┏━━【目次】━━━━
┠■はじめに~「大山鳴動してネズミ一匹」、米連邦議会下院が債務上限引き上げで合意! しかし、今回のデフォルト回避の背景で進行する米国の深刻な財政赤字に、『ウォール・ストリート・ジャーナル』の経済担当チーフコメンテーターであるグレッグ・イップ氏は「(米議会では)デフォルトをちらつかせて脅すことは今や、交渉の戦術として容認されるようになった」、「(財政赤字に真剣に取り組み、根本的に収支を改善しようとする)増税や義務的支出の削減に賛成する多数派が存在しない」と警鐘!
┃
┠■【IWJ号外】を出しました! ロバート・ケネディ・ジュニア氏が大統領予備選立候補発表後に行った、歴史的なボストン・スピーチをIWJが全文仮訳! (第2回)企業権力と国家権力の癒着が分断を生む!
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┠■緊急事態です! 5月のご寄付額は182万円でした! 5月の月間目標額の47%、208万円の不足でした! IWJは創業以来、最大の経済的危機に直面しています! 第13期の累積赤字は毎月増え続け、8月から4月まで9ヶ月間の累積の不足額は、1600万円を超えています! 6月こそは少なくとも月間目標額390万円を達成し、また累積の不足額を少しでも減らせますよう、緊急のご支援・ご寄付・カンパのほど、どうぞよろしくお願いします!
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┠■【中継番組表】
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┠■米国大統領選挙の民主党候補の一人であるロバート・F・ケネディ・ジュニア氏が自らのポッドキャストで、保守派の論客・米陸軍の退役軍人であるダグラス・アボット・マクレガー元大佐とのウクライナ紛争に関する議論を公開!(その2) マクレガー氏「今やキエフには、米国を、できれば味方として戦争に引きずり込もうとし、そのためなら何でもするという、非常に絶望的な政権がある」
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┠■<市川猿之助「一家心中」事件続報>睡眠導入剤「サイレース」を飲んで眠った両親の顔にビニール袋を被せ、ビニール袋と薬のパッケージはゴミ捨て場に!! 遺書で愛と遺産相続を告げられた付き人は、警察の事情聴取に「深い関係」を否定!? 一方、歌舞伎ファンや演劇関係者の間では、公演で四代目猿之助の代役を果たした三代目猿之助の孫、俳優の香川照之の息子の市川團子(いちかわだんこ)の大活躍が絶賛され、澤瀉屋の「救世主」「後継者」との盛り上がりも!
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■はじめに~「大山鳴動してネズミ一匹」、米連邦議会下院が債務上限引き上げで合意! しかし、今回のデフォルト回避の背景で進行する米国の深刻な財政赤字に、『ウォール・ストリート・ジャーナル』の経済担当チーフコメンテーターであるグレッグ・イップ氏は「(米議会では)デフォルトをちらつかせて脅すことは今や、交渉の戦術として容認されるようになった」、「(財政赤字に真剣に取り組み、根本的に収支を改善しようとする)増税や義務的支出の削減に賛成する多数派が存在しない」と警鐘!
