日刊IWJガイド・非会員版「自民党自体が統一教会のマインドコントロール下にある!? 岩上安身による鈴木エイト氏インタビュー報告」2022.10.8号~No.3677号


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■はじめに~<インタビュー報告>「統一教会との関係の濃淡でいえば、第4次安倍内閣と菅(義偉)内閣のときの濃度は突出していました」「自民党自体が統一教会のマインドコントロール下にある!? 文鮮明カラーを払拭した韓鶴子体制の統一教会が「国家復帰」計画の野望を企てる!」岩上安身によるジャーナリスト鈴木エイト氏インタビューをお送りしました!

■IWJは8月に続き9月も、ご寄付・カンパが目標額に到達しませんでした。9月1日から30日までのご寄付額は141万9600円、目標額の22%にとどまりました! 8月と9月の2ヶ月分の不足分は、累計で515万7400円となり、10月は月間目標額390万円とあわせて905万7400円が必要です! どうぞ、緊急のご支援をよろしくお願いします!

■【中継番組表】

■ウクライナ紛争によりEU崩壊!? 米国NATOと一体の西側メディアとは一線を画する西アジア地政学分析の専門ニュースサイト、『ザ・クレイドル(THE CRADLE)』がロシアによる4州併合以降のエスカレーションの新局面を衝撃分析!

■<IWJ取材報告>「公共事業で、いい加減な数字でスタートすること。それは『やってはいけないこと』」日本イコモス国内委員・石川幹子氏~10.6日本イコモス提言「近代日本の公共空間を代表する文化的資産である神宮外苑の保全・継承について」の記者会見

■ウクライナ紛争のエスカレーションの背景にあるのは米国によるウクライナへの武器供与!~9月発行の「岩上安身のIWJ特報!」は、8月16日収録「岩上安身によるインタビュー第1090回 ゲスト 国際政治学者・神奈川大学教授 羽場久美子氏」をテキスト化し、詳細な注釈をつけて発行しました! ぜひ「まぐまぐ」からご登録ください!! バックナンバーの単独購入も可能です! サポート会員になればバックナンバーをすべて読めます! ぜひ、サポート会員に登録を!!

■【スタッフ募集・動画班】岩上安身によるインタビューを撮影・編集したり、大臣会見やビデオカメラによる現場取材と中継、撮影した動画の編集を行うスタッフを募集します。PCによる動画の編集作業の基本ができる方、特にYouTubeの撮影・編集などの経験のある方を特に優遇し、最優先で募集します! 経験が少なくとも、意欲ある若い方、研修を受ければ習熟していけるとの自信や情熱がある方も歓迎です! 時給は1300円からのスタートです。IWJの動画・記事のコンテンツの視聴・購読経験が一定以上あり、共感できた方に限ります。
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■はじめに~<インタビュー報告>「統一教会との関係の濃淡でいえば、第4次安倍内閣と菅(義偉)内閣のときの濃度は突出していました」「自民党自体が統一教会のマインドコントロール下にある!? 文鮮明カラーを払拭した韓鶴子体制の統一教会が「国家復帰」計画の野望を企てる!」岩上安身によるジャーナリスト鈴木エイト氏インタビューをお送りしました!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 10月7日金曜日、午後3時半ごろより、「自民党自体が統一教会のマインドコントロール下にある!? 文鮮明カラーを払拭した韓鶴子体制の統一教会が『国家復帰』計画の野望を企てる!」と題して、岩上安身によるジャーナリスト鈴木エイト氏インタビューをお送りしました。

 鈴木エイト氏は、9月26日に、御著書『自民党の統一教会汚染 追跡3000日』を小学館から緊急刊行されたばかりです。安倍元総理銃撃事件の後こそは、連日テレビや新聞、統一教会と政治の問題が取り上げられるようになりましたが、これまでは教団と政治家の圧力のもと、ほとんど誰も書けなかった問題を扱っています。

 岩上安身が「記者クラブ制度と巨大寡占資本によって、新聞テレビが全部コングロマリット化」していて、フリーランスには入る隙間もない、独立メディアが全然育たない状況にあっては、生計をジャーナリズムだけに依存しない「兼業ジャーナリスト」でなければ、鈴木氏のような仕事はできないのではないか、と問いかけました。

岩上「『やや日刊カルト新聞』という、ややリスクのある新聞を出されていて」

鈴木氏「僕もどこかの通信社にいたという立場ではなくて、ブロガーから始めた人間なので。自分では『野良系ジャーナリスト』といってるんですけれども。自称ですよね。名前もカタカナが入っているし、なかなか信用されない。やっていく中で理解してもらえればいいかなというくらいで」

 岩上は「野良ではないというジャーナリストは、どこかで飼われているわけでしょう。そんなのは全部エセだと思っています」と応じました。

 岩上が自分が学生だった頃に実際に体験した、原理研の勧誘活動の様子を話すと、鈴木氏は、2000年ごろから、勧誘の手法が非常に洗練されてきたのではないかと指摘しました。

岩上「(失恋などで)傷ついた心にすっと入り込んでいく、あの手口の巧みさを感じました」

鈴木氏「日本に入ってきて60年、洗練されてきているんですよね、『信者を生産していくシステム』が。どういう時に持っていくとちゃんと信者にまで育て上げることができるか。経験則的に、非常に狡猾にこういうルートに乗せれば、信者にできるという」

岩上「今、2000年代くらいになってくると」

鈴木氏「そうですね。非常にマインドコントロールの手法がシステム化して、洗練してきている団体なのかな、という印象でした、当時は」

 鈴木氏は、統一教会と政治との関係を考えると、実は祖父・岸信介や父・安倍晋太郎とは違い、安倍晋三氏は、当初、統一教会との間に一定の距離を置いていたのではないかと指摘しています。

