2013年9月9日17時30分から東京電力本店で定例記者会見が行われた。IOC総会で安倍晋三首相が「汚染水の影響は港湾内で完全にブロックされている」と述べたが、東電は海洋サンプリングの結果から「告示濃度と比較、港湾外への影響は少ないと評価している」と見解を示した。
2013年9月9日17時30分から東京電力本店で定例記者会見が行われた。IOC総会で安倍晋三首相が「汚染水の影響は港湾内で完全にブロックされている」と述べたが、東電は海洋サンプリングの結果から「告示濃度と比較、港湾外への影響は少ないと評価している」と見解を示した。
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明後日9月11日(水曜日)17時30分から、福島県・Jヴィレッジ内「アルパインローズ」において、「汚染水・タンク対策本部」会見ならびに原子力定例会見をあわせて開催することが広報された。
このことに関する記者質疑から、今後月に2回のペースで、Jヴィレッジにて、役員クラスが出席し、汚染水・タンク対策本部の会見が開催されることがわかった。今後の会見で、相澤副社長、1F小野所長の出席はスケジュールの関係から確約ではないという。
2020年夏季オリンピックが東京で開催されることが決まったが、汚染水漏洩の影響が懸念される。記者が質問すると、東電は「汚染水の問題については大変迷惑をかけている。早く汚染水の問題について対策、目処をたてやれるよう国の指導を受けながら、今後も対応していきたいと考えている」と回答した。開催前に徹底的に汚染水の問題を解決できる見通しについては、「国の指導を受けながら、やるべき対策を1日でもはやく、実現できるよう努力している。心配をかけなくてよくなるよう、鋭意努力中だ」と回答した。
五輪のスポンサーになる考えはあるか、と質問したが、そういう考えはないという。
見通しや考えを質問したが、「国の指導を受けている」「努力している」という的を外した回答が続く。
五輪招致のためのIOC総会で安倍総理がスピーチした内容について質問が続いた。
「汚染水による影響は、港湾内の0.3平方キロメートルの範囲内で完全にブロックされている」について、東電の見解を質問したところ、政府に発言内容を確認問合せしたという。事前に東電が政府に説明したことではなく、スピーチの後で問い合わせたという。
政府からの回答は「放射性物質濃度、モニタリングした結果、影響は港湾内にとどまっており、広範囲でセシウムはは検出限度以下かつ顕著な上昇はない、ということを元にに発言した」という。さらに、東電のサンプリング測定でも港湾の外での濃度は告示濃度を下回っているということから、同意見だという。
「福島第一の状況は完全にコントロールされている」に関しても、東電が政府に問い合わせた結果、「現状、海洋モニタリング結果全体を踏まえての発言。それ以上は承知していない」としながらも、東電は安定している状況は維持できていると考えている、と回答した。
シルトフェンスで海水の行き来を抑止しているが、完全に止められるものではない。東電のサンプリング結果では、シルトフェンスの内外でセシウム濃度は約5倍程度の差しかない。さらに、先日の地下水流出量のシミュレーション説明時に、港湾内外の海水は1日に約50%が交換されると仮定しており、完全なブロックとは考えられない。
この点に関して東電は、「告示濃度との比較」でサンプリングデータの数値が低ければ影響はないと考えているという。
さらに質問するも、「国の指導を受けながら」「鋭意努力して対策を行なっている」と回答を繰り返すばかりだ。
シルトフェンスの外、さらには外洋への”影響は少ない”というが、影響が無い=完全ブロック できているとの発言は執拗に避けていた。実際、タンクから汚染水漏洩、地下水海洋流出はコントロールできていない。海洋モニタリングも海底部分が少ないことは会見で何度も指摘されている。そもそもシルトフェンスに海水を完全ブロックするような機能はないだろう。
政府が前面に立ち責任持って事故対策を行うのは良いが、東電が何かにつけ”国の指導”と隠れるようになった。結果がどうであれ”国の指導”の結果だと言逃れできるのが気掛かりだ。
以下、東京電力ホームページより、リンクを表示
2013年9月9日(第1回)
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