岩上安身よりみなさまへ 2013.12.10

記事公開日:2013.12.10 テキスト
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(岩上安身)

 こちらの記事は、以下の2つの記事を合わせて転載した記事です。


岩上安身よりみなさまへ 2 (2013年12月3日 掲載)

 お元気でお過ごしでしょうか。岩上安身です。お世話になっております。いつもIWJをお支えいただきまして、ありがとうございます。

 先月、IWJの経営状況の厳しさについてお知らせし、緊急のご支援をお願いするお手紙をメールにて送らせていただきました。

 そうしましたところ、幾人かの方々から、励ましのおたよりや、心配の声をいただき、嬉しく、また恐縮もしています。

 経営が逼迫してしまった最大の誤算は、会員数が今年の1月から約5000人でぴたっと止まってしまい、以後伸びなかったこと、寄付・カンパの件数も金額も落ちていったこと、にもかかわらず、配信の規模、人員の体制をこれまで通り維持し続けてきたことでした。

 この間、夏にはIWJのキャッシュフローが枯渇し、私の貯金を注ぎ込んで支えるという応急処置を繰り返しているうち、とうとう9月には私の貯金も尽きてしまいました。手元に現金がなく、10月からの支払いができないという崖っ淵に追いつめられてから、遅まきながらこうした窮状を会員の皆さまなどに訴えて、緊急のご支援をお願いし始めました。同時に、人件費をはじめ支出の見直しと削減に着手しました。

 臨時のカンパをいただくなどして、第3期の期末である10月末は、どうにか支払いが滞ることなく乗り越えられました。1000万を越していた赤字幅も、少しずつ減りつつあります。

 しかし、決算期末の10月末を乗り越えたとはいえ、厳しい経営状況はまだまだ続いています。支援の呼びかけにもかかわらず、会員数が大幅に増えたわけではありません。

 IWJは残念ながらまだ会員数5000人前後でとまっています。IWJが現在の活動の規模を維持するには、前回の決算の収支報告をご覧いただければ、おわかりいただけますが年間約1億2000万円かかります。

 機材の設備投資はある程度そろえることができたので、今後は機材費などはきりつめられますが、支出の大半を占める人件費は、そうはいきません。

 私の役員報酬は30万円ですが、50%カットすることもすでに実践しています。人件費の支出はすでに月間100万円強カットしており、スタッフの報酬はもはやぎりぎりまで抑制しているので、これ以上支出をカットするのは困難です。これよりも下げようとすると、スタッフの個々の生活が成り立ちません。スタッフも生きて生活していかざるをえず、組織はバラバラとなってしまいます。

 皆、苦しい中、精いっぱい頑張っています。本当は記者など、もっと人手が欲しいところです。配信本数を減らそうとしましたが、現実には、「これは中継取材しなくては。ウチしか報じないだろう」という案件も多く、また「ぜひ中継して下さい」とリクエストされたり、依頼されたり企画も少なくなく、断りきれずにいるのが現状です。

 実際、世の中を見渡す限り、削減するどころか、もっとIWJが積極的に取材し、お伝えしなければ、と思うことが多く、配信本数を減らしても、すぐに元へ戻ってしまっています。痛しかゆしです。配信本数を減らし、人件費を削減するのは、月に100万円ほどカットしましたが、これが現状では限界かと思います。

 会員の中にサポート会員の方々が約1000人いらっしゃいます。サポート会員の1000人の年間費総額は3000万円、一般会員4000人の会費総額は4000万円。合計で会費としてIWJに入るのは約7000万円になります。年間の支出総額にあと5000万円足りません。

 改めて、会員登録をされていない方々、この機会にぜひ、会員登録していただけますよう、前向きにご検討願いたいと存じます。

 ここでひとつお願いがあります。すでに会員の方には、あとおひとり、IWJの会員になって下さるよう、身のまわりの方々にお声かけいただけないでしょうか。あるいは、チラシの配布など、周囲の方々にIWJの存在を広めていただけないでしょうか。

