【IWJウィークリー29号】稀代の悪法「特別秘密保護法」を危ぶむこれだけの声(ePub版・PDF版を発行しました!) 2013.12.5

記事公開日:2013.12.5 テキスト独自
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 いよいよ本日、秘密保護法が16時10分、参議院特別委員会で強行採決され、与党の賛成多数で可決されました。政府・与党は6日13時から始まる参議院本会議で採決し、成立させる構えです。私たち国民にできることは何があるのか。その危険性を理解し、そしてギリギリまでまわりに周知する必要があるのではないでしょうか。

 今回は号外的に本メルマガを発行し、IWJがこれまで取材で得た、この法案を危ぶむ「声」を掲載しました。「ニュースのトリセツ」をぜひ、ご覧下さい。

 また、秘密保護法だけでなく、国会閉会の翌日12月7日には、シンガポールでTPP閣僚会合があります。ここで早くも年内妥結の大枠合意がなされるのではないか、などという懸念も飛び交っています。秘密保護法と日本版NSCを手土産に、TPPへ参加する日本、というなんとも分かりやすい構図です。このTPPの危険性を訴えるシンポジウムやインタビューも、先週は数多く行われました。

 猪瀬直樹都知事だけでなく、安倍内閣の6閣僚や石破茂幹事長にもパーティー券購入というかたちでマネーが流れていた「徳洲会問題」も見逃せません。どちらも、「ニュースSTF」に掲載しました。ぜひご覧下さい。

29号簡易もくじ

  1. 岩上安身の「ニュースのトリセツ」(号外!秘密保護法)
  2. STFダイジェスト
  3. 詳細もくじ
  4. ニュースSTF
  5. 編集後記

1. 29号STFダイジェスト 11月23日(土)~29日(金)

★忙しい方も、ここだけ読めば一週間のIWJの動きがわかる!★

特定秘密保護法成立目前、ことごとく民の声を跳ね除ける安倍政権の猛進

 国民から何を言われようと、どんなに反対の声が高まろうとも、安倍政権は法案を成立させるつもりなのでしょうか。特定秘密保護法案は、12月5日にも、特別委員会での強行採決を経て、参議院本会議で法案成立となる見通しです。

 学者、法律家、メディア、文化人など、各界から続々と反対の声があがり、日に日に市民による抗議のアピールが強まっているにもかかわらず、その声に全く耳を貸すことなく、安倍政権は法案成立に行き急いでいます。

 12月4日には、埼玉での地方公聴会を与党側が強行し、共産党を除く野党はこれに欠席。公聴会での意見陳述者も、自民、公明、共産各党が推薦した3人のみにとどまり、1時間強で会は終了となりました。

 公聴会の場外では、市民らによる激しい抗議が続き、国会前や地方でも、「秘密保護法反対」、「安倍内閣退陣」を要求するデモがありました。民主党・日本維新の会・みんなの党・共産党・生活の党・社民党・新党改革の野党7党の党首らは、同日夕方に都内で合同の街頭演説を行い、与党の強行採決に反対し、慎重な審議を求める姿勢を示しました。

 先月11月25日に福島で開かれた地方公聴会でも、7人の意見陳述者全員が秘密保護法への反対を表明。甚大な放射能汚染の被害を被った福島県浪江町の馬場有町長は「我々は、民主主義の根幹、憲法の幸福追求権、生存権、財産権、すべて侵害されている」と、法案への重大な懸念を示しました。

 さらに、12月4日は、秘密保護法とセットであるとされている「国家安全保障会議」(日本版NSC)も発足。安倍総理大臣と麻生副総理、岸田外務大臣、小野寺防衛大臣、菅官房長官が出席して、会議の中核となる4大臣が初会合をもちました。

 これらを含む日本の軍事国家化に向けた動きについて、11月28日、ノンフィクション作家の保阪正康氏は、「政治が失敗するのを軍事で解決しようとする気持ちがあるのでは」との政府の思惑を示唆。そのうえで、秘密保護法は「政治の失敗に対して保険をかけているのでは」と推察しています。保阪氏はさらに、安倍内閣の資料の取り扱いについて、「軍事の“とんでも内閣”だった東條内閣でさえ、ここまでしなかった」と痛烈に批判しました。

秘密保護法を手土産に、さらなる譲歩で臨むTPP閣僚会合

 バイデン米大統領が訪日し、TPPの年内妥結を確認するなど、なんとしてでも年内に大枠合意に持っていこうという動きが、日米を中心に活発化しています。日本の国会会期末である12月6日のちょうど翌日、7日にはシンガポールでTPP閣僚会合が行われます。

