3月23日(木)、午前の参議院に続いて、14時50分から衆議院予算委員会で籠池泰典氏の証人喚問が行われた。
籠池氏は昭恵夫人側から送られたとするFAXの文面を読み上げ、国有地の定期借地延長について昭恵氏側が財務省に照会を行ったと説明。このFAXは、昭恵夫人付きの政府職員・谷査恵子氏から送られてきたものだという。この「籠池爆弾」をめぐり、委員会室は一時騒然となった。
(IWJ編集部)
特集 極右学校法人の闇
3月23日(木)、午前の参議院に続いて、14時50分から衆議院予算委員会で籠池泰典氏の証人喚問が行われた。
籠池氏は昭恵夫人側から送られたとするFAXの文面を読み上げ、国有地の定期借地延長について昭恵氏側が財務省に照会を行ったと説明。このFAXは、昭恵夫人付きの政府職員・谷査恵子氏から送られてきたものだという。この「籠池爆弾」をめぐり、委員会室は一時騒然となった。
※3月23日の配信時の実況ツィートを並べて掲載します。
午前に引き続き、森友学園・籠池泰典理事長への証人喚問の模様を実況します。午後は衆議院予算委員会で籠池氏への尋問が行われます。冒頭、籠池氏が宣誓し署名。
自民党・葉梨(はなし)康弘議員が質問。
葉梨議員「昭恵夫人に留守電を入れたということだが、昭恵夫人から返信は」
籠池氏「それはなかった。名誉校長になられる前に手紙を書いたことはある」
葉梨議員「FAXで回答は来たと。『ご希望に沿うことはできない』という回答だったと。このFAX以外に受取ったものは?」
籠池氏「文書とあまり違わない内容で回答があった。それは電話だった」
葉梨議員「『安倍晋三記念小学校』の振込用紙を作ったのはいつ?」
籠池氏「趣旨書を作ったのと同じ時期。安倍先生がまだ衆議院議員だった時と記憶している。本当に短い、5ヶ月あまりの期間。自民党による政権交代の前」
葉梨議員「平成26年に『安倍晋三記念小学校』という用紙が届いている方がいる。趣旨書も入っている」
籠池氏「残っていたものを使っていた時期があったのかもわからない」
葉梨議員「この振込用紙はどれくらい撒いたのか?」
籠池氏「それはわかりかねる。記憶に残っていない」
葉梨議員「いくらくらい集めた?」
籠池氏「それもわからない」
葉梨議員「昭恵夫人から100万円の寄付を受取ったということだが、内閣府の夫人づき職員は『離れていない』と言っている」
籠池氏「畳み掛けるような話し方で失礼ではないか。夫人が人払いをされて二人きりになったのは確か」
葉梨議員「失礼だなどというのは、逆に失礼な話。『口止め』ともとれるメールの内容とは」
籠池氏「いま手元にないが、メールを公表して明らかにしたい」
葉梨議員「私もちょっと確認したが、どうも奥さんのほうからたくさん送りつけたよう。建物をたてる時にどれくらい掘ったか」
籠池氏「当初は3メートル。杭打ちの段階で9.8メートルまで掘った。グラウンドのほうは掘っていない。そのまま置いておいた」
葉梨議員「森友学園の土地が不当に安くなったのではないのでは」
籠池氏「昭恵夫人は政治家ではないが、『政治家的』な方だったという認識。生活ゴミが出てきた後に物事が急転直下に動いたので、そういうことなのかと思う」
葉梨議員「野党議員と会った時、森友学園の窮状を訴えたのか」
籠池氏「私が招いたわけではないが『急にはしごを外されて大変だ』とは言った」
葉梨議員「4人の議員から国会での証言に関する示唆は?」
籠池氏「参考人に出るといった。阿吽の呼吸で」
葉梨議員「大阪府からの監査に関する話はあったか?」
籠池氏「そういうことが近づいているかもしれない、という話はした。私のほうから何かお願いをしたことはない」
続いて公明党・富田茂之議員。
富田議員「申請にあたって大阪府の設置基準はちゃんと調べたか。『資産』の項目に『借地の上に校舎がないこと』とある。校舎の底地は自己所有でなければならない。基準にあわないかたちで申請したわけだが」
籠池氏「あれそうだったのかな、という心境」
富田議員「私学審議会は厳しい状況で条件付き認可適当にした。この点で政治家への働きかけは?」
籠池氏「審議の状況は3月になり知ったので働きかけはない」
富田議員「国土交通省からの補助金について。実施設計書に23億8000万円の金額が記載されているが、この経緯を」
籠池氏「刑事訴追の可能性があるので答弁を控えたい」
富田議員「鴻池事務所とはどんなやり取りをしたのか」
籠池氏「ゴミが出てきたので財務省に行って掛け合いたい、ということ。近畿財務局の担当者に談判した。それで自分でアポを取って本省に行った」
富田議員「籠池氏の申し出に理財局からの回答は」
籠池氏「回答はなし。その後は代理人に任せて近畿財務局に交渉してもらった。その内容はよくわからないが、結果として1億いくらの金額で購入することに」
富田議員「その際の政治家の関与は」