 既存の会員の方がお一人ずつ、会員にお誘いいただければ、理屈の上では会員数が1万人を超え、財政上の問題は解決されることになります。

 もちろん、実際には会員数の倍増などという夢のようなことが、そうそう簡単に現実になるとは思えません。周囲にIWJを広めていただくことは是非ともお願いするとして、この機会に、一般会員の方にはサポート会員への変更をご検討いただけないでしょうか。サポート会員になっていただけると、アーカイブを制限なく御覧になれるなど、特典が山盛りです。ぜひ、前向きなご検討をお願いできたらと存じます。変更手続きはこちらからぜひ→ IWJ / 会員種別変更申請

 年末には、恒例の、IWJの総力をあげたイベント「饗宴」を予定しています。 ぜひ、ご来場下さい。「饗宴」の情報はこちらからご覧になれます。サポート会員の方々には、日頃の感謝をこめて、ご優待となっております。

 また、協賛のお願いもさせていただいております。ご協力のほど、どうぞよろしくお願いします。

 また、この度、IWJでは、定額会員の皆さまからの「会費(年払い・月払い)」お手続きについて、「ゆうちょ銀行 自動払込み」を導入いたしました。

 また、最後にもうひとつお願いです。会員数については劇的な増加が望めそうもない一方、窮状を知って寄付・カンパを寄せて下さったことに本当に勇気づけられています。IWJを必要としてくださっている方がこれだけいるのだ、ということに胸が熱くなる思いです。

 IWJは寄付・カンパがゼロでは成り立ちません。これからもぜひ、ご寄付によるご支援をどうかお願いしたいと存じます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 特定秘密保護法案が今国会で上程され、米国への軍事属国化が進み、メディア統制はますます強まるでしょう。現状でも、既存メディアが国策のための世論誘導機関と化している状況を考えると、今後、どれほどひどくなるか、想像もつきません。

 大企業の広告に依存しない、独立メディアが奮起しなければ、日本の民主主義は死んでしまうだろうと、大げさではなく思っております。微力ながら、皆さまの励ましを力に変えて、精一杯逆風に帆を高く上げたいと思います。

 IWJは、市民の皆さまのご支援あってこそのメディアです。どうぞこれからも、継続して、IWJへのご支援をよろしくお願いいたします。

 寒くなって参りましたが、どうぞ風邪などひかずお元気にお過ごしください。

岩上安身拝


岩上安身よりみなさまへ (2013年10月21日 掲載)

 IWJ代表の岩上安身です。

 2010年12月にIWJを設立してから、2年10ヶ月が経ちました。

 いつもIWJをご支援いただき、本当にありがとうございます。改めて心より感謝申し上げます。

 この秋、IWJは、大きな存続の危機に直面しています。

 2013年1月初頭に会員数が5000人に達しましたが、それ以後、毎月、5000人を割り込んでは元へ戻す繰り返しが続き、8月15日に4563人に割り込んでから以後、5000人台を回復していません。残念ながら、年内の目標として掲げた会員数1万人という目標は、達成が厳しい見通しになりました。

 会員数が足踏み状態を続けながらも、配信規模を維持するため、第三期は岩上安身個人の資金をIWJに貸し付ける形で継続してきましたが、それも限界です。8月までで、IWJの手元の余裕資金はほとんど底を尽いてしまいました。私自身も、1000万円以上の資金をIWJに注ぎ込み、もはや私個人の預貯金も底を尽きました。

 9月からは文字通り、手から口です。会費・カンパなどの収入がそのまま当月の固定費の支払いにあてられ、余裕の資金はまったくない状態です。一刻の猶予もない状態です。

 残念ながら、寄付・カンパの件数や金額も、最近は落ち込んできています。IWJは会費だけではまだ運営できません。寄付・カンパを必要としています。

 IWJでは、各会計年度ごとに、寄付・カンパの収支を発表してきています。第二期まで終了していますので、これまで2回、会員・サポーターの方々にメールにてお知らせしてきましたが、お見落としの方もいらっしゃるようですので、これまでの経緯も含めて、ご説明いたします。会計報告をお読みになっている方々には、一部、繰り返しになりますが、御容赦下さい。

