汚染水移送配管の弁は安全運用をしていなかった~東電定例会見 2014.2.24

記事公開日:2014.2.24取材地: テキスト動画
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 2014年02月24日17時30分から東京電力本店で定例記者会見が開かれた。2月19日に発生したH6エリアタンクの汚染水溢水事故の原因調査の結果、タンクへつながる配管の弁は安全運用をしていないことが分かった。

■全編動画

  • 日時 2014年02月24日(月)17:30~
  • 場所 東京電力本店(東京都千代田区)

H6エリアタンク漏洩、安全性を崩す運用

 2月19日から20日にかけて発生したH6エリアタンクの天板からの溢水に関する調査が続いている。当該のH6-C1タンクまでの配管の途中にある三つの弁のうち、”開”になっていた弁は昨年2013年4月17日に、東電が作業効率の観点で”開”にするよう指示し、その後”開”状態のままだったことが分かった。

 RO処理装置から汚染水(RO濃縮塩水)を受け入れ溢水したH6エリアタンクまでの配管には、三つの弁を直列に設置し、一つが意図せず”開”になっても他の二つの弁が”閉”であれば、水の移送が起こらない安全性を持った構成になっている。しかし、作業効率の観点から安全性を損なう運用をしていたことが判明した。

ヒアリング調査結果、特記する事はない

 今回の事故に関して東電は、弁の状態を把握するため、関連する作業者に対してヒアリング調査を行った。APDの入域データから関連する106名を選定した。106名の中には東電社員と協力企業社員が共に含まれている。先週の金曜日(2月21日)から本日までに98名を完了したが、まだ特記する事項はないと発表した。

 また、現場付近の監視カメラの画像が記録されていることが分かり、これの調査、分析を進めるということだ。

今後の対応

 漏洩に関してはパトロールの強化、水位計警報時の対応の改善を検討するということだ。

 この日の会見時までに漏洩した汚染水は約42トン、土壌は約100立方メートルを回収をしている。

規制委員会・WGではより詳しく議論

 同日2月24日13:30より原子力規制庁にて「特定原子力施設監視・評価検討会汚染水対策検討ワーキンググループ(第11回)」が開催された。議題に「H6エリアタンク上部天板部からの漏えいについて」が取り上げられ、詳しい議論が交わされた。

 今回の事故で東電の対応の問題点として、

・水位計の警報が発令したにも関わらず無視し、16時から7時間あまり監視ができていない。
・水位計がハンチングした時、安易に計器の故障とみなした。
・移送先のタンク(Eタンク)の水位を監視していなかった。

といったことが改めて浮き彫りになった。

 さらに、16時からの7時間の間に、弁に銘板を取り付ける作業を行っていたが、黄色い銘板ワイヤーを取り付ける際、金具の位置関係から弁を開けると取り付けやすくなることから、弁を開けてワイヤーを取り付けていた可能性も出てきた。

 水位計の警報はいつ出るのか。東電は、高警報は水位96.7%、高高警報は98%に設定している。更に、水位高の96.7%でポンプが停止し、その後は水位を見ながら手動で運転し、ぎりぎりまでタンクに汚染水を注水している。タンク容量が逼迫しており、高を超えた98%程度貯蔵していかないと厳しいと東電は釈明する。

 人為ミスが発生しても検知できず、防ぐ手段もない。今後も同様の事故が続く可能性があるだろう。

全β、Srの正しくない測定結果について

 2月4日に測定機の検出効率の誤設定によりSr(ストロンチウム)を測定を誤った疑いがあったが、さらに2月6日、また測定機の数え落とし特性を考慮していなかったことから、全βの測定を誤った方法で行っていたと公表された。東電は当該期間の測定データを調査し、全βを測定した約2万件中、167件が誤りの可能性があると公表していた。

 その後、データを精査した結果、3件減って164件に数え落としの懸念が確定し、それら測定結果のデータ全てを、この日、公表した。

 サンプリングした試料が残っているものは再測定する予定だが、試料は4万点近くにものぼる。その中から該当する164件を探しだすこと、また探す作業そのものが被曝量を増やすことから、再測定結果が出るまでは、かなりの時間を要すると思われる。一方で試料が残っていない可能性もある。それらは再測定できない。

 そこで東電は、高濃度の試料を用い、測定した実測結果から、数え落とし補正式、係数を調査した。概ね450万Bq/Lぐらいまでは補正式による計算で補正できると考えているという。

 今後の対応について、東電は、数え落としが発生する可能性がある高濃度試料の測定は、昨年2013年10月2日より具体的に明文化された手順で行い、数え落としの影響を除去する対策を実施している。具体的には高濃度試料を希釈し、測定している。

 しかし東電は、数え落としを皆無することを目標とした希釈を基準としている。同日13:30から開催された規制委員会のWGでも議題に取り上げられ、その席上JNES(独立行政法人原子力安全基盤機構)は希釈しすぎると測定誤差そのものが大きくなるとコメントしている。

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以下、東京電力ホームページより、リンクを表示

報道配布資料

2014年2月24日

2014年2月23日

2014年2月22日

プレスリリース

2014年2月24日

東北地方太平洋沖地震による当社原子力発電所への影響

道関係各位一斉メール

2014年2月23日

写真・動画集

2014年2月24日

お知らせ

2014年2月24日

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