2014年3月5日17時30分から東京電力本店で定例記者会見が開かれた。H6エリアタンクの天板から汚染水が溢水した事故の調査が続いているが、調査は難航し、詳しい事故原因は未だに判明していない。
2014年3月5日17時30分から東京電力本店で定例記者会見が開かれた。H6エリアタンクの天板から汚染水が溢水した事故の調査が続いているが、調査は難航し、詳しい事故原因は未だに判明していない。
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多核種除去設備ALPSのB系を、設備点検のため、3月6日より10日間程度、停止することを発表した。クロスフローフィルタの前後の差圧が増大しているため、ALPSを一時的に停止し、フィルターの確認など、必要な対応をとる予定だ。
また、会見開始から10分が経った頃に、B系のインバーター故障警報が鳴り、ブースターポンプが停止。循環待機運転に移行したことが発表された。2月26日には、A系で同じ現象が起きている。
この日の8時30分ごろ、トラックに乗車した協力企業作業者がAPDを装着せず、福島第一の正門を通過し入構したことが明らかになった。朝の通勤ラッシュ時であり、途中で気付いたが引き返せなかったという。当該作業者は、正門から登録センターまでの往復のみの移動で、線量の影響はほとんどないが、念のため、影響を評価するという。
海側遮水壁と護岸の間に水中コンクリを打ち、海側遮水壁を設置、護岸との間を順次埋め立てているが、今回、新たな場所にシルトフェンスを設置することとなった。
この日の午後、規制庁で汚染水対策ワーキンググループが開かれ、H6エリアタンクからの漏洩が議題に上がった。その際の資料をもとに、東電は、改めてこの日の会見で状況説明を行った。
東京電力は、福島第一原発の貯水タンク計画や水処理計画で、日々増大する汚染水量と、それを貯蔵するためのタンク容量を予測し、問題なく処理できると発表し続けてきた。
しかし、ALPSがいまだホット試験から抜け出せないことや、地下水バイパスを運用する目途がつかないことが影響し、タンク容量が逼迫しはじめている。そのため、タンク容量ぎりぎりまで汚染水を貯蔵するよう運用を行っている。今回のH6エリアタンクの天板からの漏洩は、このような状況下で発生した。
タンクは設置したエリアごとにグループ化されており、合計31エリアある。そのうち18エリアはポンプ停止インターロック値(水位96.3%)以上で運用していることが、東電の調べでわかった。実際には98%以上まで汚染水を貯蔵しており、地震などの揺れによるスロッシング溢れを防止するため、96%以下で運用するよう、原子力規制委員会は東電に要求している。東京電力は年内に達成すると回答している。
H6エリアタンクからは汚染水が約100トン漏洩した。そのうち、43トンの汚染水と、汚染水が染み込んだとされる周辺の土壌、約130立方メートルは回収された。しかし、未回収の57トンはどうするのか。
東電は、まだ汚染水の水たまりが残っているが、土中にしみこんだ分は、「雨水などの影響により染み出す可能性があるため、今後、定期的に確認し、必要に応じて回収する」と説明している。
現在、H6エリアタンクの天板からの漏洩の原因である、二つの弁の開閉状況が問題となっている。作業記録上は閉まってたはずの弁が、漏洩発生時には開いていた。いつ、誰が、なぜ開けたのか、未だ事実は判明せず、東電は引き続き調査を続けるとした。
2月25日9時40分頃に発生した、ボーリング掘削中に地盤 下1mに埋設されたエフレックス管の電源ケーブルを誤って損傷させ4号機使用済燃料プールの冷却が停止する事故が発生した。
「配管の状態などを落とした、配線図というのはあるのか?」記者が質問すると東電は「事前安全評価というのをする。そこで図面など情報を集める。そこで安全確認する。」と回答、「(配線図が)有る無しというよりもしっかり対策していく方が大事。無いということではない。」と断言した。
記者側は単純に”Yes””No”で答えられるような質問をしているが、東電今泉氏は単純には回答せず「今回は、情報共有がうまくできていなかった」と反省的な回答をくりかえすだけだった。
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2014年3月5日
2014年3月4日
2014年3月5日
2014年3月5日