おはようございます。IWJ編集部です。
米連邦議会下院が5月31日、米政府の債務上限を一時的に「棚上げ」にする法案(財政責任法案、Fiscal Responsibility Act)を可決しました。これによって、イエレン財務長官が「政府資金が枯渇する」とした6月5日のタイム・リミットまでに、米国のデフォルトが回避される公算が高くなりました。
財政責任法案は今後上院に送られ、数日中に採決される見通しです。民主党で可決され、バイデン大統領が署名すれば、法案が成立します。
『ニューヨーク・タイムズ』などが、下院(定数435、共和党222、民主党213)での最終投票の結果を報じています。賛成314票(民主党165票、共和党149票)、反対117票(民主党46票、共和党71票)、棄権2票で、民主党内にも共和党内にも一定数反対票がありました。『ニューヨーク・タイムズ』は、民主党主導の超党派連合が法案をゴールラインまで押し進めた、と報じています。
※House Passes Debt Limit Bill in Bipartisan Vote to Avert Default(The New York Times、2023年5月31日)
https://www.nytimes.com/2023/05/31/us/politics/debt-ceiling-house-vote.html
バイデン大統領は、財政責任法案が下院で可決されたことを受けて、声明を出しました。
「今夜、下院は史上初の債務不履行を防ぎ、我が国が苦労して勝ち取った歴史的な経済回復を守るために重要な一歩を踏み出した。この予算協定は超党派の妥協案だ。どちらの側も望むものすべてを手に入れることができなかったが、それが統治者の責任だ。誠実に交渉してくれたマッカーシー下院議長とそのチーム、そしてジェフリーズ党首のリーダーシップに感謝したい(後略)」
バイデン大統領は、「私は上院に可及的速やかに可決し、署名して法律として成立させ、我が国が世界で最強の経済を構築し続けることができるよう強く要請する」と締め括っています。
※Statement from President Joe Biden on House Passage of the Bipartisan Budget Agreement(The White House、2023年5月31日)
https://www.whitehouse.gov/briefing-room/statements-releases/2023/05/31/statement-from-president-joe-biden-on-house-passage-of-the-bipartisan-budget-agreement/
世界を騒がせた米国のデフォルト問題、まだこの財政責任法案が上院を通過する必要があるとはいえ、大山鳴動してネズミ一匹、の感があります。
しかし、落ち着いて考えてみれば、自国が借金をきちんと返せるように、行政府と連絡をとりながら与野党が熟議してしかるべき時期までに然るべき内容の予算をまとめるなど、国会として当然の責任ではないでしょうか。
火事(デフォルト)の炎がそこまで迫ってきている時に、バケツで水をまいて消火するのか、布団で覆って消火するのか、お互いに言い争っている間に火に呑まれて、みんな丸焼けになってしまうようなものです。しかも、世界の金融市場を支配している米国がデフォルトになれば、世界中の国々に延焼することは自明です。
米政治メディア『ヒル』は、下院で財政責任法案が可決されたことは、新下院議長であるマッカーシー氏にとって「大勝利」であった、とする分析を出しました。
昨年の下院議員選挙では、共和党が予想よりも勢いがなく、マッカーシー氏は新下院議長として承認されるために、15回もの投票のやり直しを余儀なくされました。マッカーシー氏は下院をまとめる手腕が足りない、弱い議長だとみなされていました。
『ヒル』は、「マッカーシー氏は超党派の大型案件を締結できることを証明した」と報じました。バイデン政権はマッカーシー氏を過小評価していたが、マッカーシー氏は下院議長として、強硬派を抑えて財政責任法案を下院で可決に導くことができたので、新下院議長としての評価を得た、というのです。
※House passes debt ceiling bill in big win for McCarthy: Five takeaways(The Hill、2023年5月31日)
https://thehill.com/homenews/house/4029398-house-debt-ceiling-passage-takeaways/
実際、マッカーシー新議長は、バイデン大統領と合意案(妥協案)をまとめる一方で、共和党内の強硬派や立場を異とする、ジム・ジョーダン下院議員(オハイオ州選出)、マージョリー・テイラー・グリーン下院議員(ジョージア州選出)、トーマス・マッシー下院議員(ケンタッキー州選出)らの支持を獲得することに成功しています。
※How Jim Jordan and Marjorie Taylor Greene helped McCarthy get his debt deal through(POLITICO、2023年6月1日)
https://www.politico.com/news/2023/05/31/mccarthy-debt-limit-deal-gop-divisions-00099567
『ウォール・ストリート・ジャーナル』は5月31日付で、「借金を扱わない債務上限協定――共和党とバイデン氏は、デフォルト危機の瀬戸際で、増税や支出圧力の最大要因に踏み込まない協定を打ち出した」という皮肉な題名を冠した、同紙の経済担当チーフコメンテーターであるグレッグ・イップ氏の論評を出しました。
※A Debt-Ceiling Deal That Doesn’t Deal With Debt(The Wall Street Journal、2023年5月31日)
https://www.wsj.com/articles/a-debt-deal-that-doesnt-deal-with-debt-eef3e608
イップ氏は、「賭け金(stakes)が低ければ低いほど、戦いは性質が悪くなる」という古い格言が、共和党とバイデン政権の間の争いの性格をうまく表している、と切り出しました。
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■【IWJ号外】を出しました! ロバート・ケネディ・ジュニア氏が大統領予備選立候補発表後に行った、歴史的なボストン・スピーチをIWJが全文仮訳! (第2回)企業権力と国家権力の癒着が分断を生む!
