2013年9月4日17時30分から東京電力本店で定例記者会見が行われた。2011年に検討し破棄した凍土式遮水壁を政府主導で進めることになり、不完全な技術を税金投入し民間企業が試験することを追求。新体制タンクパトロールの様子、建屋地下水流入現場の動画を公開した。
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2013年9月4日17時30分から東京電力本店で定例記者会見が行われた。2011年に検討し破棄した凍土式遮水壁を政府主導で進めることになり、不完全な技術を税金投入し民間企業が試験することを追求。新体制タンクパトロールの様子、建屋地下水流入現場の動画を公開した。
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記事目次
発災当初に検討され破棄された、陸側遮水壁、凍土式遮水壁が、政府主導により建設されることになった。公金投入であることから入札、応札が行われたが、その状況は資源エネ庁のWebに掲載されていることが分かった。また、受注額、落札社等は把握しておらず、伝聞で鹿島建設という回答だった。
当初は実験プラント(フィジビリティテスト)を行うことになるが、東電の係わりかた、現在に状況について質問すると、「小規模な実験プラントで性能検証を行い、汚染水対策委員会の下部組織のタスクフォースでコントロールする。入札応札情報はエネ庁のWebに掲載、受注企業は伝聞だが鹿島建設と聞いている」と回答した。
開始1時間23分ごろから、フリー記者が凍土方式遮水壁や、未だ本稼働できないALPSといった未完成な技術を、事故対策という名目で税金を投入し、試験している疑いがあると記者が追及した。
汚染水対策として凍土方式遮水壁について、工期の前倒しの見通しについて質問すると、「政府主導で委員会とタスクフォースで検討しているので、東電から工期等について議論することではない」と回答した。2011年当時に議論し破棄された凍土方式の計画が再浮上したのはなぜかと質問した。東電は「今の凍土方式は委員会で議論し決定されたもの。2011年当時の意思決定がどういう流れだったのかは整理して回答する」と述べた。
ALPSが4カ月で故障したことが汚染水問題を深刻にしている。メーカーの責任は問えるのかと質問すると、「本邦初の設備でホット試験でダメだしをしていく段階。ホット試験で様々なトラブルがでてくるのはあたりまえ。ALPSは4カ月でダメになったとは考えていない」と回答した。
タンクエリアのパトロール状況を撮影した動画が公開された。漏洩が発覚後、改善された新体制による、パトロールの様子が移されている。
建屋地下の地下水流入状況を調査しており、調査状況の動画が公開された。今回は1号機タービン建屋と、雑固体廃棄物建屋(高温焼却炉建屋)の二カ所である。
ほぼダダ漏れ状態で地下水が流入している状況が見えている。
H4エリアタンクからの漏洩に関して、排水溝の各部でサンプリング測定している。測定結果、多少の上下はあるものの、測定回数が少なくはっきりとしたことはまだ言えないと説明した。地下水バイパスの揚水井のサンプリングも再開し、No.12でトリチウム900Bq/Lを始め、全体的に高い値が出ている。しかし、No.12の前回の測定が2013年2月の450Bq/Lであり、これもサンプリング回数が少なく、なっきりとした結論は言えないと回答した。
タンクのパトロールで、高いβ線量が測定されている。作業者の線量管理は胸のAPDで行っている。指のリングバッジはつけているようだが、東電は計測値は公開しない考え。
この方法について東電は、「目の線量は胸のAPDで代用できる。現場では全面マスクしており、今回はスポット的な高線量箇所であり、胸と顔面の距離的な相違はないと考え胸で代用している」と説明した。
溶接型タンクへのリプレイス計画に関連して、工期について記者が質問すると、東電は、溶接型タンクの製造工期は約2カ月、フランジ型は約2週間。溶接型は今年の春から製造を始めたと回答した。
タンクの増設計画、状況については以前から何度も質問がでている。タンクから漏洩流出したことから改めて質問すると、東電は「むずかしい状態の中で対応。状況に応じて割り付けしている」と回答した。基本的には毎週水曜の水処理週報で実績と計画を報告、さらに中長期ロードマップの進捗で報告発表しているということだ。
長期的なトレンド、将来的な”もしも”を含んだ計画でなく、その場で間に合わせの対応になっているのは、記者が従来から指摘し続けており、実際そうなのだが、東電の考え、方針は変わらないようだ。
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2013年9月4日
2013年9月3日
2013年9月4日
2013年9月3日
2013年9月4日
2013年9月3日