2014年02月28日17時30分から福島県・Jヴィレッジ内「アルパインローズ」において、H6エリアタンク漏えいに関する会見が開催された。会見者の相澤副社長は、H6タンクの弁の開閉についての調査が進められているが、直接の原因に結びつく事実はいまだに得られていないと説明。福島第一原発は、未だに「野戦病院」のような状況であることが垣間見えた。
2014年02月28日17時30分から福島県・Jヴィレッジ内「アルパインローズ」において、H6エリアタンク漏えいに関する会見が開催された。会見者の相澤副社長は、H6タンクの弁の開閉についての調査が進められているが、直接の原因に結びつく事実はいまだに得られていないと説明。福島第一原発は、未だに「野戦病院」のような状況であることが垣間見えた。
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「原発事故からまもなく三年が経過、未だに地元福島県の皆さまには大変なご迷惑とご心配をおかけしてしている」――。
会見は相澤善吾副社長の謝罪から始まった。昨年2013年8月に汚染水・タンク対策本部を立ち上げ、それまでのモグラミたたき的な対策から、先手を打つ対策にしようと努力してきた、そして「野戦病院(相澤副社長談)」状態から脱しようと、現場・現物・現実を重視した取組みを続けてきたが、H6タンクからの溢水というトラブルを起こしてしまった。相澤氏はこう説明し、謝罪。トラブルに対して、「現場に足の着いた現場力の強化・向上」「安全意識の向上」「ハード・ソフト両面を、応急的な対策から恒久的な対策へ向け今まで以上に加速」の三点を軸に事態を改善していくと述べた。
H6エリアタンクの溢水漏洩に関する「弁」の開閉は、現在も調査中である。東電は、2月24日までに106名の作業員にヒアリング調査を実施したが、より詳細な調査をするため、さらなるヒアリングを継続する予定だ。根本原因に直接つながる情報はいまだに得られていないという。
続いて、福島第一の小野明所長から、H6エリアタンクの漏えいについての説明がなされた。
東電は2月24日の原子力規制庁汚染水対策WGで、昨年4月にV399とV401Cの二つの弁に「開」指示が出ていたと報告した。その後の調査により、実際に「開指示」が出ていたのはタンク群の「連絡弁」だったことが判明した。V399、V401Cの状態は引き続き調査していく。
「連絡弁」とはH6エリアタンク群の中で、タンクとタンクの間を連絡する弁のこと。あいまいな作業指示で弁を混同、勘違いしたという懸念もぬぐえない。
漏洩した汚染水約100トンのうち、約42トンはすでに回収されており、当該土壌の約130立方メートルも回収済となっている。現場はバルブが入り組んでおり、重機が入れられない箇所もあるため、手作業で回収作業を行う必要があると東電はいう。また、地下水への汚染拡散の懸念もあるため、H6エリアタンクの海側に、3カ所の地下水観測孔とウェルポイントを新たに設置するよう工事を進めている。
漏洩防止のための今後の対策として、いくつかの改善策が発表さた。
昨年にフランジ型タンクの継目から漏洩したことを受け、全てのタンクに水位計を設置し、監視できる設備を整えているが、今回は監視が不十分だったため、異常の発見が遅れてしまった。今後は複数箇所で水位を監視し、ダブルチェックすることで監視の強化を図るという。この業務に関わる作業員への教育を再度実施し、操作ミスが起きないよう意識づけを行う。
また、弁が不用意に操作されない対策として、3月上旬をめどに、重要な弁に施錠すること、パトロールを強化すること、監視カメラを追加することなどが発表された。2月26日からは、移送が終了し満水に近いタンク群への弁は「全閉管理」とするように変更した。
モグラたたき的な事後対策を行い続けてきた東電。原因や経緯の詳細は依然として不明で、調査を続行するとしている。さらなる詳細を知るために質問しても、「調査中」「これからの調査に影響する」などと回答し、明確は回答は得られないままである。福島第一原発は、未だ「野戦病院」のような状態から抜け出せずにいるのだと印象づける会見だった。
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以下、東京電力ホームページより、リンクを表示
2014年2月28日
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2014年2月27日
2014年2月28日
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