ロバート・ケネディ・ジュニア氏がボストンで大統領予備選立候補発表後に行ったスピーチは、米国の「最良の精神」は、「アメリカ独立戦争の精神」であり、独立戦争は大英帝国に対する反乱というだけではなく、「国家権力と企業権力の腐敗した癒着」に対する植民地人の正当な怒りだったと訴える、歴史的なスピーチでした。
このスピーチは、ロバート・ケネディ・ジュニア氏は、この「最良の精神」の正当な継承者であることを示すものです。
この歴史的なスピーチの全文仮訳を、IWJは進めています。本日、第2回をお送りました。
第2回では、ロバート・ケネディ・ジュニア氏は、いよいよ、米国の民主主義の宿痾である「企業権力と国家権力の癒着」に切り込んでいきます。
この癒着が最初に顕在化したのは、1961年のアイゼンハワー大統領の退任演説です。
1950年代から、この癒着が始まり、アイゼンハワー大統領は、「軍産複合体」という言葉で、この形態で最初に現れたこの癒着に危機感を募らせ、退任演説で、この問題に触れたのです。
現在、この問題は軍需産業と国家の癒着から、メディアと国家、資源産業と国家、製薬企業と国家など、癒着が格段に広がっています。
この癒着問題は、現在では、米国一国で自己完結した問題では全然なく、グローバルで問題という性格を備えた深刻な問題となっています。
また、後段で、ロバート・ケネディ・ジュニア氏は、政府のつく「嘘」について、「情報操作」という点から、歴史的な具体例に言及しています。
現在、それは、「検閲産業複合体(censorship-industrial complex)」という形態をとり、国内外の「分断」を作り出している現実も指摘しています。
非常にアクチュアルな歴史的な演説となっています。
ぜひ、お読みください。
第1回は以下のURLから御覧になれます。
※【IWJ号外】ロバート・ケネディ・ジュニア氏が大統領予備選立候補発表後に行った、歴史的なボストン・スピーチをIWJが全文仮訳!(第1回)米国最良の精神は、アメリカ独立戦争の精神だった! 2023.5.26
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/516183
■緊急事態です! 5月のご寄付額は182万円でした! 5月の月間目標額の47%、208万円の不足でした! IWJは創業以来、最大の経済的危機に直面しています! 第13期の累積赤字は毎月増え続け、8月から4月まで9ヶ月間の累積の不足額は、1600万円を超えています! 6月こそは少なくとも月間目標額390万円を達成し、また累積の不足額を少しでも減らせますよう、緊急のご支援・ご寄付・カンパのほど、どうぞよろしくお願いします!
いつもIWJをご支援いただきまして、誠にありがとうございます。
6月に入り、昨年8月1日から始まったIWJの第13期も、残り2ヶ月となりました。
5月のご寄付額は、集計が確定した段階で改めてご報告しますが、暫定値で31日までの31日間で182万円でした。月間目標額の47%にあたるご寄付をいただきましたが、残念ながら月間目標額に届かず、月間目標額の53%、208万円の不足となりました!
厳しい経済状況の中、ご寄付をお寄せくださった皆さま、誠にありがとうございました!
しかしながら、今期第13期4月末までの累積の不足額は、1660万5900円。これに5月の不足分が加わり、暫定で1800万円以上の不足となりました。この累積の不足額を少しでも削れるように、引き続き、どうぞご支援をお願いします!
