2013年12月16日17時30分から東京電力本店で定例記者会見が開かれた。会見途中、司会が「質問は説明資料中心でお願いする。それ以外のことは残ってから」と発言、記者団から抗議の声があがった。
2013年12月16日17時30分から東京電力本店で定例記者会見が開かれた。会見途中、司会が「質問は説明資料中心でお願いする。それ以外のことは残ってから」と発言、記者団から抗議の声があがった。
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12月16日は、2011年に当時の野田総理が事故収束宣言を出した日から2年目にあたることから、所見を聞かれた尾野昌之原子力・立地本部長代理は、「原子炉の安定した冷却、再臨界の防止策が正しかった。しかし、まだやるべき事が沢山ある」との見解を述べた。
当時の事故収束宣言の最終的な判断について、「当時は統合対策本部におり、その判断を踏まえて政府、そして総理が発言している。東電の一存ではないし、東電の判断を超える所での決定だ」という考えを示した。
東電としては、事故が収束したとは考えていないが、政府が判断したのだからしょうがない、ともとれる発言である。
東電は、12月13日(金)に「福島原子力事故における未確認、未解明事項の調査、検討結果 第一回 進捗報告」というプレスリリースを出したが、これに関する記者レクを規制庁で行い、東電の定例会見では発表されなかった。
その理由を問う質問を受けた東電広報部の上島氏は、「四半期毎に改革プランの当社の進捗状況を説明する、プログレスレポートの一環として発表した。日々の福島第一の状況を示す定例会見とは位置づけが違う」と説明した。
しかし、前回の7月26日に発表された第一四半期の原子力安全改革プランは、東電にて13時から記者会見が行なわれており、説明と矛盾する。この問いに対して東電広報部は、「当社として判断しているので、それは了解いただきたい」と答えるにとどまった。さらに、今後も規制庁の部屋を使い、東電、一事業者単体での記者レクを行う可能性があると考えてもらって結構である、と述べた。
こうした対応は、都合良く会見、記者レクを使い分けているともとることができる。問題は、開催のアナウンスが、開始直前に複数ある東電公式twitterアカウントのどれか、あるいはメールなのか定かでないことである。記者クラブ相当の範囲にのみ、情報が公開されるようになる恐れがある。
会見の途中、司会を務める広報部の上島氏が突然、「質問が広範囲におよんでいる、申し訳ないが、今日の説明資料中心でお願いする」。さらに、「それ以外のことは残ってから前に来てもらい、その都度その都度説明する」と、ぶら下がりでの質疑をうながす発言をした。
記者団がこれに抗議すると、「広範囲におよぶと、確かな説明でなくなってくる可能性もあるので、お願いする」と説明。
もともと、東電側からの発表説明が少ないことから、質問の範囲が説明資料に限定されると、質問内容が著しく制限される。
これについて、「具体的に、どの質問が対象になるか、今言ったという事は、今日で何か質問の中で引っ掛かったことがあるから言われたんじゃないのか」と記者団が質問すると、上島氏は、「これまでも、お願いはしているつもりだから、了解いただければと思う」と回答。記者側が「苦情が来ているのか」と食い下がると、結局、上島氏は、「個人の判断で、協力をお願いしている」という形で落ち着いた。
あくまでも、司会の上島氏個人の判断で、社の姿勢ではない、ということだろう。
No.1護岸エリアの地下水観測孔 No.1と No.1~17が、距離が2メートルしか離れていないにもかかわらず、地下水位に数メートルの差がある。このことについて、以前から質問が出されていた。本日、記者が再度質問すると、尾野氏は「これでおしまいだ。もう評価しない」と回答。海へ漏出している可能性もあるが、何もせずに放置する方針が示された。
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2013年12月16日
2013年12月15日
2013年12月14日