8月3日金曜日、官邸前、そして国会正門前。毎週、恒例となっている首都圏反原発連合主催の抗議行動。この場において、「原子力規制委員会、人事案、撤回!」「人事案、反対!」というシュプレヒコールが、こだました。(※)
(※)8.3緊急!大飯原発を停止せよ!首相官邸前抗議 Ch1 岩上チャンネル@国会正門前 2012.8.3
(※)8.3緊急!大飯原発を停止せよ!首相官邸前抗議 Ch5 最前列チャンネル@首相官邸前〜環境省 2012.8.3
「大飯再稼働反対」というシングルイシューを徹底してきた反原連の抗議行動において、これは異例のことだった。言い換えれば、それほどまでに「原子力委員会の人事」は、緊急かつ喫緊の課題として、急浮上したのだ。
「原子力規制委員会」は、「保安院や原子力安全委員会などに分散していた、安全規制機能を一元化し、独立性の高い原子力規制機関を作る」、という理念のもと、9月の発足を目指して、6月に設置法が成立し、その委員の人事に注目が集まっていた。
そんな中、7月20日(金)に読売新聞が、政府の「委員長を含む委員5人の人事案」をリーク報道した。驚くべきことに、委員の大半が「原子力ムラの住人」であった。
この規制委員会の人事は国会同意人事である。ロンドンオリンピックの話題が、テレビや新聞報道のトップを飾る中、数日の間に、裏口をすり抜けるようにして、この人事案が国会を通ってしまう可能性がある。そうなると、デモや抗議行動がどれほど大規模に繰り広げられようと、あるいは、選挙によって、推進派から脱原発派に、国会議員がことごとく入れ替わろうと、この人事を覆すことはできなくなる。
『罷免条項』もないため、国会でも委員を罷免させることはできない。また、高い独立性が保証されているため、内閣も、国会も、総理大臣といえども、この委員会に対して影響力を行使することができなくなる。そんな独裁的な権力をふるいうる機関の委員に、原子力ムラの中心的な人物たちが就任するということになれば、誰にも邪魔されることなく、原発の再稼働も、新設も、輸出も可能になる。そんな、大変な事態がおこっているのだ。
(続く)
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