ぜひ、皆さま、今月6月こそは、まずは月間目標額を達成できますよう、どうぞ緊急のご支援をお願いいたします!
IWJの内部留保も底を尽き、キャッシュフローが不足したため、私、岩上安身が、個人的な私財から、IWJにつなぎ融資をいたしました。
私がこれまでにIWJに貸し付けて、まだ未返済の残高は約600万円。これにつなぎ融資1000万円と合計すると、IWJへの私の貸し付け残高は約1600万円にのぼります。
私の貯えなどたかがしれていますから、この先も同様の危機が続けば、私個人の貯えが尽きた時、その時点でIWJは倒れてしまいます。
皆さまにおかれましても、コロナ禍での経済的な打撃、そしてこのところの物価上昇に悩まされていることとお察しいたします。
しかし、ご寄付が急減してしまうと、たちまちIWJは活動していけなくなってしまいます。IWJの運営は会員の方々の会費とご寄付・カンパの両輪によって成り立っていますが、それが成り立たなくなってしまいます。
ウクライナ紛争に続き、「台湾有事」を口実とする米国の「代理戦争」が、東アジアで画策されている今、私、岩上安身とIWJは、破滅的な戦争を回避すべく、ウクライナ紛争報道で明らかになった、偏向マスメディアの不誠実な「情報操作」に代わるべく、少しでも正確な情報を皆さまにお届けできるよう走り続けたいと存じます。その結果として、日本が戦争突入という悲劇に見舞われないように、無謀な戦争を断固阻止するために、今後も全力で頑張ってゆきたいと思います。
日本は、米国への依存から脱却をはかり、独立した主権国家として立つべきです。同時に、エネルギーと食料の自給ができず、資源をもつ他の国々からの海上輸送に頼らなければならない「島国」であるという「宿命」を決して忘れず、国外にそもそも「敵」を作らない、多極的な外交姿勢をめざすべきではないでしょうか?
皆さまにはぜひ、マスメディアが真実を伝えない、こうした問題について、IWJが追及を続けてゆくために、どうか、会員登録と緊急のご寄付・カンパによるご支援をどうぞよろしくお願いしたく存じます。
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みずほ銀行
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店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル
城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル
ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル カンリブ
IWJホームページからも、お振り込みいただけます。
※ご寄付・カンパのお願い
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どうか、ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます!
岩上安身
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◆中継番組表◆
**2023.6.2 Fri.**
あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。
【IWJ・エリアCh5・東京】18:00~「原発反対八王子行動」
視聴URL:https://twitcasting.tv/iwj_areach5
「キンパチデモ実行委員会」主催の原発反対八王子行動を中継します。これまでIWJが報じてきたキンパチデモ実行委員会関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/kinpachi-demo-executive-committee
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◆中継番組表◆
**2023.6.3 Sat.**
調整中
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◆昨日アップした記事はこちらです◆
第597号-600号 岩上安身のIWJ特報!背後に「暴力団」が関与し凶悪化する「特殊詐欺」を「高齢者差別」が後押し!ルフィ事件と、高齢者に「集団自決」を求めた成田悠輔氏の発言は同根の大問題!岩上安身による『ルポ特殊詐欺』著者・神奈川新聞報道部デスク田崎基氏インタビュー(その2)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/516264
