54歳のマイク・タイソンの15年ぶりの復帰戦の相手は、元世界4階級制覇のロイ・ジョーンズ・ジュニア、51歳だった。この試合は、2020年11月29日にロサンゼルスのステープルズ・センターにおいて無観客で行われた。
エキシビションマッチの結果は、16分ドロー(引き分け)。判定決着なしのルールだった。
エキシビションマッチとは、公式記録にカウントしない特別実演試合を意味する。
「荒ぶる神」タイソンは圧倒的だった。
米スポーツメディア『ESPN Ringside』によれば、タイソンとジョーンズがパンチを当てた数はタイソン「67」に対しジョーンズが「37」。その内の強打に関しては、タイソンが「57」発でジョーンズが「28」発で、タイソンが圧倒した。
▲マイク・タイソン(Wikipediaより)
タイソンのパンチは煉瓦塀も砕く!
タイソンをヘビー級チャンピオンに育て上げた伝説のボクシング・トレーナー、カス・ダマトは、タイソンのパンチの破壊力について、本心から、こう述べたという。
「(前略)いいか、あいつのパンチは煉瓦塀を砕けるくらい強烈だ。あいつのパンチは強烈なだけじゃなくて、実に効果的だ。右でも左でも相手をKOできる」
※マイク・タイソン著『真相 マイク・タイソン自伝』p79. ダイヤモンド社[初版2014年]2020年
エキシビションマッチ終了後のインタビューで、タイソンの対戦相手のロイ・ジョーンズ・ジュニアは、インタビュアーのジム・グレイに「短い時間だったが消耗したように見える。ボディーショットが効いたのか」と聞かれてこう答えている。