測定機の「数え落とし」によりベータ線量を低く誤測定~東電定例会見 2014.2.7

記事公開日:2014.2.7取材地: テキスト動画
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 2014年2月7日17時30分から、東京電力本店で定例記者会見が開かれた。測定機の「数え落とし」により、ベータ線量を低く誤測定していたことが報告された。東電は、誤測定と考えられる2011年3月から2013年10月までの測定データを見直すとしている。

■全編動画

高台炉注水ポンプ近傍で淡水約600リットル漏えい

 凍結のため、淡水配管の途中にあるストレーナの差圧計から約600リットル漏洩したことを発表した。2月6日11:05頃のパトロールにより発見し、直ちに元弁を閉鎖して漏洩は停止、漏洩周辺の土壌を回収した。漏洩した淡水は全βが約2800Bq/Lである。

 原子炉内に残る燃料やデブリを冷却するため、RO淡水化装置などで処理した水を原子炉内に注入し続けている。信頼性向上のため、東電は複数の注水方法を備えており、その一つが高台に設置した炉注水ポンプを使用して一端水を溜め置くバッファタンクからの注水方法である。

 今回の漏洩は、このバッファタンクへ水を移送する配水ラインの途中にある、ゴミ取り用ストレーナ部分に設けた差圧計で発生した。凍結のため、差圧計器のフランジ部分パッキンが飛び出したのが原因とみられている。

 原子炉への注水は他の配管があり、そちらには影響がない。今後の対策として東電は、当該部へヒーターを取り付け、再発を防止するとともに、3月中旬には当該差圧計を交換することを予定している。本日もパトロールしているが、類似の事例は見あたっていないという。

「数え落とし」によりベータ線量を低く誤測定

 高濃度のβ線測定において、測定機の不感時間を考慮しておらず、数え落としにより、実際の値より低い値として測定、発表していたことが報告された。震災の発生した2011年3月から2013年10月までの測定データが該当し、東電はそれら全てを見直すとしている。

 ストロンチウム90と全βの測定結果に疑義があったため、原因を調査し、ストロンチウム90の測定値を修正したことが2月5日の定例記者会見で発表されている。その際、過去の測定データを調査していた際に、全βについても疑義があり、調査した結果、判明したという。

 β線の測定機は、センサーに放射線が入射すると電離現象を起こし、電流が流れる。その回数をカウントすることで線量を計測している。一回電離すると、放電するまでの短時間の間は、別の放射線が入射してもカウントできない。この短時間を不感時間または分解時間と呼び、この時間に計測されない「数え落とし」が生じる。これは、放射線計測の初歩的な知識である。

 2013年10月以降は、数え落としを考慮した測定マニュアルを整備したため、その後は問題ないデータだと東電は考えている。それ以前の高線量のデータについては、数え落としがあるため、全てのデータを見直す。ただし、データ数が膨大であるため、結果を発表できる目途は全くたっていない。

 震災、事故後の比較的汚染度の高い期間のデータが、実際より低く測定されていた可能性があり、被曝量管理などに影響がでてくるものと見られる。

暖房スチームで火災報知機が発報

 暖房用スチームで火災報知機が発報した。消防連絡、立ち会い点検の結果、火災ではないと判断。

 2月6日の朝、福島第一原発登録センターで火災報知機が発報、機械室で水の漏洩、2階で発煙を発見している。その後、機械室の空調設備である、ヒーティングコイルが破損、温水が漏れ、湯気が発生していたことを発見した。消防連絡、立会調査の結果、蒸気によって火災報知機が動作したと判断したということだ。

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以下、東京電力ホームページより、リンクを表示

報道配布資料

2014年2月7日

2014年2月6日

プレスリリース

2014年2月6日

東北地方太平洋沖地震による当社原子力発電所への影響

道関係各位一斉メール

2014年2月7日

2014年2月6日

写真・動画集

2014年2月7日

2014年2月6日

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