2012年4月22日(日)18時30分より、ホテルオークラ別館オーチャードルームで行われた、「三極委員会」晩餐会での野田首相演説と、その後のアルル氏による解説の模様。
※会員ページには、野田首相の演説の全文書き起こしを掲載してあります。
(IWJ・佐々木)
2012年4月22日(日)18時30分より、ホテルオークラ別館オーチャードルームで行われた、「三極委員会」晩餐会での野田首相演説と、その後のアルル氏による解説の模様。
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■野田首相演説部分
晩餐会で野田首相はまず小林陽太郎地域委員長(富士ゼロックス元会長)に「sensible prime minister」と紹介され壇上に。これは19日のワシントン・ポストのインタビュー記事からの引用であり、野田首相を「sensible(思慮にとむ、理解力のある)」と表現することで、暗にそれ以前の鳩山と菅を批判する皮肉であると、アルル氏は分析。この紹介で場内にはどっと笑いがおこった。
壇上に上がった野田首相は「排外主義や保護主義を排し、自由と民主主義の枠組みという共通の価値観に基づき、そのルール作りのために行動していく」 と発言。この発言は一見当たり前のように聞こえるが、アルル氏は「ルール作り」という表現を使っていた事に注目。これはまさに「Trans-Pacific-Partnership=TPP」の事を表すメッセージ(暗号)と受け取れる発言と分析した。
また野田首相は演説で「総会の提言を、大いに参考にさせていただきます」と発言。この「提言」とは、三極委員会の報告書である「トライアングル・ペーパー」の事を指す。この報告書は三極委員会のHPに数ヶ月後にアップされるが、アルル氏は、その内容と、野田首相が受け取った報告書の内容が一緒のものかどうかはわからないとした。
そしてアルル氏が一番驚いたという演説の最後の部分。首相は「内向きになることなく、人類の未来を切り開く。率先して行動していくことを『お誓い申し上げる』」と発言。提言を参考にすることを「誓約する・約束する」という表現を使っている。一般に三極委員会は、政策決定には直接の影響がない、民間のシンクタンクと言われているが、ここで大胆にも「提言を大いに参考にする」と、政策に影響するということを野田首相が直々に認めてしまっているという、すごい状況が生まれてしまったと、アルル氏は語った。
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