細野豪志環境大臣 定例会見 2012.5.15

記事公開日:2012.5.15取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・小山内/澤邉)

 2012年5月15日(火)、細野豪志環境大臣の定例会見が、東京都千代田区の合同庁舎5号館で行われた。細野大臣は、節電や熱中症対策について、環境省でチームを発足させる準備を整えることと、茨城県つくば市に視察へ向かうことを報告。

 5月6日に同県などで発生した竜巻について「災害廃棄物の円滑な処理の支援に資するために、被災状況や仮置場への搬入状況を把握したい」と述べたほか、「つくば市の国立環境研究所において、災害廃棄物処理、放射性物質の環境中での動態解明、汚染廃棄物・土壌等の処理に関する研究の状況について視察したい」と語った。

■全編動画

  • 日時 2012年5月15日(火)
  • 場所 合同庁舎5号館(東京都千代田区)

 「竜巻被害において、処理費用の半額補助以外に、検討している対応はあるか」との質問には、「交付税措置という、自治体の負担を軽減する仕組みがある。国として財政的なバックアップができるように、後押しを政府全体でしたい」と答えた。また、「半額補助について、災害廃棄物の場合は、どこまで個人で処理すべきで、どこからが公的な処理かという微妙な問題がある」との課題を挙げた上で、「できるだけ幅広く支援する体制を敷きたい」と語った。

 また、福島県大熊町、双葉町、楢葉町を候補地とした、放射性物質に汚染された土や廃棄物の中間貯蔵施設の建設に、住民が反対している点については、「時間をかけずに、できるだけ早く(賠償の)方針を出すべき」と、語りつつ、「賠償についておおよその考え方が示されるということが大事」と、原発事故の賠償を優先する見解を示した。

 次に、新潟日報の記者から、原発立地市町村の会合で、細野大臣を含む政務三役(大臣、副大臣、政務官)が挨拶のみで退席したことに、首長たちから批判が出たことを問われると、「公務があって、そこにいることができない時間帯だった。すぐ退出することに関しては、申し訳ないという思いを持った」と弁明をしながらも、「時間を調整して、できるだけ懇談ができるような時間を作る工夫の余地は、お互いにあるのではないかと思う」と述べた。

 それを受けて、さらに新潟日報の記者が「こういうことが続くと、地元の不信感が募ると思うが、それは避けたいということでいいか」と投げかけると、細野大臣は「いろいろな工夫の余地はあると思う」と話し、「地域の皆さんの会議だから、皆さんの予定が第一だと思う。一方で国会の日程や政府の日程もあるので、もし政府を含めた会議として設定をするのであれば、その日程調整から入らないと、出るのは難しい」と、明言を避けた。

 14日に、福井県おおい町の協議会が、大飯原発の再稼働同意に至ったことに対しての意見を尋ねられると、「私自身は規制庁を所管し、原発事故の対応をする立場で、安全性をしっかり確認するという立場」とした上で、「それについてコメントする立場にはない」と述べるにとどまった。

 さらに、原子力の規制組織における緊急時の指示権についての質問には、「通常時の判断は原子力規制庁の長官などの専門家がやるべきだ」としながらも、「自衛隊に出動を要請する、住民を避難させるというケースも準備すべき。最終的な判断は、原子力災害対策特別措置法に基づいた判断が必要だと思う」との考えを表明。「政府案を出しているので、それが現段階での私どもの考え方」と語った。
 

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