民進党が小川敏夫候補(東京選挙区)に「戦略的投票」を呼びかけ始めた。
2016年7月3日(日)の銀座四丁目、強い日差しが降り注ぐ中、参議院選挙・東京選挙区に立候補した民進党の小川敏夫候補の応援演説に駆けつけた同党幹事長の枝野幸男氏は、有権者に次のように訴えた。
「もう一人は放っておいても勝ちます。一番じゃないかもしれないけど、(当選は)二番でもいんですから。こっちは(当選圏内の)六番に入らないと、(落選の)七番とでは雲泥の差。なんとか、日本の平和と暮らしを守るための力は、小川敏夫さんに結集していただきたい」
聴衆からは笑いとともに「そうだ!」との声がかかり、拍手が沸き上がった。
「もう一人」とは、同じく東京選挙区に立候補している同じ民進党の蓮舫候補のこと。知名度、人気度、過去の実績からか当選は堅いとされる蓮舫氏に対して、定数6名の同選挙区で、小川敏夫候補は当落線上の6、7番目を、おおさか維新の田中康夫候補と争っていると考えられている。
- 弁士 小川敏夫氏(参院選東京選挙区候補・現職、民進党)/枝野幸男氏(民進党幹事長、衆議院議員)/奥田愛基氏 (SEALDs)
- タイトル 3分の2を取らせない 東京大街宣(銀座ホコ天) 〜参院選 東京選挙区 民進党 小川敏夫候補 ―応援 枝野幸男幹事長、奥田愛基氏 (SEALDs)
- 日時 2016年7月3日(日)13:00〜
- 場所 銀座中央通り 歩行者天国(東京都中央区)
- 告知 小川敏夫候補サイト
「改憲派の三分の二議席を阻止できるのかどうかは、小川敏夫候補の当選にかかっている!」――民進党・菅直人元内閣総理大臣
この銀座での街宣から3日前の6月30日、三鷹駅前で小川候補の街宣が行なわれた。その際に応援演説を行なった同党・元内閣総理大臣である菅直人氏は、IWJのインタビューに答えて次のように語った。
▲小川敏夫候補の応援演説に駆けつけた菅直人・元内閣総理大臣(三鷹駅前)
「(東京選挙区)6人の定数で、5人までは自・自・公と民進党の蓮舫さんと共産党でほぼ固まった。後の6議席目を今、小川敏夫さんとおおさか維新の候補者の間で争われている。だいたい各党の世論調査も、ほぼ同じ結果が出ています」
「おおさか維新は、簡単に言えば安倍さんに一番考え方の近い改憲派。改憲派が三分の二を取るのか、それを阻止できるのか、まさに小川さんの当選するかどうかにかかっている、というのが関係者の共通した見方です」
他方、菅氏が語った情勢分析には、無所属で立候補し、東京各地で「選挙フェス」と銘打った街宣活動を行い、7月2日も渋谷・ハチ公前広場を聴衆が埋め尽くした三宅洋平候補の名前はなかった。選挙まで一週間を切った今、新たな情勢分析に注目が集まっている。
奨学金の返済に困窮する若者「コンビニの廃棄弁当もらっているとか、賞味期限が切れたジュースを買っている」「俺達の生活のことをもっと考えて欲しい」――SEALDs奥田愛基氏
話を再び3日に戻す。小川候補の街宣に応援に駆けつけたSEALDsの中心メンバーである奥田愛基氏は、別の街宣で学生さんが何人か来てくれて、奨学金をいくら借りているか見せてくれた話を紹介した。
「お金がなさすぎてコンビニの廃棄弁当もらっているとか、賞味期限が切れたジュースを売っているところがあって、そこで買っているとか言っていました。戦争法案にも、憲法改悪にももちろん反対だが、俺達の生活のことをもっと考えて欲しい」と訴えた。
小川敏夫候補は、この奥田氏の応援というよりも、若者を代表しての切実な訴えを受けて、声を張り上げた。
「若い人の半数近くが非正規雇用になっている! 非正規雇用の人は正規雇用に比べて結婚率は半分しかない。こんなに若い世代がアベノミクスによって痛めつけられている!」
「派遣労働を法律で制限して、働く人をしっかり支え、若い世代が将来の日本しっかり支える現役世代として、力を持てるような雇用のあり方をしっかりと実現する」
そう力強く語った。
「国会の鬼検事」「企業献金は22年間一度ももらっていません。だから、癒着の構造にとことんメスを入れられる」――小川敏夫候補