IWJの『百人百話』をご存知でしょうか――。
3.11の大震災・津波、それに続く東京電力福島第一原発の事故を経て、福島にとどまる人々、福島を離れる人々。
現在、麻布十番の「パレット・ギャラリー」にて、IWJ代表のジャーナリスト・岩上安身がそれぞれの思いを丁寧に聞き取ったインタビュー映像を、インスタレーションの形にして展示しています。
IWJの『百人百話』をご存知でしょうか――。
3.11の大震災・津波、それに続く東京電力福島第一原発の事故を経て、福島にとどまる人々、福島を離れる人々。
現在、麻布十番の「パレット・ギャラリー」にて、IWJ代表のジャーナリスト・岩上安身がそれぞれの思いを丁寧に聞き取ったインタビュー映像を、インスタレーションの形にして展示しています。
■全編動画
岩上安身『百人百話 はじめに』より───────────
日本国内に原発が何基あるのか知らなかった人々が、自分たちの無知と無関心をどれだけ悔いたことだろう。
多くの人々が「安心・安全」を強調する原発推進体制寄りの専門家を起用し続けたテレビや新聞に失望し、真実は何かを求めて、ネットに殺到することになった。私たちは、その求めに応じるべく、東電会見だけでなく、被災者による対政府交渉や様々な集会や公演、デモなどの一次情報を、既存メディアのような恣意的な編集・加工を施すことなく、連日、伝え続けてきた。
だが、私たちにはまだ伝え足りなかった言葉があった。拾い上げきれなかった声があった。逗子の夜、涙まじりに家族と故郷の話を物語るその年配の女性の訴えに耳を傾けながら、そう気づかされた。(~中略~)
今度は、福島の人々百人に、自らの人生と、故郷・福島と、3.11の被災体験について語ってもらおう。それもまずは、インターネットの動画で、と。インタビュアーとしての私は後景に下がり、登場する福島の人々の語る声、言葉、自身の物語が、耳を傾けようとする方々の目と耳に、できるだけダイレクトに届くようにしよう。(~中略~)
こうして2011年11月7日に、IWJのチャンネル9で配信をスタートしたのが、『百人百話~故郷にとどまる、故郷を離れる、それぞれの選択』というインタビュー・シリーズである。
今回、IWJのホームタウンである麻布十番のギャラリー「パレットギャラリー」で、IWJにとってはじめての展示会を開催することができました。
ふだんインターネットで動画や記事でお伝えすることの多いIWJにとって、ギャラリーという場所での展示は伝え方がまったくちがうもの。こんなにちがうものなのだと実感しつつ、試行錯誤しながら場所を作りました。
大切にしたいと思ったことのひとつは、IWJのことをまったく知らない方が来て、IWJのことを少しでも知ってもらえる場所にしたいということ。
そして、もうひとつは、ひとつめの目的と反するようではあっても、ご来場くださるみなさまが、『百人百話』に登場されたひとりひとりの方と、「直接会う」にできるだけ近づけられるように、岩上安身も、IWJも、裏方にまわろうということです。
印象的な眼差しの写真があります。その方は、「とてもとても怒っています」ということばを、静かに穏やかにお話しされるのです。その目を見ると、どんな思いでそのことばを話しているのかが受け手に届いてしまう、力のある眼差しです。
本当はもちろん、おひとりおひとりと直接お会いしお話をお聞きするのが一番なんです。でも現地から離れて暮らしている私たちの全員が、百人の方のお声をお聞きできるわけではありません。
『百人百話』は、そんな、離れて暮らす私たちのひとりひとりが福島の現地へ向かい、出会い、お話を聞く代わりとして、岩上安身とIWJが、直接の出会いの場になるべく近い形で、できるだけそのままお届けする。そんな取り組みです。
ぜひ、足をお運びください。
「百人百話」の模様を伝える写真のパネル展示、DVDや書籍、Tシャツの販売、そして壁面をスクリーンにビデオ上映も行なっています。至らないところも多い初めてのインスタレーション展示ですが、みなさまの出会いを精一杯サポートしたいと思っています。
麻布十番の名所パティオという広場に面したギャラリーです。
お越しいただいたら、ぜひ、感想もお寄せください。
みなさまのお越しを心よりお待ちしております。(IWJ・田口結美子)
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3.11 それぞれの選択。福島の声。
『百人百話展』
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期間: 2013年3月6日(水)~3月11日(月)
時間: 期間中毎日 11時~18時
場所: パレットギャラリー麻布十番(東京都港区麻布十番2―9―4)