福島第一原発現場取材 フリージャーナリスト抽選会 2012.5.18

記事公開日:2012.5.18取材地: テキスト動画
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(IWJ・佐々木)

 2012年5月18日(金)、東京電力で行われた、福島第一原発現場取材 フリージャーナリスト抽選会の模様。7名の応募者によるくじ引きが行われ、木野龍逸氏、畠山理仁氏の2名の入構が決定した。

■全編動画

  • 日時 2012年5月18日(金)15:00~
  • 場所 東京電力本社(東京都千代田区)

 2012年5月18日(金)15時より、東電本店3階にて、5月26日の第三回福島第一原発敷地内入構取材のフリーランス記者枠2名を決めるくじ引きが行われた。応募した7名のフリー記者の中から当りくじを引いたのは、木野龍逸氏、畠山理仁氏の2名。畠山氏は、代理の上田マミ氏が抽選に臨んだ。前回、前々回の入構取材では、フリー記者の参加は認められておらず、今回が初入構。しかし、「スペースの関係から」という理由で、フリー記者のスチールカメラの持ち込みは禁止されている。

 抽選会終了後、フリー記者らが東電の広報に対し、スチールの持ち込みを求め抗議。会場が一時騒然となったため、急遽、東電本店1階の会見室に場所を移し、交渉が行われることになった。

【フリー記者と東電広報の交渉】
 交渉では、フリーランス記者らから、改めてスチールの持ち込みを認めるよう、要望が出された。これに対し東電広報は「今回フリー2名を入れたことにより、バス内のスペースが限界であること」「敷地内で、核防護上撮影を禁じている箇所があり、それを逐一監視する人員が足りないこと」などの理由を挙げ、要望を頑に拒否。

 平行線の議論が続く中、フリーの寺澤有氏や木野氏から「スペースが問題なのであれば、畠山氏と木野氏で話し合ってもらい、どちらか1人だけスチールを持たせる」、もしくは「畠山氏、木野氏のいずれか1人が入構し、1人分空いたスペースにフリーを監視する人員を配置する」、さらに「スチールで撮ったものを東電側に確認してもらう」という妥協案が提示された。

 これに対し、東電広報の栗田氏は、今回フリーが入構できるのは情報公開の上で「前進」であるとし、一応検討はするが、これ以上を認めるのは難しいと妥協案を拒否。次回以降前向きに検討するとした。

 交渉後、フリー排除やスチール持ち込みについて追及してきた寺澤氏と、畠山氏の代理でくじを引いた上田氏、同じく入構が決定した木野氏に対し、ニコニコ生放送とIWJが共同で、中継取材を行った。

【寺澤氏、畠山氏、木野氏への中継取材】
 まず、寺澤氏が、今回のスチール持ち込み問題についてコメント。「フリーで連絡を取り合い、東電や細野大臣等と交渉してきてやっと今回、フリーの入構が実現した」と語りつつも、「フリーはそもそも経済的にも不利であるのに、さらに写真がないと、記事を書くのに非常に不利になる。不当な差別を受けている」と、ほとんど改善がみられない東電の情報公開に対する姿勢に、不満をあらわにした。

 続いて木野氏が、東電のフリーを嫌がる理由について言及。「片付いていない瓦礫や、車がひっくり返っている光景など、未だ事故が収束していないことがわかってしまうのが嫌なのではないか」と語った。

 今回畠山氏の代理の上田氏は、「東電の会見には出ていたものの、パートライターであることから、署名記事が引っかかって参加資格がないとされていた。しかし、ツイッターで畠山氏からお願いされた」と、今回抽選に臨んだ経緯を語った。

 最後に、入構取材の意気込みを聞かれた木野氏は、「スチールを持ち込めないと聞いた時、行っても行かなくても良いと思ったが、経験のひとつとして見てくる」と語った。

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