岩上「(岸信介の)孫の晋三さんは意外に距離を持っていたと? どこかで、安倍晋三氏が変節したのか、と」

鈴木氏「(安倍元総理銃撃事件についての)最初の報道もそうだったんですが、祖父の岸信介時代のことが取り上げられて、その流れの中で、(山上容疑者の)動機であるとかが、出てきたんですけど。『これちょっとまずいな』と思って。そこ(岸信介と統一教会)のクローズアップが、今回の事件の背景ではないので。

 実際に、この直近の10年間、何があったかということを、ちゃんと伝えない限り、事件の背景であるとか、犯人の動機を掘り下げることはできないと思っていましたので、事件直後の1、2週間の報道は、かなりまずいなーって思っていました」

岩上「カルトの基礎知識として、必要なことかなとは思うんですけれども」

鈴木氏「当然、必要なんですけれども、あの時の報道ベースで言うと、岸信介と文鮮明の関係から、安倍晋三さんも、統一教会と関係があると思い込んで銃撃した、というストーリーだったんですよ。

 その流れでいってしまうと、明らかに、安倍晋三さんは勘違い、犯人の思い込みで殺されてしまったという。逸らしていくという意図的な報道ではなかったと思いますが、そういう方向に話が行ってしまうんですね。

 ここ10年で、何があったかということを、ちゃんと語れる人は僕以外いなかったので。当時のことを取材してた人、有田(芳生)さんもずっと継続して取材はされていましたが、どうしても第2次安倍政権以降のことを、ちゃんと語れる人は、限られています。その中から、そういう報道は一切出ないことによって、山上容疑者の動機面がかなり誤解されてしまうんじゃないか、と。

 実際に直近の報道でも、安倍晋三事務所にいた人が、2000年代後半までは、距離を置いていたと証言されているんですね。それは僕の見立てともあっています。

 反ジェンダーの流れなど、2000年代前半にも、ある程度共鳴関係にあったことは確かですが、2013年の参院選で発覚した、組織票支援を直接頼むような関係までには至ってなかった。

 そこにかなりの乖離があって、2000年代後半、2010年あたりから民間レベルではかなり近づいていたのもあり。そこに、誰か、近づけた人がいるというのは、確かであって。そこで、どこかで分水嶺を越えてしまった。

 明らかに距離を置いていたのに、第1次安倍政権の失敗から、2回目はいろんな要素があったんだとは思いますが、そこで、なぜ、安倍晋三という政治家が、統一教会のアプローチを受け入れて、緊密な関係になってしまったのか。そこをきっちり検証すべきだと思うんです」

 安倍晋三氏と統一教会との関係が取り沙汰されたのは2006年5月に遡ります。天宙平和連合(UPF)が開催した『祖国郷土還元日本大会』に、当時官房長官だった安倍晋三氏と、元法務大臣の保岡興治らが祝電を送ったことが発覚していますが、安倍晋三氏自身の「判断」による祝電ではないとの見方もあり、当時は「まだ」密接な関係を構築していなかったと、鈴木氏は指摘しています。

 鈴木氏は、法務大臣に就くような政治家に接近するために、文鮮明から指令が出ていたと述べました。

鈴木氏「まず、その政治家のところに秘書として信者を送り込んで、弱みを握れと。最終的には、自分が立候補しろ、みたいなところまで、文鮮明が指示をしていたと言われています」

岩上「現時点では、秘書官の点検はまったくされていないので、自民党は全部やらなきゃいけないと思うんですけれども。本当に信者からスタートして、ついには政治家になった人っていう人は、何人かいるんですか?」

鈴木氏「そこは詳しくはっきりされてないですけど、いろんな情報を見ていくと、少なからずいるんじゃないか。それはまだはっきりと表に名前が出てないんですが、いろんな情報が入っていますが、なかなか裏取りができない」

 岩上「では、これから裏取りをして、世間に公表していく、大事な作業ですね」

 公設秘書は、一般の人が知ることのできない情報や、官僚が作る資料も真っ先に見ることができます。そうして得た情報をどう使うのでしょうか。統一教会が、海外に本部を置き、日本支部はコントロールされた出先であることを考えると、国政の重要情報が、韓国や米国、さらには統一教会の文鮮明とその一族との密接な関わりを考えると、北朝鮮へも流出していた可能性があります。少なくともそのリスクは否定できません。

 鈴木氏は、安倍元総理が、統一教会との関係を一気に深めていったのは、2010年の参議院選挙の前だったと指摘しています。2010年の参院選前、「漏洩した国際勝共連合の内部通達文書」とされる文書に「山谷(えり子)先生、安倍先生なくして私たちのみ旨は成就されません」との文言があります。この時点で、安倍元総理は、統一教会との間に何らかの関係性が構築されていたと考えられる、といいます。

鈴木氏「この当時、(統一教会は)霊感商法の摘発をかなり受けていて、『政治家対策が足りなかったのではないか』ということで、政治家対策を強化しはじめた時期ではあるんですよね」

鈴木氏「統一教会だけとは限らず、宗教右派と言われる人たち、日本会議であるとか、神社本庁であるとか親学の関連(一般財団法人親学推進協会、理事長・高橋史朗氏)であるとか、伊藤哲夫さんなんかもそうですけど。そういう宗教右派と言われる一群の人達の中に統一教会がいたという、ニュアンスですね」