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■米国大統領選挙の民主党候補の一人であるロバート・F・ケネディ・ジュニア氏が自らのポッドキャストで、保守派の論客・米陸軍の退役軍人であるダグラス・アボット・マクレガー元大佐とのウクライナ紛争に関する議論を公開!(その2) マクレガー氏「今やキエフには、米国を、できれば味方として戦争に引きずり込もうとし、そのためなら何でもするという、非常に絶望的な政権がある」
米国大統領選挙の民主党候補の一人であるロバート・F・ケネディ・ジュニア氏と、米陸軍の退役軍人で保守派の論客であるダグラス・アボット・マクレガー元大佐とのウクライナ紛争に関する議論がポッドキャスト『RFK Jr Podcast』で公開されています。
タイトルは、「戦争の英雄で元上級NATOプランナーのダグラス・マクレガー元大佐(退役軍人)とのウクライナ紛争に関する私の興味深い議論を御覧ください」というものです。URLは以下の通り。
※Robert F. Kennedy Jr@RobertKennedyJr(午前4:44・2023年5月7日)
https://twitter.com/RobertKennedyJr/status/1654935219110125569
IWJは、ケネディ氏とマクレガー氏の「興味深い議論」の冒頭3分の1ほどを、日刊IWJガイドの5月15日号で(その1)としてご紹介しました。
マクレガー氏が、2022年にロシアがウクライナに侵攻するまでの経緯と東部ドンバスのロシア語話者への迫害、ミンスク合意の成立までについて語った(その1)は以下よりお読みください。
※米国大統領選挙の民主党候補の一人であるロバート・F・ケネディ・ジュニア氏が自らのポッドキャストで、保守派の論客・米陸軍の退役軍人であるダグラス・アボット・マクレガー元大佐とのウクライナ紛争に関する議論を公開!(その1)~(日刊IWJガイド、2023.5.15号)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/52279#idx-5
(その2)では、現在1年以上にわたって継続しているウクライナ紛争について語った続きを仮訳でご紹介します。
ケネディ氏がミンスク合意とは、(1)NATOはウクライナに進駐しない、(2)米国がウクライナに設置したミサイル発射台を撤去する、(3)ロシア系民族が多く住む、ウクライナ東部ドンバスをウクライナ内の自治区とする、という趣旨だったと振り返りました。
マクレガー氏は、ロシアもミンスク合意に参加したということは、「ロシア側にはウクライナを解体することに興味はなかった」のであり、ウクライナをそのままにしておきたかったのだ、と述べました。
マクレガー氏は、東部ドンバス地方とは違い、ロシアは歴史的経緯からクリミアはロシアに帰属すべきだと考えており、実際クリミアの住民もロシア系がほとんどであったと述べ、ソ連時代に、最高権力者だった第一書記のフルシチョフがクリミアをソ連内ウクライナ共和国へ入れたのは「酔った勢いで作った歴史の事故」だったと指摘しています。
この発言は、ソビエト共産党中央委員会第一書記であったフルシチョフが、1954年、クリミア半島をロシア・ソビエト連邦社会主義共和国からウクライナ・ソビエト社会主義共和国に移管させた事件を指しています。
ソルジェニーツィンは『廃墟の中のロシア』(邦訳発行2000年、原著1998年)で、クリミア移管を「ソ連時代の文書ではロシアへの帰属が法的に認められていた。それにもかかわらず横取りされたのだ。これは国家による盗みである」と強くフルシチョフの専断を批判しています。
マクレガー氏は、ロシアは侵攻前も外交的な手段での解決を要請しており、侵攻直後から和平交渉を進めていたが、米英が紛争を継続させエスカレートしてきたと分析し、その結果「今やキエフには、米国を、できれば味方として戦争に引きずり込もうとし、そのためなら何でもするという、非常に絶望的な政権がある」との見解を示しました。
現在の戦局についてマクレガー氏は、「ロシアは防御に徹し、ウクライナ側はそれに対して数え切れないほどの反撃を仕掛け、それが結局、ウクライナにとって大惨事となった」と述べ、元軍人として、ロシアヘイトのスタンスが極端な西側の偏向したマスメディアが伝える「ウクライナの大反攻間近!」といった戦局報道とは、まったく異なる見解を示しています。
