2013年10月4日(金)17時30分ごろから東電定例記者会見が行われた。ALPS-C系が工程異常警報が発令し、システムが停止した。汚染水の漏洩は発生していない。
2013年10月4日(金)17時30分ごろから東電定例記者会見が行われた。ALPS-C系が工程異常警報が発令し、システムが停止した。汚染水の漏洩は発生していない。
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9月27日0時4分にホット試験を介した多核種除去装置(ALPS)のC系統が、一週間後の10月4日6時43分の「工程異常」警報を発生し、システムが停止した。処理する水を移送する条件の判定に矛盾が生じたことが原因で、漏洩等は発生しておらず、本日18時31分に運転を再開した。
東電の発表によると、ALPSの吸着塔7Cの、流出入差圧が高いため、逆洗を行ったところ、逆洗排水を溜めるタンクが満杯に近くなった。そのような場合、バッチ処理タンクに順次移送している。今回、移送しようとした先のバッチ処理タンクにて、別途バッチ処理を行っており、受入できない状態だったため、送り元と先の状態で矛盾が生じ工程異常警報が発令され、システム停止したということだ。
設計された条件通りに異常を感知し、警報発令、安全側であるシステムを停止状態に遷移している。異常検知の観点からでは仕様通りに動作したと言える。
工程異常と判断した条件が正しいのか否か、すなわち設計ミスではないかと記者が質問すると、東電は「試験運用であり、このような状態を見つけ、修正するものだ」と回答。あくまでも試験運用だから、という回答だった。詳細設計、製造は外注したもので、現在の試験運用が受入検査にあたるという考え。また試験期間は当初120日と見込んでいた。今回のトラブルとその改善に伴う試験期間の延長は考えておらず、当初の予定120日で完了する計画。
汚染水処理計画の中でALPSが鍵となっており、これが動作しなければ、汚染水問題は解決しない。トラブルが続き未だ稼働できないALPSの実効性を疑問視する質問を記者が投げると、そうならないように試験運転し、しっかり動作させるよう努力する、と答えるにとどまった。ALPSに変わる策もまだ考えていない。
昨日10月3日にB南エリアタンクの天板付近から漏洩したことに関して、フランジ型500トンタンク五つで構成される、当該タンクを含むタンク群は傾斜地に設置されている。タンク群の両端で高低差約50cmあるが、タンク堰は高さ20cmしかない。高い方のタンク堰は役に立たないことになる。東電は、汚染水WGで当該エリアのタンク堰内容量は120トンと発表している。この容量は、堰の高さと面積を単純に計算した値であり、傾斜した堰の実測値でないことが解かった。
タンクからの漏洩水、雨水滞留水の対策として堰やタンク回収、ノッチタンクへの移送計画が発表されている。しかし、計画の根本となる、堰内容量の数字が間違っている可能性がでてきた。
タンクエリアの地面が傾斜しているという三次元的な考察の無い、平面的に見た楽観的な計算結果を元にした計画だ。今後も同様の漏洩が発生する危険性は大きいと考えるのが素直だろう。
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2013年10月4日
2013年10月3日
2013年10月04日
2013年10月3日
2013年10月4日
2013年10月3日
2013年10月2日
2013年10月4日
2013年10月3日
2013年10月2日