 ここで、岩上は、「なぜ、あんなに(統一教会は)反ジェンダーにこだわるんでしょうか。どうしてもよくわからない」と問いました。

鈴木氏「教団の純血思想とバッティングしちゃうのもあると思いますが、統一教会が反共産主義というのもそれ自体は便宜的に掲げてきたものなんですよね。

 それが東西冷戦が集結して、その存在意義を亡くした時に、過激な性教育であるとか、男女共同参画であるとか、選択的夫婦別姓とか、LGBTであるとかも含めて、それも『文化共産主義だ』ということでターゲットにして、カメレオン的に(ターゲットを)変えてきているんですよね」

岩上「(文化共産主義)って、それ自体がでたらめじゃないですか。レーニンと(選択的夫婦別姓)なんの関係もない」

鈴木氏「そういうものと、保守派の政治家とニーズがあった。自分たちがカメレオン的に変えていった、それは政治家にうまくコミットするために利用してきた面もあって、非常に『こずるい』というか。

岩上「この『こずるさ』と、日本の保守の馬鹿さ加減が共鳴して出てきたものなのかなと思うんですけれども。選択的別姓問題といっても、韓国は別姓でしょう。それが日本に来たら、別姓反対だとか、そういうデタラメを言っているということに、なぜ誰もまともに『お前ら嘘ばかりつくんじゃないよ』と言わないのか」

 鈴木氏「そういうところ、突いていくと、いろんなボロが出てきますね」

 鈴木氏は、ミソジニーとマチズモを、伝統的な衣を借りて表現しているのではないかと述べました。

鈴木氏「保守派の政治家にすり寄るためと、そこの共鳴関係を作っていく上での選択だったんじゃないでしょうか」

 鈴木氏は、当時、霊感商法の摘発が続き、教団本部にも強制捜査の手が及ぶのではないかという危機感、「(教団の)霊感商法会社摘発と家宅捜索への危惧」から、政治家への擦り寄りが強化され、「反ジェンダーでの共鳴」が、保守派の政治家、安倍元総理との関係を深めたのではないか、と指摘しています。

鈴木氏「霊感商法会社の摘発が続いたのが、2007年から、厳密にいうと10年からなんですが、教団本部への強制捜査寸前まで及んだということで、教団が危機感を覚えて、もう一度政治家対策に本腰を入れなおし、教団の解体であるとか解散命令であるとかに発展しないように、政治家にコミットして保護をしてもらうようになったっていうのが、第2次安倍政権の誕生前夜の状況なんですよね。

 実際に、第2次安倍政権になって以降は、特に国家公安委員長には息の掛かったような政治家がずっと登用されてきていますし。まったく、教団への手入れであるとかは、霊感商法自体は商品介在させないようなものに変えてきたので当然それもあるんですけど、組織運用とか組織の自体の危機っていうのはずっとなかったんですよね。この10年、今回の事件が起こるまでは、共存共栄関係が続いていた」

岩上「自民党、特に第2次安倍政権は、自民党の中でも異質の、自民党が持ってたしょうもない部分の強度を高めた政権であることは間違いないですよね」

 鈴木氏は、統一教会という組織の非情な側面に言及しました。

鈴木氏「(統一教会は)きめ細かい思想的な裏付けは、まったくない団体だと思うんですよ。あくまで形として(宗教団体として活動)しているだけで、実態は『金集め』であって、細かいところは『知ったことではない』」

岩上「そうか、そうやって(信者が)困窮しようが、そんなことはどうでもいい、ということですか」

鈴木氏「だから、いろんな所でつじつまが合わない団体ではあることは確か」

岩上「本当に(信者が)ボロボロになっていっても、無理ですってなった時には捨てちゃうわけですね?」

鈴木氏「そうです。極端な話、教団に貢献できない人は見捨てる。通常の宗教団体は逆じゃないですか、社会的な弱者であればあるほど助ける、救済するとか」

岩上「うちの教団のホスピスありますよ、とか、墓地がありますよとか」

鈴木氏「最初に加入する段階で、障害のある人には絶対声をかけるなと。街頭勧誘するときのマニュアルで、教団の活動に貢献できない人には絶対声をかけないと。

 そもそも、本当に社会的弱者を救済する宗教団体という概念からまったく違う団体なんですよね」

岩上「なるほど。さて、2012年9月に教祖・文鮮明が亡くなる。これ、時代というのは、面白いように、不思議な偶然が重なりあってるんですね。というのは、この第2次安倍政権発足の前夜、9月に文鮮明が死去している。文鮮明がずっといたというイメージがとても強くて、文鮮明の後を追ったと。

 この韓鶴子の独裁体制になっているということは、分かっていませんでした。むしろ、韓鶴子の独裁体制と第2次安倍政権は、共に手をつなぎ、歩んできた」

鈴木氏「時系列で言うと、かなりリンクしているんですよね。『独生女(どくせんにょ)』宣言をして、自分が生まれながらの神の一人娘だと韓鶴子が言い出して。

 それまでの教団の教義とかと、まったく矛盾するようなことを言い出して、子どもたちが反発をしたり。後継争いの前から、2000年代から、一番の後継候補だった三男も追放してるんですよね。(中略)

 結局、息子たちは全部追放されてきちゃって」

岩上「文鮮明体制の影に隠れていますが、これまでの統一教会を見てきた目ではなく、もう一度刷新した目で韓鶴子体制を見て、そこに組み込まれてしまった日本の統一教会と安倍政権の関係を見ないといけない、ということですよね」

 鈴木氏は、安倍氏は、自身の政治的野心と引き換えに危険な取引を結んだのではないか、と指摘しています。第2次安倍政権が発足した翌年の2013年3月15日、国際勝共連合の新会長就任パーティーに多くの自民党議員が出席し、7月の参院戦へつながっていきます。