 第一期の収支報告は、こちらです(2012年4月21日発表)。

 第二期の収支報告は、こちらです(2013年6月25日発表)。

 2011年度から2012年度にかけて、皆さまのご支援のおかげで、IWJの配信規模は約2.3倍に急拡大しました。また、それとほぼ比例する形で、2012年度のIWJの収入は2011年度と比較して1.8倍に成長して参りました。動画の配信だけでなく、速報、サマリー、ブログ、メルマガなどテキストの配信も精力的に行い、数人だった常勤のコアスタッフも、20人を超えるまでになりました。在宅でペイワークに携わる外注スタッフは100人近くなります。さらに、2013年度にはこの配信規模を維持しながら、メルマガ「岩上安身のIWJ特報!」とは別に、新たに一週間の総括をテキストで読むことのできるメールマガジン「IWJウィークリー」の発行をスタートいたしました。

 インターネット報道メディアとしての基礎的なインフラは、皆様のご支援のおかげでこの2年で最低限整えることができたと思っています。

 まず機材です。カメラ、三脚、ミキサー、モニター、PC、WiFiなど、中継・配信・録画・編集の機材について、おかげ様でひと通り揃えることができました。

 また、今年5月には事務所の移転を行い、それまでは複数の事務所に分かれて作業をしていた各班のスタッフが、新オフィスへの統合により全員が同じフロアで仕事を行えるようになりました。スタッフ間の意思の疎通、日々の仕事の効率化、そして機動力のアップを実感しております。

 新オフィスは、岩上安身が個人として自宅を担保にして銀行から借り入れ、貯金をすべて頭金に投じて購入した中古のマンションを、スタッフ全員で使えるように改装したものです。

 外部のスタジオを借りなくても事務所内で撮影ができるように、スタジオ機能を整えました。また、IWJではスタッフの誰かが毎晩必ず終電過ぎまで作業を続け、そのまま徹夜で朝まで仕事を続けたり、泊まり込みで頑張っています。深夜になり、帰宅困難なスタッフがいても、シャワーを浴びたり、仮眠ができるようになりました。

 人材も着実に育ってきています。IWJは、ジャーナリスト岩上安身個人のメディア「Web Iwakami」が原型ですが、私の体はひとつしかありませんし、個人のやれることには自ずと限界があります。

 岩上安身個人の事務所から脱却し、常に同時に複数の現場を中継・取材し、複数のテーマを追い続け、多元的な情報の発信が行える、チームとしての報道メディアを新たに作り上げる必要がある、そうでなくてはこの閉塞した日本の状況に風穴をあけることは難しい、そう考えて起ち上げたのが、IWJでした。

 IWJのスタッフは、メディアでの勤務経験のない若手がほとんどです。経験はないが、各自素質とモチベーションは高く、日々腕を磨いて成長を遂げつつあります。

 メディアとして絶対に必要な3つの要素、機材、スペースの確保、そして何よりも大切な人材の獲得と育成も、順調すぎるほど順調に進んできたと自負しています。

 すべてはこれからだ、というところで、前述の通り、会員数の伸び悩み、資金難に直面しているわけです。

 会員数の伸び悩みは、IWJが直面している「成長の壁」です。これは次なるステップのための試練の踊り場かもしれませんし、または、我々の限界、あるいは日本におけるインターネット報道メディアの限界なのかもしれません。まだその答えは出ていません。

 あるいは、民意を無視しての原発再稼働、TPPの交渉参加強行、そして昨年末の衆議院選挙、そしてこの度の参議院選挙の結果に、つくづく落胆し、政治への関心をなくてしまったり、現実から一時的であれ目を背けたくなった方々が急増したためかもしれません。そうであれば事態はより深刻です。