籠池氏「それはよくわからない」
富田議員「あなたは参議院で、安倍総理が『しつこい』と言ったことをあげた。なぜ3月10日の会見で100万の寄付金を明かさなかったのか」
籠池氏「私は保守で『天皇国日本』という考えで生きてきた。しかしこのままでは憲法改正もできない。私は騙されていた、利用されていたと考えているようになった。記者会見前日に大阪府の職員が視察に来たが、すぐに帰った。何か変だと感じた」
続いて民進党・枝野幸男議員。
枝野議員「FAXがすでにテレビで報じられている。財務省本省に問い合わせたという記述があるというが事実か」
籠池氏「事実。この件は昭恵夫人にも報告させていただく、とも」
枝野議員「FAXは何に対する答え?谷さんに対するお願い?それとも昭恵夫人へのお願い?昭恵夫人が谷さんに仕事を振ったと」
籠池氏「おっしゃる通りです」
※籠池氏が証人喚問で読み上げたFAX
枝野議員「にわかに信じがたいが、これは大変重い証言だ。ゴミが出たという報告は誰から受けたのか」
籠池氏「定例の打ち合わせで工事業者から。私が報告する前に工事業者が財務局に言っていたようだ。最初は定期借地料を安くしようと思ったが、購入しようと考えを変えた」
枝野議員「酒井弁護士に交渉はお任せしていた?」
籠池氏「建築の専門家なのでおまかせしていた。重要な局面だったので優秀な方を注入したということ。値段が下がった具体的な根拠はわかり兼ねているところ」
枝野議員「認可申請を急に取り下げた理由は?」
籠池氏「安倍総理が『しつこい』と言い、学園に対する風向きがひどくなった。沈黙していたらどんどん悪化。大阪府も3月3日頃まで『通しますよ』と言っていたのが変わった」
枝野議員「代理人から取り下げに関してどういうアドバイスをされたのか」
籠池氏「大阪府との調整は代理人がやっていた。しかし取り下げてしまったがために賠償請求ができなくなってしまった。酒井弁護士は『マスコミに出過ぎる』とのことで辞めた」
枝野議員「酒井弁護士は辞めた途端にご本人と違うことを喋っているが、どう思うか」
籠池氏「本来は記者会見にも立ち会うべきだと思う」
枝野議員「酒井弁護士も参考人として呼んでいただきたいと思う。亡くなられた畠府議との関係とは」
籠池氏「畠さんが在野になられてから色々と相談するように。平成23~24年くらいだと思う。ちょっとはっきりしないが。小学校を作りたいという気持ちは伝えていた」
枝野議員「畠府議に何を期待していたのか」
籠池氏「私どもの教育方針はすべて理解してもらっていた。高級役人への言葉がけ、松井一郎府知事への言葉がけを期待した。彼は維新にとって非常に重要な立場だったと認識」
枝野議員「維新の東徹(あずま・とおる)参議院議員にはどう声をかけたのか」
籠池氏「私とは昵懇だった。規制緩和の時に『お願いします』といった。認可の時には特に相談していない」
枝野議員「100万円の寄付について、人払いをしたのは誰か」
籠池氏「昭恵夫人が人払いをした。講演会が終わって帰った後、昭恵夫人から『黙っていて』という連絡があった。事実は小説よりも奇なりであります」
枝野議員「稲田事務所との関係は」
籠池氏「当初は稲田朋美さんとご主人に対応してもらっていた。法律事務所で確かに会っている。ご主人には小学校のことも相談している」
続いて日本共産党・宮本岳志議員。
宮本議員「谷さんからのFAXについて。『財務省国有財産審理室長から回答を得た』と書いてある。田村室長と会ったか」
籠池氏「確かではないが、きっと同じ人だと思う」
宮本議員「購入を申し出たのは、買えるという見通しを持ったということか」
籠池氏「開校が1年ずれたら大変なことになるので、買うことにした」
宮本議員「設置認可について。北川イッセイ議員にはどういう働きかけをしたのか」
籠池氏「当時は国土副大臣だった。ゴミが出た時に買い手がキレイにするのはおかしいのではないかと言った。柳本卓治議員には言葉がけをお願いした」
続いて日本維新の会・下地幹郎議員。
下地議員「松井知事と会ったことはない?」
籠池氏「会ったことはない」
下地議員「畠府議を介しては?」
籠池氏「話をうかがったことはある。学校の話をしといたで、といった内容」
下地議員「私学審議会の梶田氏は『政治家の口利きはない』と言っているが」
籠池氏「それは今だから言えること。松井知事の意向が私学審議会への圧力になったと思っている」
下地議員「具体的に言ってくださいよ」
籠池氏「私学審議会の答申が出ないと定期借地できない。近畿財務局のほうから大阪府に働きかけがあったのだろう。臨時審議会が開かれたこと自体があってはならない」
下地議員「松井知事はあなたが小学校を作れるようにはしごをかけた。それをあなたが勝手にはしごから落ちた。そこをあなたがちゃんと認識しないといけない」