 2013年、山口県田布施(たぶせ)村出身の、元産経新聞政治部長・北村経夫氏が参議院選挙比例代表に出馬しました。この北村氏の選挙をめぐって、官邸の2トップである、安倍総理と菅官房長官が統一教会に選挙支援を「じきじき」に依頼していたことが発覚しました。

 鈴木氏は、この事件が発覚したのは、北村氏を支援していた地元の不動産会社社長が、統一教会と手を組むと知って怒り、選対部長を問い詰めて官邸からの指示だと聞き出したこと、そして北村氏の事務所にいた自民党の若手による告発からだったと説明しました。

 自民党の若手が暴露した統一教会の内部通達FAXには、以下のように書かれていました。

 「全国区の北村さんは、山口出身の政治家。天照皇大神宮教(『踊る宗教』とも)の北村サヨ教祖のお孫さんです。首相からじきじきこの方を後援してほしいとの依頼があり(中略)今選挙で北村候補を当選させることができるかどうか、組織の『死活問題』です」

 この事件は、当時、絶頂期にあった安倍政権に忖度するメディアはまったく見向きもせず、唯一『週刊朝日』だけが取り上げてくれた、と鈴木氏は振り返りました。

 鈴木氏は、2013年以降統一教会との関係を深めていった安倍氏について、次のように語りました。

鈴木氏「その(統一教会との付き合いの)濃淡でいうと、やっぱり菅政権とか、第4次安倍改造内閣の濃さはかなり突出してるんですよね。

 ただ、政治家にとってみたら、そこまで(統一教会を)重要視していなかったのかな、と。今回の事件が起こるまではですね。『気軽に付き合ってただけ』みたいな。

 陰謀論的な『こういう教団に日本の政治が侵食されていたんだ』という見方も、また、ちょっと危険なところがあって。

 実際の教団の影響力は、昨日、世耕さんが言ってみたいに、『まったくない』というような取り方も出来るのであって。

 今回の事件によって、様相が変わってしまった、という要素は、やっぱり強いですよね。安倍さんの事件が起こった後だからこそ、そう見えるというものと、当時、実際に統一教会と付き合ってた政治家が見ていた絵は、今見えてる絵とまったく違うんですよ」

 ※「旧統一教会に賛同する議員いない」 世耕氏が発言、野党は「えー」(朝日新聞、2022年10月6日)
https://digital.asahi.com/articles/ASQB64W35QB6UTFK016.html

 鈴木氏は、2010年代以降の統一教会の実態を最も詳しくみてきたジャーナリストです。その言葉には重みがあります。今回のインタビューでは、鈴木氏におうかがいしたい内容がたくさん残りました。鈴木氏には、次回のインタビューをご快諾いただきました。

 鈴木氏が言う、「当時、実際に統一教会と付き合ってた政治家が見ていた絵は、今見えてる絵とまったく違う」とは、どういう意味なのか、また次回のインタビューで詳しくおうかがいしていきたいと思います。

※冒頭オープン【ライブ配信 10/7. 15時30分~】岩上安身によるジャーナリスト 鈴木エイト氏インタビュー
https://www.youtube.com/watch?v=LivWVWyafj0

■IWJは8月に続き9月も、ご寄付・カンパが目標額に到達しませんでした。9月1日から30日までのご寄付額は141万9600円、目標額の22%にとどまりました! 8月と9月の2ヶ月分の不足分は、累計で515万7400円となり、10月は月間目標額390万円とあわせて905万7400円が必要です! どうぞ、緊急のご支援をよろしくお願いします!

 おはようございます。IWJ代表の岩上安身です。

 いつもIWJをご支援いただきまして、誠にありがとうございます。

 10月に入り、8月から始まったIWJの第13期も、3ヶ月目となりました。

 今期から、ご寄付・カンパの月間目標額を、前期の400万円から390万円に下げ、さらに支出を絞って緊縮予算でのぞんでいますが、第13期最初の8月分は、8月31日の時点でご寄付は122万3000円、月間目標額の31%にとどまりました。

 目標額に届かなかった267万7000円分は、9月の月間目標額に繰り越して上乗せし、9月の目標額は657万7000円と、かなり厳しいスタートとなりました。

 9月は1日から30日までの30日間で、114件、141万9600円のご寄付・カンパをいただきました。これは、上記の累積の目標額657万7000円の22%にあたります。ご支援くださった皆さま、本当にありがとうございます。

 とはいえ、8月に続き、9月も赤字転落を回避することはできませんでした。

 10月の累積の月間目標額は、390万円に累積の不足分の繰越し515万7400円を加え、905万7400円となりました。不足分が2ヶ月で、1千万円近い金額に膨れあがってしまったことになります。

 また、10月は7日までの7日間で、64万9030円のご寄付・カンパをいただきました。これは、10月の目標額905万7400円の7%にあたります。

 ご寄付・カンパによる緊急のご支援を、よろしくお願いいたします!

 皆さまにおかれましても、コロナ禍での経済的な打撃、そしてこのところの物価上昇に悩まされていることとお察しいたします。

 しかし、会員の数が足りなくなり、ご寄付が途絶えると、IWJは活動していけなくなってしまいます。

 IWJは、市民の皆さま、お一人お一人が会員となっていただくことで、政治権力におもねり、広告スポンサーに牛耳られている記者クラブメディアとは一線を画して活動しています!

