2012年5月8日(火)、経済産業省本館で行われた、枝野幸男経済産業大臣定例会見の模様。
(IWJテキストスタッフ・角田)
2012年5月8日(火)、経済産業省本館で行われた、枝野幸男経済産業大臣定例会見の模様。
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「私のほうからは特段、報告することはありません」という言葉から始まった会見は、質疑応答に終始。夏を控えての電力需給、大飯原発の再稼働の問題についての質問が中心となった。
まず質問にあがった、この夏の関西の電力需給に関して使用制限令などが出されるのかとの問いには、エネルギー環境会議がまとまったら、それをふまえた対応を検討したいと述べた。また、大飯原発の再稼働について滋賀県知事などから出された反対意見に対しては、「福島県の原発事故の教訓は、人間のやることに絶対はありえないということがあげられるが、それはどの原発も永遠の課題。もうひとつの教訓である地震と津波で事故に至らしめないということについては、三重四重の対応策をとることでご理解いただきたい」と話した。
今後も、原子力安全委員会の独立性を尊重し、再稼働に向けての提言を地元民などにくりかえし丁寧に説明していくという。計画停電が行われた場合や、万が一の事故の際の政府の責任について問われると、「福島の原発事故に関しては、日本の原子力行政全体が過去何十年にもわたる問題があった」としてから、国家賠償法などによって責任を取ることがあるが、国民の負担の最小化するために政府が全力をあげることが民主主義社会における原則であると考える、と伝えた。
原発の再稼働に際して行われるストレステストについても、できるだけ早く原子力規制庁を発足させ、独立性をもってチェック等を行っていきたいとのこと。東電の家庭向け電気料金の値上げについても同様に、事業計画を厳しくチェックを行うという。すでに行われている事業者の電気料金値上げについてあがっている経済界からの批判については、値上げされた電気料金は事故の賠償や廃炉などに利用されているのではなく火力発電などの炊き増しによるコストであると話した。
そのほか、東電・下河辺氏の会長就任、総合資源エネルギー調査会基本問題委員会の運営、フランス・オランド新大統領就任、サウジアラビア・ナイミ石油相との会談、サハリンのパイプラインについての質問があがったが、現状を見守る旨を伝えるに留まる。日・中・韓のFTA交渉については、「高いレベルでの交渉入りを目指す」と発言した。