詳しくは、ケネディ氏とマクレガー氏の対話の続きである、以下の仮訳でお読みください。
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ケネディ氏「その時点でロシアは(ミンスク合意という)解決を歓迎していました。
今や30万人のウクライナ人が犠牲になった(※IWJ注1)、現在行われている軍事演習をみれば、それはそうあるべきでした。この軍事演習が終わりさえすれば、ウクライナ人が戻ってくるというのは、ほとんど想像もつかないことです。
私の理解では、(ミンスク合意とは)NATOはウクライナに進駐せず、米国が設置したウクライナにあるミサイル発射台を撤去し、ウクライナ東部のロシア系民族をウクライナ内の自治区とする、というものでしたね。つまり、ウクライナの一部でありつつ、(ロシア系民族の人々)が何らかの権利を持つようにするものでした」
マクレガー氏「つまり、ロシア人が喜んで受け入れたのは、事実上、多民族国家だということですね。
それはヨーロッパでは特に新しい展開ではありません。ヨーロッパでは、何世紀にもわたって、このような多民族国家が存在してきました。オーストリア、ハンガリー、ユーゴスラビア、チェコスロバキア、帝政ロシアはすべて多民族国家でした。
だから、ロシア側にはウクライナを解体することに興味はなかったのです。まったく違いました。それどころか、ウクライナをそのままにしておくことに満足していた。ウクライナが無傷のままの形で存在することに、満足していたのです。
しかし、これはもちろんクリミアについてはあてはまりません。
当時、彼ら(ロシア側)はクリミアにあてはめるのを嫌がりました。彼らの立場からすると、かなりの正当性をもって、クリミアの人々の大多数はロシア人であり、ロシアの一部であることを望んでいたからです。
しかしより重要なのは、1776年(※IWJ注2)以来ロシアの一部であり、クリミアの扱いを変え、ウクライナの陣営に入れたのは、我々の友人であるフルシチョフと酔った勢いで作った歴史の事故でした(※IWJ注3)。結論はこうです。
西側諸国、ワシントン、ロンドン、パリ、ベルリンでは、ロシアに有利になるようなことは一切変えようとせず、ウクライナで計画していたことも変えようとはしませんでした。
そして、2021年12月と22年1月になると、ウクライナ東部で育て上げられた軍事力が、実際に、非常に手ごわく、よく訓練され、よく装備されていて、率直に言って、この2つの自治州を攻撃する態勢にあることが、ロシアにとって非常に明白になりました。
(ウクライナ軍・西側諸国の)最終的な、目標はクリミアの奪還でした。つまり、ロシア側からすれば、これ(2022年のウクライナ侵攻)は、戦争の勃発を防ぐための先制攻撃だったのです。
ロシアがウクライナに侵攻したのは、ロシアがソビエト帝国を拡大・再建しようとする証拠だ、と言う人々に対して、我々はあることを心に留めておくべきです。ロシアが侵攻したとき、彼らは驚くほど小さな軍隊で侵攻しました。テキサス州ほどもあるウクライナに、ロシア軍は9万人の戦闘部隊で攻め込んでいったのです。
もちろん、ウクライナ側はすでに戦う準備が整っていたため、激しい抵抗をしました。
しかし、最も重要なのは、モスクワは、これが始まれば、西側諸国が本気になり、最終的に取り決めを交渉する意志があると考えていたように見えることです。そして、プーチン氏とクレムリンの政府が、(西側諸国の)誰も話をしたがらない、和平交渉はない、ということを理解するのに数カ月を要しました。
(2022年)4月のことを思い出してください、ボリス・ジョンソン首相はキエフに飛び、ゼレンスキーに実質的にこのように言いました。『ロシア側と交渉するな。必要なものは何でも提供する。我々は、あなたたちが勝つまで支える』と。
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■<市川猿之助「一家心中」事件続報>睡眠導入剤「サイレース」を飲んで眠った両親の顔にビニール袋を被せ、ビニール袋と薬のパッケージはゴミ捨て場に!! 遺書で愛と遺産相続を告げられた付き人は、警察の事情聴取に「深い関係」を否定!? 一方、歌舞伎ファンや演劇関係者の間では、公演で四代目猿之助の代役を果たした三代目猿之助の孫、俳優の香川照之の息子の市川團子(いちかわだんこ)の大活躍が絶賛され、澤瀉屋の「救世主」「後継者」との盛り上がりも!