 我々も、無力感にとらわれたり、挫けそうな気持ちに陥ることもありますが、そのたびに気を取り直し、自らを奮い立たせています。日本の自立と民主化は、まだまだこれからです。民主主義の基礎となるのは正確な情報です。そのために、権力と資本におもねらない、市民に直接支えられるメディアが、小なりといえど必要です。これからが本番なのです。

 収支の悪化を食い止めるには、2つしか方法がありません。ひとつは支出の削減。もうひとつは収入のアップです。

 支出は、事務経費など、日常において節約できる経費は削っています。前述の通り、機材などもひと通り揃えることができたので、人員の規模を拡大しない限り、新たな機材の購入で大きく支出が必要となることは当分ありません。支出の大半は、実は人件費です。収入の80%強が人件費に充てられています。

 情報を収集し、企画を立て、中継を行い、取材をし、記事を書き、動画を編集してUPし、WEBを管理していくという取材編集活動は、すべて人件費のかかる作業です。削るとしたら人件費を削るしかありません。

 2010年12月にIWJを設立してから、私は代表取締役ながら、2011年4月までの5ヶ月間は無報酬で務めてきました。その後、いくらか収入が増えたので、2011年5月から第二期までは30万円を役員報酬としていただいてきました(私以外にIWJに役員はいません)。第三期はこの役員報酬についても支払いはできていません。

 まず、隗より始めよ、この役員報酬を50%カットします。税理士の御指導を受けたところ、期の途中で報酬の金額は変更できないそうなので、50%相当を私個人がIWJへ寄付する形にします。まずは私自身が身を削ります。

 他方、他のスタッフの人件費を一律にカットするわけにはいきません。スタッフへのペイも見直しますが、スタッフは皆、決して高額とはいえない報酬で頑張っておりますので、大幅にダウンするとなると生活ができず、転職するほかないという人も出てきます。

 メディアの財産は人材に尽きます。せっかく仕事を覚えてもらい、時間と手間をかけて育成し、経験も積んできた人材を失うのは取り返しのつかない痛手となります。個々のスタッフの生活は守らなくては、IWJ自体が立ちゆかなくなります。

 そうなると残る方法は取材件数、配信本数を制限し、その分、人件費をカットしていく方法です。これは「このままだと配信本数の規模を縮小せざるを得ません」と、度々ツイッターその他で申し上げてきた通りの方法です。

 IWJしか報じていない報道、テーマもずいぶんあり、配信規模の縮小は忸怩たる思いですが、蓄えが底を尽き、手から口という状態になった今、一刻の猶予もありません。収支が改善されるまでは、2割〜3割の配信規模の縮小はやむを得ないと思っています。

 ここで皆様にもう一度お願いです。

 私自身をはじめ、スタッフ一同、もう一度初心に帰り、気を引き締めて努力し続けていきたいと思っております。

 市民に直接支えられるメディアであるIWJには、会員・サポーターの皆様のご支援が欠かせません。どうか、IWJへ寄付・カンパによるご支援もお願いします。仮に収入が増えれば、その分は活動費・人件費に回し、配信規模の回復、そしてさらなる拡大とコンテンツの充実に振り向けたいと思います。どうぞご支援をよろしくお願いします。

 寄付・カンパの口座はこちらです。

 まだ会員登録がお済みでない方は、ぜひこの機会にIWJの定額会員にご登録ください。また、一般会員の方は、サポート会員への変更をご検討いただければ幸いです。

 この度、IWJでは定額会員の皆さまからの「会費(年払い・月払い)」お手続きについて、ご要望を多くいただいている「ゆうちょ銀行 自動払込み」を導入いたします。

岩上安身 拝

IWJの取材活動は、皆さまのご支援により直接支えられています。ぜひ会員にご登録ください。

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