 権力に不都合であっても、真実を追及し、権力の監視を行う「ウォッチドッグ」の役割を果たし続けることが可能になります。これも、市民の皆さまのお支えがあってのことです。

 また、大新聞、大手テレビが、足並みをそろえてウクライナ紛争において情報操作を行っている現状を御覧になればわかるように、権力と大資本から距離を置く独立メディアが存在しないと、真実はまったくわからなくなってしまいます。

 5日と6日の日刊IWJガイドの巻頭記事にあるように、統一教会全員で、かつ自民党の現役議員である小林貴虎三重県議が、国葬反対のSNSの発信は「隣の大陸から」と、あたかも中国等の外国からの情報工作であるかのような卑劣なツイートをして、情報操作を行っています。しかし、実際には、過半数の国民が国葬に反対していたのです。SNSに満ちていた「国葬反対」に声は、まぎれもなく日本国民の声です。

 ここで改めて気づくべきは、そもそもが反日カルトである統一教会こそは、韓国、そして米国に本拠を置く「外国勢力」であるという事実です。

 韓国・米国に本部を置き、そこでのおける活動のために日本国民の信者を「洗脳」し、財産を収奪し、政界に人材を送り込んで、日本の政治をゆがめてきた、まさに「内憂」であり、かつ「外患」勢力であるという現実です。自らが外国から来た「外患」勢力のくせに、自分たちが種をまいた問題を他国のせいにしようと情報操作するなど、最悪の所業といわなければなりません。

 反日カルト統一教会の会員で、かつ自民党議員という、小林県議の隣国のしわざに仕立て上げようとする、卑劣で、低劣な大問題デマツイートは、決して許されるものではありません。

 10月6日になって、小林貴虎県議は三重県庁で記者会見し、内容に誤りがあったとして投稿を撤回したと説明しました。7日付伊勢新聞は、「投稿のうち誤った点については明らかにしなかった」と不誠実極まりない記者会見だったことを伝えています。

※国葬投稿を削除 小林三重県議「内容に誤り」(伊勢新聞、2022年10月7日)
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E5%9B%BD%E8%91%AC%E6%8A%95%E7%A8%BF%E3%82%92%E5%89%8A%E9%99%A4-%E5%B0%8F%E6%9E%97%E4%B8%89%E9%87%8D%E7%9C%8C%E8%AD%B0-%E5%86%85%E5%AE%B9%E3%81%AB%E8%AA%A4%E3%82%8A/ar-AA12GAdZ

 伊勢新聞は「小林氏は会見で『名古屋市内で行われた講演の内容として「政府の調査結果に基づいている」と説明したが、誤りだった』とした上で『今回の投稿で多くの方に迷惑をかけた。深く反省している』と述べた」と報道しています。

 具体的な誤りの内容について問われた小林氏は「講演がクローズド(非公開)だったため、触れられない」と明らかにしなかったといいます。

 それなら、そもそも、その講演をデマツイートの根拠として「公開」した意味がわかりません。

 支離滅裂です。

 しかも、危険です。

 その講演で話されていないことを根拠に自分の思い込みだけで煽っているからです。

 自分のデマの根拠には非公開講演を持ち出し、その具体的な誤りの内容を問われると講演が非公開だったことを理由に拒絶する――こんな人は、公職を担う資格は到底ありません。

 問題が今、統一教会と自民党の癒着が可視化されつつあるので、これまでは、ネット上の匿名の「ネトウヨ」的ツイートの類いは、愚劣なこうしたヘイト発言の統一教会会員信者や、その同調者、シンパによるものだったのでしょう。「ネトウヨ」もまた同罪です。彼らはエセ愛国者であり、売国奴であり、日本を食い物にして実害をもたらす寄生虫の如き統一教会と、日本人でありながら同調している大バカ者です。恥を知れと言うべきです。

 9月27日、安倍元総理の国葬が行われましたが、同27日付の『NHK』の世論調査によれば、「政府が『国葬』を行う方針について、9月は「評価する」が36%、「評価しない」が57%となっている」とされていました。

 つまり、6割近くの国民が反対するなか、国葬が強行されたことになります。27日も、国会議事堂前、国葬会場の日本武道館周辺で、国葬に反対するデモが行われました。

 「隣の国がSNSで発信」などという情報工作を、外国が行う必要もなく、日本国民の多くが国葬に反対していたのです。

※【国葬】国葬めぐって分かれる賛否(NHK、2022年9月27日)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220927/k10013838451000.html

※「性差別主義というのは、日本が軍国主義になっていくことと表裏一体である!」「内閣は国会の上に立つんですか? 内閣は国権の最高機関ですか!?」~9.26 衆議院第一議員会館内国葬反対大集会「今回の国葬は、法的にも政治的にも無理がある」2022.9.26
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/511019

 安倍元総理をめぐる数々の疑惑のひとつに、統一教会との深い関係があげられます。岸田文雄総理は、「党と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係を絶つ」との述べ、自民党内の統一教会との接点を問う自民党内調査(自己点検)をしましたが、調査終了後も次々と新たな「接点」が明らかになっています。

 29日には、安倍派の重鎮である細田博之衆議院議長が旧統一教会と接点があったと認める文書を公表しました。2018年から19年の間に、関連団体の会合に4回出席したということです。細田氏は「地元の関係団体が選挙において私を支持するとの意向があったことは事実である」と、選挙支援を事実上認める発言もしています。

 ここまで追い詰められるまで、衆議院議長である細田氏は「党の所属ではない」として、上記の自己点検を免れていました。メディアから追及されない限り、統一教会との関係を「最小限」に見せかけようとする自民党の体質があらわれています。

※細田衆議院議長、旧統一教会と接点認める 会合4回出席(日本経済新聞、2022年9月29日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA292QC0Z20C22A9000000/