5月18日に自宅で首を吊り、意識がもうろうとしている状態で発見された歌舞伎俳優の四代目市川猿之助さんの自殺未遂をめぐり、様々なことが明らかになりつつあります。
※『女性セブン』によるセクハラ・パワハラ暴露記事発売当日に、歌舞伎俳優・市川猿之助さんが「自殺未遂」! 父・段四郎さんと母は死亡!!「梨園は基本的には犯罪以外(のセクハラ・パワハラ)は見逃される」という歌舞伎関係者も「澤瀉屋(おもだかや)は終わり。『市川猿之助』は永久欠番」と証言! ジャニー喜多川の性犯罪問題に続き、歌舞伎界のセクハラの闇は明らかにされるのか!?(日刊IWJガイド、2023年5月20日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230520#idx-5
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/52299#idx-5
猿之助さんが発見された際、同じ自宅で死亡していた母親と、救急搬送先の病院で死亡が確認された父親の歌舞伎俳優・四代目市川段四郎さんの死因について、5月29日付け『文春オンライン』は、「社会部記者」の解説として、「(両親の)司法解剖の結果、検出された成分は“フルニトラゼパム”だったといいます。『サイレース』という商品名で知られ、非常に効果が強く、致死性も高い」「そんな睡眠薬を両親は10錠ほど飲んだようで、2人が意識を失ったあと、猿之助はビニール袋を顔に被せていったそうです」とのコメントを報じています。
※「非常に効果が強く、致死性が高いクスリを10錠も…」市川猿之助“一家心中事件” 両親が飲んだ“睡眠薬”のヤバすぎる成分《自殺ほう助で逮捕の可能性》(文春オンライン、2023年5月29日)
https://bunshun.jp/articles/-/63219
ところがこの記事に対し、ツイッターなどSNS上では、「サイレース10錠で死ぬのは不可能」という批判が拡散。「致死性が高い」という決めつけにも疑問が寄せられました。6月1日発売の『週刊文春』6月8日号(5月31日付け『文春オンライン』に転載)も「1回の(服用)量は0.5mgから2mgですが、呼吸困難などの重大な症状が起こるのは約1g程度。致死量は約6gと言われています」という識者のコメントと「現実的に死に至るには少なくとも300~400錠が必要とされる」「両親はフルニトラゼパムに加え、別の薬物も摂取した可能性がある」という捜査関係者のコメントを報じています。
この『週刊文春』の記事によると、猿之助さんは警察の聴取に対し、「両親が動かなくなった後、ビニール袋を取り外し、薬のパッケージと共に家の近くのゴミ置き場に捨てた」と供述しているとのことですが、ゴミ置き場のゴミは当日の昼には回収されており、物証はすでに失われてしまったとのことです。
『週刊文春』は、「警視庁は近く猿之助さんを自殺幇助で逮捕する方針を固めている」という捜査関係者の証言を報じています。
※市川猿之助を自殺幇助で逮捕へ「両親は別の薬物摂取の可能性も」「ビニール袋、薬のパッケージをゴミに」(文春オンライン、2023年5月31日)
https://bunshun.jp/articles/-/63278
一方、猿之助さんの「一家心中」の原因については、事件当日の5月18日発売の週刊誌『女性セブン』が、猿之助さんによる共演者やスタッフへのセクハラ・パワハラ疑惑を報じたことを苦にして、という憶測とともに、第一発見者である猿之助さんの付き人(運転手兼マネージャー)で俳優宛の「遺書」が発見されたことも、謎を深めています。
「遺書」は2通見つかっており、6月1日付け『東スポWEB』は、「X(付き人)の名前と愛を伝える言葉、遺産相続の意向を示す内容も書かれていた」とし、この付き人X氏が猿之助さんとの「深い関係」について、捜査当局の事情聴取に対して否定する一方、「梨園では公然の秘密だった」と報じています。
※市川猿之助と俳優Xの「いびつな関係」 ドラマの現場では立場逆転(東スポWEB、2023年6月1日)
https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/265005
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