 11月28日にインタビューした山田正彦元農相は、ここで「関税」や「知財」などの難航分野は「棚上げ」にしたまま、曖昧で抽象的な文書での「大枠合意」の危険性があると警鐘を鳴らしました。TPPはとうの米国内で、テキストが議員に公開されるようになった影響で、大統領に貿易交渉権限(TPA)を与えるべきでないとする声が議会で高まっています。このTPAがないと、米国はTPPを締結できません。

 そのため、米国政府は議会を納得させるために、日本に「自動車」「保険」分野で強行に譲歩を迫り、「関税」分野でも「聖域など認めない」という姿勢を打ち出しています。

 11月24日にTPPと医薬品の安全に関するシンポジウムで登壇した、水口真寿美弁護士は、2010年3月に始まったTPP交渉の経緯を説明し、後発の日本が交渉で独自性を発揮できるわけがないと主張しました。その証拠として、重要5品目の関税撤廃や、自動車の輸入数値目標、ISD条項など、当初自民党が受け入れないと公約していた条件が次々と合意されそうな動きであると指摘しました。

 さらに、TPP問題の本質は「非関税障壁」にあるとし、国の規制や法制度に干渉し、憲法秩序を脅かすものであると説明。TPPは自由貿易協定であると言われているが、実際は、米国の企業や投資家の利益を守るための条約というのが本質だ、と喝破しました。

2. 詳細もくじ

岩上安身のニュースのトリセツ
・【本会議採決目前!緊急掲載】稀代の悪法「特別秘密保護法」を危ぶむこれだけの声

ニュース STF ~Saturday to Friday~ 11月23日(土)~29日(金)

<23日 土曜日>
・放射性廃棄物の最終処分問題「小泉さんが正しい」~菅直人が語る福島原発事故の真実

<24日 日曜日>
・「秘密保護法を一番欲しがっているのは警察官僚」ジャーナリスト・専門家らがシンポジウムで危険性を指摘
・特定秘密保護法反対、言論・表現者への呼びかけに397名の賛同「世界の常識から見て恥ずかしい」
・住民自治を掲げてきた東海村・国立市の長が語る「首長としての責任」、脱原発達成のためには「護憲」「秘密保護法廃案」が必要
・TPP知財草案で浮かび上がる米国の「保護主義」~シンポジウム「医薬品の安全性確保とTPP」
・「筋が悪すぎるワクチン」~シンポジウム「子宮頸がん予防」ワクチンの必要性・安全性・有効性

<25日 月曜日>
・特定秘密保護法案、福島で公聴会 意見陳述者7人全員が反対
・みんな・渡辺代表が会見 特定秘密保護法「与党の対応を評価」
・2020年東京五輪 新国立競技場の建設計画見直しを求め、建築家が公開座談会 コンペの不透明性を指摘する声も

<26日 火曜日>
・「一般傍聴券30枚しか配布されず傍聴席はガラガラ。恣意的な目隠し採決だ」~特定秘密保護法 首相官邸前抗議
・「ツワネ原則無視で、安倍総理は世界の笑いものに」海渡雄一弁護士が痛烈批判 ~秘密保護法廃案へ!実行委 緊急会見
・労働組合4団体、首相官邸前で秘密保護法に抗議。新聞労連「政府の広報誌になることを拒否します」
・「グローバリゼーションよりローカリゼーションを」 TPPの危険性について郭洋春氏と安田美絵氏が講演
・秘密保護法案 衆院可決の日、反原発840万人分の署名提出~さようなら原発1000万人署名提出行動
・猪瀬知事が緊急会見で借用書を公開 「迷惑かけた」が辞任は否定

<27日 水曜日>
・秘密保護法衆院通過から一夜明け、市民ら改めて反対を誓い決起

<28日 木曜日>
・「TPPで沿岸の漁業権が外資に奪われる」~山田正彦元農水相が岩上安身のインタビューで明かす衝撃のリーク文書
・「東條内閣もここまでやらなかった」特定秘密保護法案を強行採決した安倍政権を作家・保阪正康氏が痛烈批判
・「こんなにひどいとは」 新国立競技場建設、不透明さに批判集中 自民・無駄撲滅PT
・ヘイトスピーチは「表現の自由」か。レイシストによって「表現の自由」が奪われたマイノリティ ~差別撤廃国会集会

<29日 金曜日>
・徳洲会からの5000万円受領問題 猪瀬直樹都知事、歯切れの悪い回答に終始 辞任はまたしても否定

編集長編集後記
(編集長:岩上安身)

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