2013年12月2日17時30分から東京電力本店で定例記者会見が開かれた。ALPS C系の塩酸供給ポンプで塩酸のにじみが発生し待機運転に移行。逆浸透膜式淡水化装置RO No.2で滴下を発見、増し締めで滴下は停止し3時間後に運転再開した。
2013年12月2日17時30分から東京電力本店で定例記者会見が開かれた。ALPS C系の塩酸供給ポンプで塩酸のにじみが発生し待機運転に移行。逆浸透膜式淡水化装置RO No.2で滴下を発見、増し締めで滴下は停止し3時間後に運転再開した。
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ALSP(多核種除去設備)のC系で塩酸供給ポンプからにじみが発生したことが発表された。にじみ部をシール材で覆い、漏洩テストを行い当面使用する予定。今後タイミングをみてポンプを分解し、パッキンの状態を確認するということだ。
ALPS吸着塔の前段はアルカリ性溶液であり、後段はタンクの腐食防止のため、塩酸で中和し中性溶液にしている。中和のための塩酸を供給するポンプとしてダイヤフラムポンプというポンプが使われている。このポンプは構造上若干にじみがあるもので、東電はにじみのリスクを想定し、ビニール養生しバケツに回収するようにしていた。本日の朝、協力企業のパトロールでにじみの量が通常より多いということに気付き、連絡、対処した。通常のにじみ量は定量的には評価しておらず、感覚的に判断したということだ。
ALPS C系は循環待機運転というアイドリング運転を行うモードに移行している。その結果、A系は腐食対策の確認のために停止しており、B系は12月下旬に腐食対策確認のため停止する予定で、当初の予定通りの処理量が出せない状態になっている。
逆浸透膜式淡水化装置RO No.2の、廃液受槽の入口側弁で滴下を発見、弁動作部の増し締めを行い、滴下が停止した。このため2時間半程度停止したことが発表された。
滴下の原因は可動部のパッキン劣化であり、やむをえないという考え。今後定期点検や、増し締め確認などを行うということだ。
地下汚染水の海への流出を抑制するため、海に接する護岸エリアの地下水位を観測しつつ、地盤改良工事を行っている。
原子炉2-3号機の間の護岸エリアで、No.2-6と呼ぶ地下水観測孔の水位データが、11月29日ごろから急激に低下した。東電は水位計の故障と考え、水位計を交換する予定であることを発表した。
2、3号機間ウェルポイントから11月27日に採水したサンプルから55000Bq/L、地下水観測孔No.1-16から11月28日に採取したサンプルから110万Bq/Lの全βを検出した。
非常に高い値であるが、原因は、地下水に流れやトレンチの状況など、細かく分析しないと分からず、現在は原因不明ということだ。
「(東電は)事故原因の解明につながるような情報というのは積極的にできるだけ出していく姿勢なのか」とフリーの記者が質問すると、今泉典之 原子力・立地本部長代理は「基本的に事故解明に資する、東電が持っているデータは開示していく方針」と回答した。
その上で、「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ」福島原発訴訟において、津波の試算に関するデータの開示を東電に要求した”送付嘱託申立”に関し、11月28日付けで裁判所から東電へデータ開示の指示が出ているのに対し、東電がそれを拒否した理由を問いただした。
会見の司会である上島慶信 広報部マネージャーは「係争中の訴状に関することなので、当社からのコメントは控えさせていただきます」と、訴訟がらみの件についてのお決まりの回答に終始するも、「裁判の中で要請があれば協力をする」と述べた。
ところが東電は、裁判所からデータを開示するよう要請があったにも関わらず、これを拒否していることから、その矛盾点についてフリーの記者が続けて何度も質問したが、「係争中なのでコメントは控える」との答えを繰り返すだけであった。
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2013年12月2日
2013年12月1日
2013年11月30日
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2013年12月2日
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2013年12月2日