 『しんぶん赤旗』はすでに7月の段階で、細田氏が清和政策研究会会長だった2019年、旧統一協会系の天宙平和連合(UPF)が10月5日に名古屋市内のホテルで開いた国際会議「ジャパンサミット&リーダーシップカンファレンス2019」に出席し、講演をしていたことをスクープしていました。

 細田氏はスピーチの名が「韓鶴子総裁の提唱によって実現したこの国際会議の場は、たいへん意義深い」と述べ、「今日の盛会、そして会議の内容を安倍総理にさっそく報告したいと考えております」と述べていました。

※細田衆院議長 旧統一協会系行事に2019年 「安倍総理に報告したい」(しんぶん赤旗、2022年7月22日)
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik22/2022-07-22/2022072201_01_0.html

 今年2022年、『日本経済の黒い霧』を上梓された植草一秀氏は、安倍元総理の国葬は、対米隷属勢力と対米自立勢力の踏み絵になると指摘しました。

 植草氏は、10月3日に、岩上安身の単独インタビューに応じています。

※「覇権国の地位が脅かされて焦るアメリカの横暴と暴走を止めないと、世界全体が不幸に突き落とされる!」「『21世紀の新・帝国主義』と題して、岩上安身による植草一秀氏インタビュー『安倍国葬』は対米隷属勢力と対米自立勢力の踏み絵<国葬=旧統一協会=対米隷属=勝共連合>の図式を読む」
https://www.youtube.com/watch?v=lYcaLKwy5_w

 野党で、国葬に出席したのは、日本維新の会、国民民主党、NHK党、参政党です。立憲民主党からは個人として野田佳彦氏と玄葉光一郎氏が出席しました。

 欠席したのは、共産党、れいわ新選組、社民党、立憲民主党執行部です。共産党志位委員長、福島瑞穂社民党党首は、国葬反対のデモに参加していました。

※対応割れた野党 出席から反対集会参加まで(産経新聞、2022年9月)
https://www.sankei.com/article/20220927-32UXODIQNJKGBGGKW7SYEG5CR4/

 岸田総理は、国葬を強行しましたが、「自己点検」だけで、統一教会との関係をうやむやにおわらせるつもりでしょうか。疑惑や問題は次々と新たに浮上してきています! その存在とツイートによる発言自体が、自民党と統一教会の癒着の「生きた証明」ともいうべき小林県議の発言の真偽について、岸田政権と自民党は明らかにすべきです!

 統一教会が自民党の背中を押して、実現に向けて推進してきた改憲による緊急事態条項の阻止のために、私と、IWJのスタッフは、全力で立ち向かいたいと思います! 皆さまにはぜひ、ご支援いただきたく、IWJの存続のために、会員登録と緊急のご寄付・カンパによるご支援をどうぞよろしくお願いしたく存じます。

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岩上安身


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◆中継番組表◆

**2022.10.8 Sat.**

調整中

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◆中継番組表◆

**2022.10.9 Sun.**

調整中

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

「覇権国の地位が脅かされて焦るアメリカの横暴と暴走を止めないと、世界全体が不幸に突き落とされる!」~岩上安身によるインタビュー第1100回 ゲスト 政治経済学者・植草一秀氏
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/511223

「アベノミクスは『一握りのエリート対99%』という形で女性を分断した! 伝統的な家族主義イデオロギーが、社会の差別と暴力を増幅させる!!」~9.23 国葬反対! 安倍元首相の死を悼まない! リレートーク&デモ
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/510933

【IWJ号外】プーチン大統領が、併合したザポリージャ州にあるザポリージャ原発をロシア政府の所有に! さらに誘拐されたと伝えられたムラショフ・原発所長の拘束続報! 拘束したのはロシア軍で、拘束はウクライナ情報機関へ情報を流していたためとの理由!
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/511335

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■ウクライナ紛争によりEU崩壊!? 米国NATOと一体の西側メディアとは一線を画する西アジア地政学分析の専門ニュースサイト、『ザ・クレイドル(THE CRADLE)』がロシアによる4州併合以降のエスカレーションの新局面を衝撃分析!

 10月5日、米国NATOと一体化して、プロパガンダ機関となり下がった西側のメインストリームメディアとは一線を画する、西アジア地政学分析の専門ニュースサイト、『ザ・クレイドル(THE CRADLE)』が、ウクライナ4州(ドネツク、ルガンスク、ヘルソン、ザポリージャ)のロシア編入後のウクライナ紛争の新局面について衝撃的な分析を発表しました。

 その記事は、「ウクライナの西側への復讐」という大変意外なタイトルが付けられています。

※Ukraine’s revenge on the West(The Cradle、2022年10月5日)
https://thecradle.co/Article/Columns/16521

 記事の筆者は、M.K.バハドラクマール(Bhadrakumar)氏というインド外務省で30年間外交官生活を送った後、主にインドの外交政策と中東、ユーラシア、中央アジア、南アジア、アジア太平洋地域の問題について『アジア・タイムズ』などに執筆している方です。

 外交官生活の約半分は旧ソ連領、パキスタン、イラン、アフガニスタンへの赴任に費やされ、その他にも、韓国、スリランカ、ドイツ、トルコなどにも赴任したと自らのブログで語っています。

※INDIAN PUNCHLINE(2022年10月7日閲覧)
https://www.indianpunchline.com/about-me/

 『ザ・クレイドル(THE CRADLE)』の記事「ウクライナの西側への復讐」の副題がこの記事の趣旨を物語っています。

 それは「ウクライナでパワーバランスが再び変化し、その余波はEUプロジェクトの統一性そのものに影響を与えるだろう」というのです。

 以下は、この『ザ・クレイドル(THE CRADLE)』の記事「ウクライナの西側への復讐」の全文仮訳です。

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 「ウクライナのベクトル政治学は、222日前の紛争に新たな次元を追加した。

