2012年10月9日(火)、東京都千代田区の経済産業省で、「枝野幸男経済産業大臣 定例会見」が行われた。会見では、原発の新設や再稼働判断の問題、冬の電力需給などに関する質問がされ、枝野大臣が答えた。
2012年10月9日(火)、東京都千代田区の経済産業省で、「枝野幸男経済産業大臣 定例会見」が行われた。会見では、原発の新設や再稼働判断の問題、冬の電力需給などに関する質問がされ、枝野大臣が答えた。
■全編動画
冒頭、枝野大臣から、10月12日に冬の電力需給についての1回目となる需給検証委員会を開くことが発表された。節電目標の設定方法について質問された枝野大臣は、「火力発電所の計画外停止の頻度や気候・天候の見通しは、過去のデータの中で最も厳しい状況を想定した上で行う」と説明した。
先週10月5日の会見で、枝野大臣は山口県に計画中の上関原発に対して、「原発を新設しない原則の適用対象になる」と発言した。しかしその後、中国電力は原発建設予定地の埋め立て免許の延長を山口県に申請した。このことを質問された枝野大臣は、「今回の申請は、建設を前に進めるものではない」と述べ、「原発の新設を行わないという対象に上関原発は含まれている」と重ねて強調した。さらに、上関原発を含む現在計画段階にある9基の原発すべてに対して、「原則に基づき、内閣として建設を認めるべきでない」とし、建設を認めない意向を示した。
次に、「誰が原発再稼働の最終判断を行うのか」と質問を受けると、「誰が最終的に判断するかという話と、判断を行う時系列の話が混乱している」とし、改めて最終判断に至る経緯を説明した。枝野大臣によると、まず国が原発の必要性を、原子力規制委員会が安全性を判断する、次にその必要性と安全性両方に基づき、国が責任を持って再稼働の判断を行い、最終的に国の判断に対する地元の理解を得る、という説明だ。再稼働の判断については、政府と原子力規制委員会との間で責任の所在があいまいだったが、この日の説明では、政府により重い責任があるということになる。しかし、枝野大臣は9月28日の会見で、地元自治体の了解を取るのは事業者であると発言しており、原発の再稼働に至る過程が完全に示されたとは未だ言い難い。