2014年1月8日(水)17時30分から、東京電力本店で定例記者会見が行われた。多核種除去設備(ALPS)のHIC(廃棄物保管容器)取換中、作業用クレーンが故障して停止した。HICが満タンになっており、ALPSは稼働できない状態にある。
2014年1月8日(水)17時30分から、東京電力本店で定例記者会見が行われた。多核種除去設備(ALPS)のHIC(廃棄物保管容器)取換中、作業用クレーンが故障して停止した。HICが満タンになっており、ALPSは稼働できない状態にある。
■全編動画
多核種除去設備(ALPS)は、放射性物質を吸着材に吸着させ除去している。使用した吸着剤は非常に線量の高い廃棄物となり、それを安全に収納するのが高性能容器(HIC:High Integrity Container)である。
能力限度まで吸着すると、順次新しいものに取り換える必要がある。その作業では、作業者の被曝を減らすため、まずHICに遮蔽材を被せる。東京電力の発表によると、HICに遮蔽材を被せる作業を行おうとした時にクレーンが停止したということだ。遮蔽材は架台の上にあり、釣り下がっている状態ではない。
今後、不具合箇所の特定、原因究明、対策を行った後に、再度HICの交換を行う予定。クレーンは一台しかなく、作業再開にどの程度の期間が必要か、まだ分からないという。
ALPSは三系統あり、現在、汚染水を使用して性能を確認する「ホット試験運転中」にある。B系は配管の腐食対策を施し、その有効性を確認するために停止している。またA、C系はHICが満タンになり、交換が必要だが、前述のクレーン故障により交換できない状態である。
以上のことからALPSは三系統全てが停止、運転できない状態にある。
ALPS停止中、汚染水は第二セシウム吸着装置(サリー)で処理をしているが、ALPSがどの程度の期間停止するか分からないので、「何とも言えない」と東電は回答している。
炉心に残っている燃料デブリの崩壊熱による発熱を除去するため、炉心に注水して冷却しているが、汚染水となって流れ出てくる。事故後の時間経過と共に、崩壊熱も減少していることや、汚染水の発生量を減らすことから、注水量を減らすことが発表された。
福島第一原発2号機について、炉心スプレー系の注水量を本日から毎時3.5立法メートルから3.0立法メートルに減らし、一週間程度様子をみてから、さらに毎時2.5立法メートルに減らす予定。
その後、3号機についても注水量を減らすが、1号機は窒素封入の作業により温度が上昇する可能性があるため、減らさないという。
中長期ロードマップの進捗にて、原子炉建屋内をレーザースキャンし、ロボット作業の支援のための内部構造の3Dマップを作成することが計画されている。東電によると、1、2号機について予定通り、1月7日から作業が開始された。予定では、1号機は1月7日から1月18日まで、2号機は1月7日から1月22日までとなっている。終了後、解析、評価した後、結果を公表するという。
また、ALPSの増設について、来年10月竣工を目標に設計中の段階にあるということだ。
ホームページで公開されている、福島第一原発のライブカメラが増設されることが発表された。
現在4号機側(南側)から撮影しているが、2014年1月9日午前10時より、1号機側(北側)からも撮影し、動画配信する。
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以下、東京電力ホームページより、リンクを表示
2014年1月8日
2014年1月7日
2014年1月8日
2014年1月7日
2014年1月7日
2014年1月7日