全ての選挙区が一人区となった東北地方。最北の青森選挙区では、民進党公認で野党統一候補の田名部匡代(たなぶまさよ)氏が声を上げた。
田名部氏は、衆議院議員を3期務めた経験の持ち主。宮沢喜一内閣で農林水産大臣を務めた田名部匡省(まさみ)氏の娘でもあり、知名度は浸透してきているようだ。
「第一声のため、こんなにたくさんのみなさまに駆けつけていただいたことを、とても心強く思っております」
大きな笑顔を見せながら、選挙カーに乗ることもなく市民と同じ目の高さに立った田名部候補が呼びかけた。
青森選挙区で相手候補となるのは、自民党の現職・山崎力氏だ。当選回数3回を誇り、民主党に追い風のふいていた2010年当時の参院選でも当選を決めた山崎氏に、新人・田名部氏がどこまで迫れるか。
3年前の2013年参議院議員選挙では、自民党新人候補の滝沢求氏が51%の得票で当選した。野党票は、乱立した候補者の間で割れた形となった。野党共闘が実現した今回は、無党派層への訴え次第で、結果はどちらにも転びうる。
第一声を聞きに集まった市民に、田名部氏は訴えかけた。
「この青森県を半年間歩かせていただきました。農村も漁村も、小さな集落も、あちこちでたくさんの人と出会いました。『俺たちの生活の苦しみなんて、政治家には分からない』と言われたこともありました。
そのたびに、使命感に燃えました。私がこれからの1期6年、届かぬと思っている人たちの全ての声を政治に届けたいと思います!必ずこの国家の危機に対して、平和をつかみとる!未来を守る!平和憲法を守る!生活を守る!この故郷、青森を守る!」
田名部候補が第一声を終えた瞬間には、シャッター街商店街に集まった市民から自然に「まさよコール」が湧き上がった。