2010年12月6日(月)、築地市場移転問題裁判原告団の「予算執行差し止めのための監査請求」提出に関する記者会見が行われた。
(IWJテキストスタッフ・関根)
特集 築地市場移転問題|特集 2014東京都知事選
2010年12月6日(月)、築地市場移転問題裁判原告団の「予算執行差し止めのための監査請求」提出に関する記者会見が行われた。
■ハイライト
冒頭、築地市場移転問題裁判原告団から監査請求の趣旨説明がされた。「10月22日の石原都知事の予算執行宣言で、(残りの23.5ヘクタールの土地の購入に関し)1360億円の市場予算の中から1281億円、53万5000円、坪単価177万円を使い、土地購入に着手しようとしている。しかし、その土地は汚染地域だ。さらに仲卸業者のほとんどが市場移転を反対しているなかでの予算執行は、まったく納得できない。ゆえに今回、予算執行差し止め請求をした。なお、都が予算執行差し止め措置請求を却下した場合、すぐ裁判に移行する」と述べた。
続けて「今回の土地は、東京ガス工場跡地で4万3000倍のベンゼン、シアン化合物が930倍など高濃度に汚染され、その除去費用が586億円と算定されている。ところが、非汚染地の通常価格で購入しようとしている異常事態になっている。しかしながら、都議会では、東京ガスが除去費用の負担をすることになっていると言うが、東京ガスからは、それに対する回答はまだ得られていない。都と東京ガスが平成17年に交わした確認書の中に、その取り決めは書かれていない。ゆえに現段階で、除去費用負担は難しいと考えてもいる。現在での第1回請求提出者は888人だ」などと説明した。
続いて、同原告団会長、仲卸業者代表者数名が意見を述べた。「この問題に5年にわたって取り組んでいる。都の対策が後手後手に回っている。安心安全が確立していない。大丈夫だ、という言葉だけで、責任説明がない」と述べた。また仲卸業者で「NPO法人市場を考える会」理事でもある野末誠氏は「食の安全安心を訴えている。汚染土壌の安全性が確保できていない現状での移転は、仲卸の使命としてはまったく納得できない。なぜなら卸業者と違い、我々仲卸業者は小売業者たち、つまり消費者に直結しているからだ」と主張した。
続けて野末氏は「土地の売買において、地権者が安全な更地にしてから引き渡すのが必須条件だ。しかし買う側(東京都)は、汚染の実態や、地下水がどういう状態か、を調査する以前から、非汚染の土地価格の算定で、購入計画を進めていた。東京ガスは、平成10年7月から土壌汚染調査を行っていた。その年の10月末、場内で豊洲移転の意向調査があった。そのときはまだ土壌汚染の実態は、知らされていなかった。しかし、一団体たりとも豊洲にはぜったい移転する意思はないということで、再建に決まった。ところが、東京都サイドは移転ありきで計画を進めていた」と語った。あと、措置請求の詳細説明がされたあと、質疑応答に移った。