 通常、どのような紛争行動も、新たな力の均衡が決定された時点で終了するはずである。しかし、『力の均衡』は実際に均衡が達成されるまで終わらない。そして、ウクライナはさらに別の『再均衡』に入ろうとしていることを示す証拠があふれている。

 ロシア下院(国家ドゥーマ)がウクライナの4地域(ドネツク、ルガンスク両人民共和国、およびヘルソン、ザポリージャ両州)の併合を批准し、その関連法を採択したことは、新しい力学を生み出している。そして、ウクライナ国内の現場に新しい『勢力均衡』を生み出すにはある程度の時間を要するだろう。

 一方、外部環境も驚異的に変化している。ガスパイプライン『ノルド・ストリーム』の破壊行為に端を発した欧州のエネルギー危機の深刻化は、深刻な矛盾をはらんでいる。どう折り合いをつけるか、わからない。

 このように、ウクライナ周辺のハリコフ地方や黒海南部でロシアが大規模な軍備増強を行い、ロシアからクリミアに向かう長い装甲車の車列が伝えられていることあいまって、すべてが複雑な状況を呈している」

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■<IWJ取材報告>「公共事業で、いい加減な数字でスタートすること。それは『やってはいけないこと』」日本イコモス国内委員・石川幹子氏~10.6日本イコモス提言「近代日本の公共空間を代表する文化的資産である神宮外苑の保全・継承について」の記者会見

 2022年10月6日、午後4時30分より、東京都新宿区の東京都庁にて、一般社団法人日本イコモス国内委員会の主催により、「日本イコモス提言『近代日本の公共空間を代表する文化的資産である神宮外苑の保全・継承について』」の記者会見が開催されました。

 イコモス(ICOMOS)とは、国際記念物遺跡会議(ICOMOS/ International Council on Monuments and Sites)のことで、文化遺産保護に関わる国際的な非政府組織(NGO)です。

 会見には、日本イコモス国内委員会 委員長の岡田保良氏(工学博士)、同委員の石川幹子氏(農学博士)と増田兼房氏(工学博士)の3名が登壇しました。

そして、神宮外苑再開発にまつわるこれまでの経緯を踏まえながら、あらためて、岸田総理、小池都知事、および事業者らに宛てて、神宮外苑の保全・継承に向けた「7つの提言」を発表し、10月20までの回答を要求しました。

 岡田保良氏は、冒頭のあいさつの中で、都民の関心の多くが、『多くの樹木が伐採される』という側面に注がれている現状を認めつつも、「根本的に、神宮外苑の景観を、どのような法的枠組みで、将来にわたって継承していけばいいのかを紹介したい」と述べました。

 増田兼房氏は、神宮外苑地区のイチョウ並木を「名勝」に指定することで再開発による「伐採」を回避することを提案し、以下のように説明しました。

 「『近代の庭園・公園等に関する調査研究報告書』というものがございます。これはかなり大部なものですが、その中で、全国の近代の庭園・公園的なものを調査した結果、『名勝』的な価値があるという非常に重要なものとしてリストアップされたなかに、『このイチョウ並木と神宮内苑の森というものが2つセットで保存されるべきである』と書かれています。(中略)

 明治神宮とこの外苑というのは、当然、天皇が亡くなられたあと、大正のロマンチシズムの時代の中で、たくさんのお金持ちの方々、そして全国の国民の方が、大量の勤労奉仕と樹木を寄付されるという中で、これは作られた一種の、当時の国民的モニュメントのようなものなのですが、(中略)価値があるということはすでに文化庁のほうで言っておられます。

 ですので、あとは神宮のほうでですね、ぜひこれについてご判断いただき、指定・保護のための措置をしていただければ、大変ありがたいのではないかということがございます」

 8月16日、神宮外苑地区の再開発について、環境影響評価審議会が開催された。そこで事業者側は、2022年4月から実施した詳細調査を踏まえ、当初伐採予定だった樹木971本を556本に減らした(4割減)ことなどを発表しました。

 この発表の内容については、環境影響審議委員から「根拠の不明瞭さ」が指摘され、8月18日に出された答申書では、「審議会としても今後の事業者の環境保全措置に継続的に関与することで、寄与していく」という極めて異例の措置がとられました。

 これについて、日本イコモスは、現地調査・検証作業を行い、結果として、以下のことが明らかになりました。

 (1)4割減された556本の毎木(まいぼく)データ(※)は審議会資料には存在せず、添付資料として提示されたデータも最新のものではなく、証書伐採予定数の971本のデータも存在しなかった。

 ※ある区画のすべての樹木について、樹種名や樹高、幹周などの各種データを測定する毎木調査により得られたデータのこと。

 (2)提出された図面に含まれる「絵画館前芝生広場」エリアの伐採本数が含まれていない(ゆえに伐採本数が減少した)。

 (3)事業者側が行ったという「2022年4月から実施した詳細調査」のデータも存在しなかった。

 日本イコモスは、上記の3つが、東京都環境影響評価条例(※)第7条に示される「事業者の責務の誠実な履行」を大きく逸脱するものであると指摘しています。

※東京都環境影響評価条例
https://www.reiki.metro.tokyo.lg.jp/reiki/reiki_honbun/g101RG00001372.html

