 2014.3.7

記事公開日:2014.3.7取材地: テキスト動画
このエントリーをはてなブックマークに追加

 2014年3月7日17時30分から東京電力本店で定例記者会見が開かれた。2月19日から20日にかけて発生したH6エリアタンクの天板からの溢水に関するヒアリング調査が続けられているが、現時点で、事故の原因とみられる「弁の開閉操作」に関する有益な情報は得られていないと発表した。

■全編動画

  • 日時 2014年3月7日(金) 17:30〜
  • 場所 東京電力本店(東京都千代田区)

H6タンク溢水調査

 2月19日から20日にかけて発生したH6エリアタンクの天板からの溢水に関するヒアリング調査が続けられているが、現時点で、事故の原因とみられる「弁の開閉操作」に関する有益な情報は得られていない。

1号機躯体調査調査結果

 福島第一原発1号機の燃料取出しに向けて実施した、1号機建屋内部の躯体調査の結果が発表された。2月26日に東電社員7名と規制庁保安検査官2名が建屋内に入り、調査した。約30分で最大線量は5.85mSv。画像および動画の撮影を行い、東電ホームページにて公開される。

 今回の調査結果について東電は、「基本的にこれまでと同じ、特に新たなことは見いだせなかったが、今回の結果も踏まえて解析の精密化を図る」との見解を述べた。

損傷した2号機RPV底部温度計の交換計画

 2月18日に、絶縁試験の際に誤って250Vを印加し、損傷させた熱電対について、原因対策と交換工程が示された。

 熱電対温度計は通常、耐圧250Vのものを使用しているが、当該熱電対は事故後に追加した耐圧100Vのものだった。ところがテスト時に確認不足で耐圧限度を超える250Vをかけてしまったため、絶縁破壊が発生し、使用できなくなった。

 東京電力は、「3H作業(変化・始めて・久しぶり)」として一段と注意すべきだったが、月例の類似の点検作業と同じ作業だと勘違いし、入念な確認を行わなかったと分析。この事例を水平展開し、今後、対策を打ち、より注意深く作業するとした。

 当該温度計は高線量域に設置されていたため、工場モックアップによる検討や交換作業の習熟訓練を行い、三か月程度を目途に交換する工程を立てている。

地下貯水槽の現状は

 地上貯水タンクの残容量が逼迫しており、規制委員会のワーキンググループからは、地下貯水槽の再利用を検討するよう指示が出されている。

 現在No.4タンクには1500トン、No.7タンクには2100トンの雨水が貯蔵されている。これらはタンク堰に溜ったもので、放出基準を超える核種が検出されているため、止む無く貯蔵しているものだ。一方No.1からNo.3タンクは漏洩が発生したため、中身を空にし、そのままの状態が保たれている。うきあがり防止のため適時屋根部に砕石を積み増している。内部の漏洩は補修できないため、手付かずとなっている。

H4-A1タンクで高高警報発生

 3月7日の朝6時28分にH4東エリアのA1タンクで水位高高警報が発生したが、発生直後、警報はすぐに停止した。これを受け、東電は直ちに現場を確認した。しかし、天板の上まで登って確認したが異常は発見されなかったため、この警報は実際の異常を報せたわけではなく、計器のスパイク的ノイズと見做し、処理することとした。

 先般のH6タンク溢水事故を受け、水位警報が発生した場合は、まず水を送りだしているポンプを止め、それから現場確認に行くようマニュアルを改訂した。2月24日に改訂し、同日の運用開始と規制庁にも報告しているが、今回、そのマニュアル運用が守られなかったことになる。

 東電は「ポンプを停止してから現場に行くのが正しい順番だと思っている」としながらも、「今回は瞬間的にでて瞬間的に終わったので、現場を見に行くという順番が先になってしまったというところがあった」と理由を述べた。

 この点は反省するのと認識し、「我々の動きは期待するものと違ったということで一連のフィードバックをかけている」と述べた。

仮保管してある乾式キャスクで蓋間圧力異常

 3月6日の7時56分ごろ、仮保管設備に保管してある乾式キャスク一基で、「蓋間圧力異常」が発生したことが昨日の日報で発表されている。

 乾式キャスクは、内部を閉じ込めるため二重蓋の構造になっており、漏洩が発生した場合、迅速に検知するため二つの圧力計が取り付けられている。今回、そのうち一つの圧力計が異常を示し、もう一方は正常だった。

 圧力異常の発生時、当該設備に設置されている門型クレーンが稼働していた。クレーンはキャスクを移動させていなかったが、クレーンを停止すると計器の圧力異常は治まったため、クレーン動作に伴うノイズの混入だと判断している。

 昨年4月の時点でもクレーン動作に伴うノイズ混入が確認されており、ノイズ対策を行っているがまだ不十分だったことになる。今後、追加でノイズ対策、確認を行う予定だ。

■■■■■■

以下、東京電力ホームページより、リンクを表示

報道配布資料

2014年3月7日

2014年3月6日

プレスリリース

2014年3月7日

東北地方太平洋沖地震による当社原子力発電所への影響

道関係各位一斉メール

2014年3月7日

2014年3月6日

2014年3月5日

写真・動画集

2014年3月7日

2014年3月6日

お知らせ

2014年3月7日

IWJの取材活動は、皆さまのご支援により直接支えられています。ぜひ会員にご登録ください。

新規会員登録 カンパでご支援

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です