 「事業者の責務の誠実な履行」について、石川幹子氏は、質疑応答の中で、次のように述べました。

 「公共事業で、いい加減な数字でスタートすることになりますよね?そうすると。それは、『やってはいけないこと』なので、ようするにルール自体がきちんと守られていないということです」

 記者会見の詳細はぜひ、全編動画をご視聴ください。

※「公共事業で、いい加減な数字でスタートすること。それは『やってはいけないこと』」日本イコモス国内委員・石川幹子氏~10.6日本イコモス提言「近代日本の公共空間を代表する文化的資産である神宮外苑の保全・継承について」2022.10.6
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/511287

■ウクライナ紛争のエスカレーションの背景にあるのは米国によるウクライナへの武器供与!~9月発行の「岩上安身のIWJ特報!」は、8月16日収録「岩上安身によるインタビュー第1090回 ゲスト 国際政治学者・神奈川大学教授 羽場久美子氏」をテキスト化し、詳細な注釈をつけて発行しました! ぜひ「まぐまぐ」からご登録ください!! バックナンバーの単独購入も可能です! サポート会員になればバックナンバーをすべて読めます! ぜひ、サポート会員に登録を!!

 IWJではメルマガサイト「まぐまぐ」で、「岩上安身によるインタビュー」をテキスト化し、詳細な注釈をつけて「岩上安身のIWJ特報!」として、毎月発行しています。

 9月は、8月16日に収録した「岩上安身によるインタビュー第1090回 ゲスト 国際政治学者・神奈川大学教授 羽場久美子氏」を、第572号から第574号として発行しました!

 各号の大まかな内容がわかるよう、以下に目次を掲載します。ぜひ、ご一読ください。

(第572号の目次)
・早期停戦が叶わぬ背景には米国からウクライナへの武器供与が! それはロシアの侵攻以前から始まっていた!
・「ボスポラスを抑えるものは世界を制覇」!? 欧州、アフリカ、アジアが重なる黒海とクリミア半島は重要拠点!
・軍事産業を潤し、シェールガスや穀物を高く売り、米国の威信回復? この戦争の「旨味」を学会で語っていたジョセフ・ナイ

(第573号の目次)
・ウクライナを守ることがアメリカの目的ではない! ロシアの弱体化と米国の覇権継続が狙い!
・「ロシア・ウクライナ戦争は、米国を有利にした」という米政治学者ジョセフ・ナイの見解と逆の結果に!
・独立わずか30年のウクライナ。複雑な地域の集合体が単一の国民国家として戦争するには無理がある!

(第574号の目次)
・ポーランドからの独立で始まったウクライナ民族主義。だが、この戦争でポーランドが西ウクライナを吸収?
・「1インチも東に広げない」はずだったNATO。この30年で加盟国が2倍! なんと2008年に「ウクライナを入れる」と決めていた!
・ クリミア半島を死守したいロシアの核使用を避けるには「ウクライナ中立化」の選択も!

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※シリーズ:IWJ特報
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 羽場久美子教授へのインタビューは、以下のURLから御覧いただけます。こちらもぜひあわせて御覧ください。

※「ウクライナ紛争のエスカレーションの背景にあるのは米国によるウクライナへの武器供与!」~岩上安身によるインタビュー第1090回 ゲスト 国際政治学者・神奈川大学教授 羽場久美子氏 2022.8.16
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/509539

※即時停戦を!「ウクライナ問題は少なくとも2004年と2014年の二つの革命から見ていく必要がある」ウクライナ紛争と米国の戦略~岩上安身によるインタビュー第1098回 ゲスト 国際政治学者・神奈川大学教授 羽場久美子氏(続編)2022.9.23
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/510889

■【スタッフ募集・動画班】岩上安身によるインタビューを撮影・編集したり、大臣会見やビデオカメラによる現場取材と中継、撮影した動画の編集を行うスタッフを募集します。PCによる動画の編集作業の基本ができる方、特にYouTubeの撮影・編集などの経験のある方を特に優遇し、最優先で募集します! 経験が少なくとも、意欲ある若い方、研修を受ければ習熟していけるとの自信や情熱がある方も歓迎です! 時給は1300円からのスタートです。IWJの動画・記事のコンテンツの視聴・購読経験が一定以上あり、共感できた方に限ります。

 動画班で、大臣会見やシンポジウムなどの中継・取材を行い、撮影した動画へのスーパー挿入やハイライトの作成等の動画編集を行うスタッフを募集します。

 PCによる動画の編集作業の経験がある方を特に優遇し、最優先で募集します。

 経験が少なくとも、意欲ある若い方、PC操作やカメラの撮影にも、研修を受ければ習熟していけるとの自信や情熱がある方も歓迎です。もちろん、必要な研修はIWJ内にて教えていきます!

 時給は経験・ノウハウのある方ならば1300円から、能力・実績次第で昇給します。超過勤務の残業手当や深夜業務による手当は法にのっとった割り増し残業代を支払います。

 雇用形態はアルバイトまたは契約社員で時給1300円からのスタートになります。能力と実績次第で昇給します。正社員登用の途もあります。定年退職(65歳)となれば勤務年数に応じ満額の退職金をお出しできるよう会社が積み立てています。

 他方、副業としての雇用や業務委託契約、外注も相談に応じます。残業代、深夜残業代もきっちりお支払いします。

 入社ご希望の方は、下記のURLのスタッフ募集フォームにご記入の上、履歴書、職務経歴書(書式自由)を添付の上、admin@iwj.co.jp までお送りください。

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 それでは、本日も1日、よろしくお願いします。

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IWJ編集部(岩上安身、六反田千恵、尾内達也、前田啓、中村尚貴)

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